2005年モンベルの傾向と対策

 2005 Spring & Summer Clothing Catalog と 2005 Gear Catalog (モンベル )より。

新素材

 今年からモンベルオリジナルの防水透湿性素材のドライテックブリーズドライテックという名称に変わった。
 何が変わったのかいなと見てみると、どうやらドライテックに通気性を持たせたものらしい。
 これはけっこう特徴がある素材だと思う。通気性を持った防水透湿性素材というのはあまり記憶にないから。
 間違われやすいが、ゴアテックスなどの防水透湿性素材は「防水性と透湿性を両立させたもの」であって通気性ではない。現に現在のゴアテックスには透湿性はあるが通気性はない。第一世代のゴアテックスには通気性があったのだが、これは油に非常に弱いという弱点があったので現在では通気性を必要とするテント以外にはほとんど使われていない。レインウエアなどに使われているゴアテックスは通気性がない素材である。

 なのでこの「通気性がある防水透湿性素材」というのは面白そうである。
 今年のモンベルではレインウエアやシュラフカバーなどにこのブリーズドライテックを使った商品が展開されているが、どんな使用感なのだろう。
 ちなみに性能は、ゴアテックスの耐水圧45,000mm以上、透湿性13,500g/m2/24hrsに対し、ブリーズドライテックは耐水圧25,000mm、透湿性15,000g/m2/24hrsと同等以上である。少なくとも透湿性についてはカタログスペック上ではゴアテックスを超えている。

 で、「通気性を持った防水透湿性素材」ということで当然思いつくのは、この素材、テントやダウンジャケットに使ったら面白いのではないか?ということなのだが・・・
 両方とも通気性は不可欠な代物であるため、防水性を付加するのに素直にゴアテックスを使うことができない道具である。テントについては油に弱い第一世代のゴアテックスが未だに使われているし、ダウンジャケットはゴアドライロフトという素材が使われているものがあるが、これは防水性素材ではない。
 ま、テントやダウンジャケットが必要とするほどの通気性があるのかどうか判らないので勝手な夢なのだが、完全防水のダウンジャケットとかが出たら非常に面白そうなんだけどな・・・

 シューズの方ではアウトドライという新素材が出ている。今までモンベルのレザーブーツにはシンパテックスという防水透湿性素材が使われていたが、その代わりということらしい。
 なんでもアウターのレザーと密着させることができたため、中間に水が貯まることなどを防止することができる、というものだそうだ。

 カタログをよく読んでみると、どうもアウトドライとは素材の名称ではなく、製法であるような雰囲気である。
 ただ、そのアウターのレザーと密着させた防水透湿性素材が如何なるものなのか、明記されていないので判らない。
 まあ、シンパテックスの 4,000g/m2/24h という透湿性能は、あまり性能的に優れているとも思えなかったので(足ってけっこう汗をかく部位だと思うのだが・・・)、それよりは高性能であることを期待したいところだ。

 ある方から情報を頂いたのだが、このOutDryというのは、イタリアのNEXTEC社が開発した「靴等の甲材(天然皮革)に防水透湿性フィルムを立体ラミネートする製法」のことを指すらしい。
 で、その防水透湿性フィルムであるが、日本の小松精練という会社が供給し、靴甲材の日本でのOEM生産も行うらしい。
 詳細はこちら。
 こんなところに北陸の会社の名前が出てきたのでちょっと驚いた。
 でも、やはりその肝心の防水透湿性素材の正体はまだ判らない。

 ちなみに去年の2004シーズンでは、モンベル自慢の超軽量ナイロン生地のバリスティック・エアライトを改良した新しい生地を投入してシュラフを全面的に軽量化してたし、毎年地道に基礎開発をしている様子である。

テント

 モンベルはベーシックな軽量ドームテントのステラリッジ、そのゴアテックス版のアルパインドーム、吊り下げ式で冬山用に特化したジュピタードーム、キャンプ用のムーンライトの4つのシリーズのテントを製造しているが、今シーズンはステラリッジとムーンライトの2つのシリーズをモデルチェンジした。

