上横江駅跡(廃駅)

 

 横江駅から山側に数百mの地点に昔、上横江駅という駅があったらしい。といっても廃駅になったのは平成9年。わりと最近なんである。
 横江駅が既に「廃」の香りを漂わせているのに、上横江駅跡はどうなっているのだろう。
 いや、そもそも横江駅の立地が谷が狭くなる際にあるので、これより上流側に現在は集落などないし、過去にもあったとも思えない。こんなところにどうして駅が?
 とにもかくにも行ってみないと何も判らない。というわけで行ってみた。

 

駅前広場跡?

上横江駅跡 駅前広場跡・・・?

 

 アルペンルートに向かう県道を走ると何やらコンクリの柱が林立しているのが見える。どうやらこれが上横江駅跡らしい。
 行ってみるか、と思ったものの降りていく道が判らない。一度行きすぎてしまい、戻ってようやくヤブだらけの道を見つけた。原チャリ(地鉄の駅は主要道路からの入り口が判りにくいものが多く、駅前に駐車スペースがない駅も多々あるので、駅巡りは小回りが利く原チャリが最適なのだ)を道端に停めて歩いて夏草をかき分け、降りていく。
 すると目の前に広がるのがこの原っぱであった。これは・・・駅前広場か何かがあったのか?

 歩いていくと線路の手前に段差があった。どうやらホームになっていたらしい。

 

通過電車

上横江駅跡を通過する電車

 

 広場の端から。電車が来たので撮ってみた。
 これにしても、この「廃墟」の中を何食わぬ顔をして電車が走っているのは何だか妙な感じである。まあ廃線じゃないから当たり前なのだが。

 線路の向こう側にもホームの跡がある。コンクリの構造も見えるし。
 ホームと線路の間隔が空いているので、どうやらこの駅は少なくとも相対式の2線ホームだったらしい。そりゃそうだ、一時は終着駅だったのだから。

 それにしても、立ち並ぶコンクリの柱は何だ?

 

ホーム跡?

上横江駅 駅舎跡?あるいは上屋跡?

 

 渡ってみた。
 ホーム上は意外に草が少ない。
 このコンクリ柱、駅舎の痕跡かなと思ったのだが、それにしては長い。ホーム上の上屋の跡なのかな。
 駅舎はおそらく反対側(山側)にあったのだろうと思う。主要道路から直接来れるのは山側だから。こちらがわに駅舎があったのなら、県道からアクセスする道は踏切で一度線路を渡らなければ駅舎に来れないもの。
 (しかしそんな推測があてにならん、ということは後に粟巣野駅跡で思い知ることになる)

 

唐突に踏み切り

唐突に踏み切り

 

 ・・・駅の富山側なのだが、踏切があるじゃん。
 とすると、県道から降りてきた道がここで線路を渡り、駅舎に接続していたかも、という推測も成り立つ。
 まあ、少なくとも今のこの踏切は、まともな車が通行できる代物ではないけど。今は農作業車くらいしか通らないのかな?前後はとても頻繁に車が通っているとは思えないほど草ボウボウだったので、滅多に使われない踏切であることは間違いないだろうけど。

 しかし、曲がりなりにも駅があった場所が、たった17年でこうも痕跡が消えてしまうものなのか。

 

 

 

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