有峰口駅
有峰口駅は登山者にとっては馴染みがある駅である。百名山の薬師岳への登山口にある駅だからね。
それにしても百名山の登山口の駅がこんなにボロい(味がある)駅ってどうなのよ?
有峰口駅 駅舎 |
駅舎である。さて、この写真から語ることが。
壁の上の方に駅名表示があるでしょ。これ、右から「小見駅」と表示されているはずなのだが、真ん中の「見」の看板が脱落してしまっているのである。
ちなみにこの駅の開業は昭和12年。当時は小見駅という駅名だった。有峰口駅に改名されたのが昭和45年なんだそうだ。
で、その時にどうやら現在は庇の下に取り付けられている「有峰口駅」の看板を、「小見駅」の標識に被せるような形で取り付けたらしい。
ところが何年かして、その新しい駅名看板が落ちてしまったそうなのである。
・・・もうお判りかな?
「有峰口駅」の看板は、小見駅の「見」の字の銘板の上から取り付けられていたのである。そして駅名看板が、「見」の字と一緒に脱落してしまった、というわけなんである。で、今は駅名看板は庇の下に付け直されている、という歴史があるのだ。
・・・なんかすごくマヌケな話なのだけど。このマヌケさ、というか鈍臭さ、というか飾り気のなさ、というか、とにかく大好きである。いかにも富山だわ。
ちなみに小見というのはこの近辺の集落の名前で、「剱岳 点の記」にも出てきた宇治長治郎は小見の人である。長治郎以外にも剱岳や黒部川の開拓史には小見の人がたくさん出てくる。芦峅のガイドは有名だが、小見は実は芦峅にまったく負けていないガイドの村だったのである。
有峰口駅 駅舎内 |
有峰口駅の駅舎内。
この駅、珍しく出札口などの窓口が塞がれていない。そのため有人駅時代の雰囲気を比較的濃く残している。
この駅もとっても丁寧に綺麗に使われている。
有峰口駅 ホーム |
ホームは島型の2線。
石積みのホームって味があるよね〜
有峰口駅 駅前通り |
駅前通り。細い道。
「Railways
-愛を伝えられない大人たちへ」で佐和子が急病になったおばあちゃんを助けるために徹が運転する電車に乗り込んでくるシーンがあるが、それは宇奈月のすぐ近くの下立付近での話だった。劇中でもそう語られている。
で、救急処置が終わり、救急車が隣の駅に来て佐和子が付き添いながら救急車が去っていくわけだが、そのシーンはこの有峰口駅前で撮影されたらしい。夜のシーンなので見てもよく判らんのだけど。
でも、確かにこの通りかな〜とは思うシーンだった。