 ただし・・・どこが変わったのか判らない・・・
 サイトの写真では旧型とまったく同じに見える。もしかしたら同じ写真を使い回しているのでは・・・?
 というわけで、表で新旧比較をしてみると・・・

モデル

重量
(本体+フライ+ポール)

重量
(張り綱等含む総重量)

価格

ステラ1 (旧)

1.62kg

1.94kg

\37,800

ステラ1 (新)

1.65kg

1.90kg

\32,800

ステラ2 (旧)

1.79kg

2.02kg

\40,950

ステラ2 (新)

1.81kg

2.06kg

\35,800

ステラ3 (旧)

2.23kg

2.52kg

\48,300

ステラ3 (新)

2.18kg

2.44kg

\41,800

ステラ4 (旧)

2.63kg

2.93kg

\53,550

ステラ4 (新)

2.47kg

2.74kg

\45,800

 こんな感じである。ちなみにサイズなどはまったく同じ。
 ん〜・・・微妙だなぁ。4型以外は重量はほとんど変わらない。4型は総重量で200g近く軽くなっているので、これは手に持てばはっきり判る重量差だし良いなと思う。
 それより何より大幅に安くなっている。全てのモデルで5000円以上安くなった。旧3型より新4型の方が安いし。
 ま、モンベルの場合は年に2回は価格改定をするしその度に値段がけっこう変わるので、買う予定がある人は安い内に買っておけば、と思う。
 それにしても、私が持っている4型は2000年型なので旧々型になるのだが、総重量は3.02kgである。今年の型は300gも軽いのか・・・いいな・・・

モデル

重量
(本体+フライ+ポール)

重量
(張り綱等含む総重量)

価格

ムーンライト1 (旧)

2.0kg

2.2kg

\22,575

ムーンライト1 (新)

2.1kg

2.3kg

\19,800

ムーンライト2 (旧)

2.6kg

2.8kg

\27,300

ムーンライト2 (新)

2.6kg

2.8kg

\24,800

ムーンライト3 (旧)

3.0kg

3.2kg

\30,450

ムーンライト3 (新)

3.6kg

3.8kg

\27,800

ムーンライト5 (旧)

5.0kg

5.5kg

\57,750

ムーンライト5 (新)

4.9kg

5.4kg

\44,800

ムーンライト7 (旧)

8.2kg

8.8kg

\72,450

ムーンライト7 (新)

7.8kg

8.4kg

\59,800

ムーンライト9 (旧)

11.9kg

12.5kg

\106,050

ムーンライト9 (新)

11.0kg

11.7kg

\82,800

 これも新旧でほとんど変わらない。ただ値段は大幅に安くなっている。5型以上で顕著である。
 3型の重量が大幅に増加しているのは、今までオプションだった前室用のフライが標準になった、というかより正確に言えばフライが前後室付きのフルフライになったからのようだ。
 立山の雷鳥沢キャンプ場でベースキャンプを張るには、実はステラなんかよりムーンライト5の方が遙かに楽しそうで良さ気なんである。実は前々から欲しいテントなのだ。安くなったし、いいな・・・

 ステラリッジ、ムーンライト共に使用している生地のスペック等は一切変わっていない。
 また、サイズもほぼまったく変わっていない。(モデルによっては出入り口の高さが1cm低くなっていたり、収納サイズが1cm小さくなっていたり、という程度)
 何が変わったのかというと、両シリーズ共に生地に難燃加工を施した、ということらしい。
 また、ムーンライトシリーズは、ポールに本体を吊り下げるフックがプラスチックになった。
 それとステラリッジは、フライシートのベンチレーターやジッパーに小さな改良が加えられた程度である。

 それから従来は5型以上にしか用意されていなかったムーンライトのグラウンドシートが、1型も含めた全モデルに用意されるようになった。ただ、テントマットは相変わらず5型以上にしか用意されていない。
 底面形状が長方形ではないテントなので、テントマットは1型や2型にもあればいいのに・・・と思う。でも、自分がオーナーだったらやっぱり買わないかな。
 それから従来あったムーンライトのメッシュテントがカタログから消えた。ま、どうでも良いけど。

レインウエア

 今年からモンベルのレインウエアは、ほとんどのモデルが上下別売になった。最近は上下別というのが流行ってきているのでモンベルも追従したということなのだろうか。
 もっとも、レインウエアはまず絶対と言っていいほどズボンが先にダメになるものなので、上下別売というのが合理的だとは思う。
 レインダンサートレントフライヤーは去年モデルチェンジしたばかりだし、上下別になっただけで変わったようには見えないが、その他のモデルはほとんどがモデルチェンジしていて、ラインアップ総入れ替えといった感じである。ストームクルーザーやレインダンサーは、去年までと比較して上下で買うと少しばかり高くなってしまったが・・・
 サイトでストームクルーザーの写真を見ていると、前立てのフラップにボタンが見えないのだが、ここはベルクロになったのだろうか。ボタンだと面倒くさくてきちんとはめず、結局前立てから浸水していたのでベルクロになったのならありがたいのだが。(モデルの改良より性格を改良した方が話が早そうだけど)

 それにしても、上下別にしたのなら別に「ストームクルーザーの上下」なんて揃えて買う必要もないわけで、売る方にしたって何もストームクルーザーやレインダンサーにそれぞれパンツを設定する必要もないのではなかろうか。パンツはゴアテックスとドライテックの2種類くらい設定すれば良さそうなものである。色だって何色もいらないぞ。イエローのジャケットに赤のパンツなんて買い方をする人もあまりいないだろうから、黒とかグレーなんかのどんな色にも合わせやすい色が2〜3色あればいいのでは。そしたらもうちょっと安くなりそうなものである。

 モンベルはレインウエアには異様に拘っているメーカーで、他メーカーと比べてモデル数が異常なほど多い。
 従来ではゴアのレインスーツでストームクルーザーとレインダンサー、それにトレントフライヤーの3モデル、ドライテックでバーサライトとレイントレッカーの2モデル、さらにハイドロブリーズで1モデルと、計6モデルもあったのだ。さらにさらにその上、ポンチョやレインコートのラインアップもあるし、車イス用のレインコートまで出していたりする。(その他に自転車用やオートバイ用のレインウエアも出している)
 だというのに、今年はさらに3モデルも追加されてしまった。狭いショップならモンベルのレインウエアを陳列するだけでスペースを使い切りそうである。

 追加されたのはゴアテックスのストームハンターレインフィールダー、ブリーズドライテックのピークシェルというモデルである。

 ストームハンターは「登山ガイドや山岳警備隊など、ハードユースにも耐える高耐久ジャケット&パンツ」ということらしい。70デニールの分厚い生地を使い、さらに140デニールの生地で補強まで入っている。
 でもこれ・・・冬山用のアウターとどう違うのだ?というかヘタな冬山用ジャケットより生地が厚い。その分重い。ジャケットだけでストームクルーザーより100gも重い。
 なんだか冬山用のアウターより1万円くらい安いし丈夫そうなので、レインウエアとして使うより冬山用のアウターに買った方が面白そうなジャケット&パンツである。

 レインフィールダーはストームハンターの補強なしバージョンといった感じである。メインに70デニールの生地を使っているのは同じだが、補強は入っていない。今期のモンベルのゴアテックスレインウエアとしては最も安いモデルになる。「野外観察や農作業などにも最適」ということなんだが・・・いゃぁ・・・農作業にゴアテックスはちょっともったいなくって・・・

 ちょっといくらなんでもモデル数が多すぎ、という感じはある。
 今までは「ちょっと重い代わりに安いゴア」というポジションはレインダンサーが担当していたのだが、レインダンサーは去年モデルチェンジして妙に軽くなってしまった。そのポジションを埋めるのが新しい2モデルということなのだろうが(ただしストームハンターは高い)、これだけモデル数が多いと棲み分けも大変だろうに・・・

 もう1つのニューモデルであるピークシェルはちょっと面白い。
 ブリーズドライテック使用と言うことで、「通気性があるレインウエア」がどんな使用感なのか興味もあるのだが、このピークシェルはとにかく軽いのである。ストームクルーザーより100g軽い。最軽量のバーサライトよりは僅かに重いのだが、バーサライトは旧ドライライトテックだし、こちらの方が面白そうである。バーサライトは2レイヤーなのに、こちらの方は3レイヤーでほとんど同じ重量というのも驚きである。
 ただし高い。なんとストームクルーザーより高いのである。ドライテックなのに。
 面白いけどこの値段ではあまり売れずに数年で廃番になりそうな気もする。

モデル名

価格

重量

ストームクルーザー(旧)

\27,090

650g

ストームクルーザー上下(新)

\28,600

605g

レインダンサー(旧)

\20,790

630g

レインダンサー上下(新)

\24,600

605g

レイントレッカー(旧)

\15,330

525g

レイントレッカー上下(新)

\16,600

590g

 ストームクルーザーは写真を見る限り、パターンも少しだけ変わったようだが、フラップ幅などを小さくするなどのかなりチマチマした改良で45gもの軽量化を達成したようである。
 いいなと思ったのは、前立てのフラップがボタン留めではなくベルクロ留めになったことである。ボタン留めだとついつい面倒でちゃんと留めなかったんだよなぁ・・・で、結局ジッパー部分から浸水したもんである。なんでもっと早くベルクロ留めにしてくれなかったんだ。(ちなみにレインダンサーは去年モデルからベルクロ留め)

 レインダンサーは上下別売になったので品番は変わったが、カタログからはまったく変わったようには見えない。去年モデルチェンジしたばかりのモデルだし変わってないだろうと思うのだが、重量は25g軽量化されている。謎である。

 レイントレッカーはドライライトテック2レイヤーからブリーズドライテック3レイヤーになったので、もうまるっきり別物になった。レインダンサーと同じ40デニールのフルダルナイロンを使っている。
 「通気性のあるレインウエア」ということで、ゴアテックスより快適かも。値段も安いし一番のお勧めかも。というより単に個人的に興味があるだけなのだが。誰か試してみてください

 今期から上下別売なので、別に律儀に「ストームクルーザーの上下」なんて買い方をする必要はなく、ストームクルーザーのジャケットにレインダンサーのパンツ、という買い方もできる。この場合26,600円と少しだけだが安くなる。
 どうしたってパンツの方が傷みが激しいので、パンツは強靱なストームハンターのパンツ、その重量増を相殺するためにジャケットはピークシェル、なんて買い方も面白いかも。重量はストームクルーザー上下と同レベルの595gで済む。ただし値段は31,600円もしてしまうが。
 あるいは逆に、ジャケットは軽い冬山にも使うということでストームハンターのジャケット、下はとにかく傷んだらさっさと買い換えるということで最も安く軽いバーサライトパンツ、という組み合わせだと26,360円、645gである。

 どうぞみなさん、凝ってみてくださいませ。

ブーツ

 今年は靴もほぼラインアップ総入れ替えである。
 モンベルのブーツは大きく分けるとレザーのアルパインクルーザーシリーズ(3000、2800、2500、2300)とナイロンのトレッキングシューズ(ツオロミーブーツ、タイオガブーツ)に分けられるが、去年出たばかりのアルパインクルーザー2800を除いて全てモデルチェンジされた。
 アルパインクルーザーの方は前述したとおり、防水透湿性素材に新しくアウトドライを使用している(従来はシンパテックス)。
 まあ、靴ばかりはスペックがどうのとか言うより「足に合うか合わないか」が最も重要な選択要素なので、一概に良くなったとかどうのなどとは言えないのだが、全体的にデザインは良くなっているような。特にタイオガブーツはかっちょいいと思うのだが。
 ミッドソールは今期モデルからEVAに変更されたようである。ソールの剥離対策なのかな?

 シンパテックスのアルパインクルーザーシリーズは、今年も併売されるようである。
 とはいえ、デザインも3000を除いてほぼ同一だし、これは旧モデルがなくなるまでなんだろうな。

 ひとつ特筆すべきは、ついに子供用のブーツが出たことである。タイオガブーツJrである。オレンジはなかなかかっちょいい。
 ちょうど次男が靴の履き替え時期なので、今年はこれを買う予定である。なんでもサイズ調節可能な中敷きが付属するという。子供の場合、普通に買うとたった1年で履き替えと言うことになってしまうので、もしこれが有効なら2年くらい履けそうでとてもありがたいことである。

シュラフカバー

 昨年はシュラフが全面的にモデルチェンジされたが、今年はシュラフカバーがかなり入れ替えられている。
 というか、ゴアテックス製のモデルは変わらないのだが(ゴアテックスのサイドジップモデルだけがなくなった)、ドライテック製のモデルが全面的にモデルチェンジされてブリーズドライテック製になった。ドライテックのスーパーストレッチモデルはなくなってしまった。2月にこれらのモデルがアウトレットの方に回ってきたとき、これを買うか新しいモデルを買うか、ちょっと悩んだのだが(私のはもう20年以上使っているので、そろそろ替えたい・・)、とりあえず新しいのを待つことにしていたのであった。

 で、新しいドライテックのモデルは、ULモデルサイドジップモデルの2つである。
 実はこのULモデルが出るらしいと聞いたので待つ気になったのである。どれだけ軽いのが出てくるのかな?と期待していたのである。

 で、出てきたものは期待を裏切らず、実に180gという軽さである。これは凄い。
 ゴアテックスのノーマルモデルでは600gもあるので、なんと1/3以下の軽さである。ゴアテックスにもULモデルはあって、こちらの方は225gとなっている。
 600gといえば、私が買ったダウンの#4と同じ重さではないか。シュラフをダウンにしたので濡れ対策も以前より重要になるし、今後はシュラフカバーの必要性が増してくると思っているのだが、600gのシュラフカバーは論外である。なんのために軽いダウンシュラフを買ったのか判らなくなるではないか。
 ちなみに今持っているのは、20年以上前に買った好日山荘オリジナルのゴアテックス製品である。これがまたけっこう軽くて実測で290gである。
 シュラフカバーの場合、劇的な軽量化というのはたいてい2レイヤー生地にすることで達成されていて、その場合は単体での使用はできないということになっている。裏地が付いていないので、単体で使うとゴアの傷みが激しいためである。
 しかしこの好日モデル、かなり単体で使用していて酷使しているのだが、未だにメンプレンの剥離などは見られない。さすがに数カ所にカビが生えてはいるが、まだまだ現役で使える状態である。生地はナイロンではなくて紙ではなかろうか?と重う独特の風合いなのだが・・・
 そんなわけで「そろそろ新しいのが欲しいな」と前々から思っていても、ついつい購入に二の足を踏んでしまっていたのだが、さすがにこのブリーズドライテックのULモデルは、買う気満々である。200gを切っているというのは迫力があるよね。

 もうひとつのサイドジップモデルの方は3レイヤーなので405gと、まあ普通の重さである。まあ一般的に使いやすいのはこちらだろうが。

 実はシュラフカバーって、透湿性には非常にシビアな道具だったりする。一晩中、身体が発する水蒸気を逃がし続けなければならないし、朝起きたときの内側の結露でその性能もはっきり判ってしまう。レインウエアだったら、雨が浸水したのか蒸れなのかは判然としない場合も多いが、シュラフカバーはわりと「これが性能の限界か」というのが簡単に判ってしまうのである。
 そうしてみると、スペック上ではゴアテックス以上の透湿性を達成しているブリーズドライテックは、もしかしたらゴアよりもシュラフカバーには良いかもしれない。おまけに通気性もあるとなれば、冬季に保温性の上乗せも期待している場合は別として、ゴアよりも快適な使用感を得られる場面が多いかもしれない、と思う。
 ちなみに20年前の好日モデルは、当然第一世代のゴアテックスを使用しているので通気性はバッチリである。これもまた買い換えを躊躇していた一因でもあった。

 というわけで、ブリーズドライテックのULモデルは、今年の購入予定に入れてある。値段もゴアに比べると格段に安いし。

 カタログを調べると、ブリーズドライテックのULモデルは、バリスティック・エアライトを使っているようだ。2レイヤーで180gである。
 で、普通のブリーズドライテックのサイドジップモデルが40デニールナイロンの3レイヤーで405gである。

 あああ、その中間のモデルが欲しいぞ!

 バリスティック・エアライトを使って3レイヤーでサイドジップなしというモデルを作れば、300gを切るくらいでできるのではないか?それが欲しいぞ!

 でも今の段階でどちらを買うかと言えば、やはり180gを買う。2レイヤーなので単体では使えない、ということなのだが、きっと単体で使うような場面になったら躊躇なく使ってしまうだろう。
 だから早く3レイヤーで300gを切るシュラフカバーを作ってください>モンベルさん(読んでねーか)

 

ザック

 チャチャパックグラナイトパックがモデルチェンジしている。
 チャチャは従来30L、35Lと45Lモデルがあったが、30はショートモデルのみ、35にのみ前面から内部にアクセスできるジッパーが装備されていたり45だけにサイドポケットが内蔵されていたり、はたまた前面のポケットの仕様などがモデル毎に違い、同じモデルの容量違いと言うよりはそれぞれが別モデルのようだった。
 そのあたりは今期モデルは前モデルにノーマルとショートが用意され、外部ポケットの仕様なども統一されたようである。サイドポケットだけは相変わらず45のみみたいだが。

 今年はそろそろ長男に35L程度は担いでもらって「戦力」にしようと企んでいるのだが、チャチャは去年のモデルから候補である。
 身長がまだ低いのでショートモデルでなければ担げないのだが、旧型が安くあればそれもいいな。旧型の35Lモデルは、前面ポケットがメッシュだったりジッパーでダイレクトに内部にアクセスできたり、というのが好きだった。今期モデルは普通のポケットに統一されてしまった。

 グラナイトはサイトの写真だけではどこがどう変わったのかよく判らない。全体的にアルパインパックの小型版みたいな感じになっているようだけど。

 カタログを見ていたらパウダーショットパックなる新しいモデルも出ていた。
 私が持っているオスプレーのエクリプスによく似た、バックカントリースキーのためのザックというコンセプトのモデルである。
 普通の登山に使ってもそれなりに使いやすそうなのだが、やっぱりエクリプスの方が圧倒的に良さそうである。まあ値段は安いしエクリプスより軽いのは良いけど。というかエクリプスが重すぎなんだが。
 オスプレーからも軽量ザックの新しいモデルが出ていたりして興味津々だったりする。

 それと沢登り用にサワークライムデイパックというモデルが出ている。
 モンベルでは以前から沢登り用としてサワークライムパックのシリーズがあるが、泊まりがけでなければこちらの方が使いやすいかもしれない。
 ただし、サワークライムパックはドライバッグが内蔵されているが、デイパックの方は別売となっているようだ。30Lの方で揃えると1万円くらいするので、サワークライムパック30と値段は変わらない。
 オスプレーのエクリプスは、大雨の中を歩くとウエストベルトのパッドが水を吸ったり、外部収納に水が溜まったりで驚くくらい水を保持して重量が増える。なのでこれは沢に使うにはちょっと・・・という気はする。
 沢用のザック、欲しい。欲しいが私の使い方だったら、水抜けの良いザックであれば別に沢専用に開発されたものでなくてもいいか、とも思う。

 

その他

 細かいことなのだが、去年の秋冬モデルが出たときからマウンテントレーナーがサイトの「アウター」のカテゴリーに入るようになっている。
 カタログでは相変わらず「サーマル」にカテゴリーされていて、サイト上でもそれまでは「フリース」に分類されていたのだが。ま、フリース素材はまったく使っていないモデルなので、この分類は間違っている、と思ってはいたけど。

 それでもまだ「ソフトシェル」という言葉は使わないのか??

 ならばロッシュジャケットアクションシェルジャケットの立場はどうなるのだ、とかの疑問もあるけど、やはりソフトシェルという言葉を使わないのは意地なのだろうか。一言「ソフトシェル」と言うだけで倍は売れると思うんだが。

 モンベルはカメラ用のアイテムも作っていて、フォトウォーカーウエストバッグは愛用していたりする。
 けっこう使いやすいのだが、基本がフィルムカメラ用に開発されているので、デジタル一眼レフだと微妙に使いにくかったりする。
 例えば、このフォトウォーカーウエストバッグにもベーシックカメラバッグにも、フィルムを入れておくためのポーチが装備されている。これがまたフィルムを入れておくにはぴったりの大きさと形状なのかもしれないが、デジタルでは使い道がないのだよ。
 テレビと接続するためのAVケーブルを入れているのだが、いかにもスペースのムダである。
 一方、デジタルカメラを使っているとCFカードとかカードリーダーとかUSBケーブルなど、細々した小物が増えるのだけど、それらを整理して収納しておけるスペースがない。ポケットが1つあるだけなので、みんな一緒くたにぐちゃぐちゃになって入っている。
 デジタル一眼のユーザーも今は多いのだし、改良してくださいよ>モンベルさん(だから読んでねーって)

 モンベルにはカメラレインカバーという優れアイテムがある。一眼レフカメラを首からぶら下げた状態で防水できるカバーなのだが、ただのカバーではなく撮影するときに素早くカバーから出すための工夫がなかなか素晴らしい。
 使った感じ、土砂降りの雨でなければ安心してぶら下げておける感じである。

 それと主にレンズを入れておくためのプロテクションアクアベルというアイテムがある。
 裏地にフリースを張った防水スタッフバッグで、口もちゃんと巻き込んでバックルで留めるようになっているので、モンベルは「完全防水ではない」と書いてはいるが、雨の中でザックに入れておくには十分すぎる防水性はあると思う。たぶんザックに無造作に入れたままで泳げるとも思うんだけど・・・試したことはまだない。
 いつの間にか、というか今年これもモデルチェンジしている。さりげに。
 2月に東京に出張で行ったとき、モンベル恵比寿店に寄ったのだがそこのアウトレットで旧モデルがあったので、28-300mmのレンズにちょうど良いサイズのものを1つ買った。
 それまでは、ちょうど好日山荘のセールでもらったフリースのポーチが18-55mmレンズにちょうど良いサイズだったので、それと小さなスタッフバッグを二重で使っていたのだが、28-300mmのレンズだとちょっと小さすぎたのだ。

 緩衝と防水を兼ね備えたスタッフバッグなので、レンズを入れておくには非常に具合が良い。なかなか素敵なアイテムである。
 ただ、横着者なのでレンズを装着した状態のカメラをそのまま入れておけるサイズの物が欲しいとは前々から思っていた。
 今年の3Lのものが27×43cmあるので、もしかしたら入るかな?と思うのだが・・・買ってもし入らなかったら他に使いようもないし、カメラ持ってモンベルショップで試してみてから買おうかな。

 このアイテム、非常に良いのだが敢えて気になる点を述べると、裏地がフリースむき出しなんである。
 細かい糸くずが出るのが気になる。特にデジタル一眼だと、そうやってカメラやレンズに付着した細かい糸くずが、レンズ交換の際にカメラ内部に侵入してセンサーに付着してしまうのが嫌である。
 裏地にナイロン張って欲しい。(だから直接言えってば)

 あ、それとカメラを首からぶら下げた状態で歩くとカメラが振られてしまうものだが、それを胸の前で留めておくためのスタビライザーであるが、モンベルからはフォトウォーカーパックというカメラ用のザックとアウトドアフォトベストというベストにその装備がある。

 単体売りしてくれ〜!

 実は単体売りもしてくれるらしく、フォトウォーカーパックに付属しているスタビライザーは単体で買ったのだが、これはザックに装着する物でその装着が面倒である。なので身体に装着するタイプのアウトドアフォトベストに付属するものが欲しい。
 まあこれもおそらく単体売り、してくれるだろうから買ってしまうだろうけど、ちゃんとカタログに載せてよ。

 

Back to up