2006年秋〜冬モンベルの傾向と対策

 早いものでもう秋冬物が出てくる季節である。夏山もまだ2回しか行っていないというのに・・・
 例によってカタログは未着なので、webから概要だけかいつまんで書いておくことにする。

 まずアウターだが、8月にアウトレットに秋冬物が回り始めたとき、アウターがほとんど入ってこなかったのでちょっと変だなとは思っていたのである。今年はドロワットパーカなど、主力がモデルチェンジする年回りなのに。
 そしたら今年はニューモデルの追加のみで、既存モデルのモデルチェンジはほとんど行われない様子である。

 ニューモデルの1つはアルパインサーマシェルジャケット(#1102363)。
 「ストレッチャブル・ゴアテックス」という表記がなんだか懐かしい。ほぼ全面に伸縮性を持たせたウエアのようで、初代ダイナアクションパーカに近いコンセプトのモデルかもしれない。でも、重量は520g。ちょっとだけ重いんだよな・・・まあスノースカートまで付いているフル装備のアウターとしては十分軽いのだが。

 シャイデックパーカとフィルストパーカは、アルパインというよりはスキーやスノボー向きのウエアのようなので、詳しくは書かない。

 ダウンジャケットでは、今まで高級モデルに725FPのダウンを使っていたのだが、今季から800FPのダウンを使い始めた。まあノースフェイスとかは以前から使っているので特に目新しいことはないのだが、価格はマジで違う。
 とりあえず今季はアルパインダウンジャケット(1101293)U.L.ダウンインナージャケット(1101283)、それとニューモデルのライトアルパインダウンジャケット(1101289)といったモデルに使用されている。

 モデルチェンジである2モデルでは、少なくともwebの写真では使用ダウンが変わった他はほとんど仕様変更がないように見える。
 ただ、U.L.ダウンインナージャケットはポケットが新しく付いたらしい。ポケットが付いて重量は変わらない、ということはダウンの性能が上がった分、量を落としているのだろうか。結果的に保温性能は変わらないということで。

 ライトアルパインダウンジャケットであるが、これはダウンインナージャケットのモデルチェンジと考えた方が良さそうである。仕様も重量もほとんど同じである。

 それにしても、気が付けばモンベル、こんなに多数のダウンモデルを抱えてどうするんだ。
 保温性能が高い順に、EXゴアドライロフト、ゴアドライロフト、ベンティスカ、アルチプラノ、ネージュ、アルパイン、ライトアルパイン、ULインナーと、なんとなんと8モデルもある。いくらなんでも多すぎだろう。ユーザーもどれ買うか迷うよなぁ・・・
 一応、ゴアドライロフトの2モデルは極地や高地用途、アルチプラノとネージュはどちらかというと街着向き、山で着るんならベンティスカかアルパインということなんだろうが・・・日本の冬山でダウンなんて持って行かないよな。山にダウンジャケット持って行くんなら、その重量分でダウンシュラフを化繊のシュラフに替えた方が気が利いている様な気がする。
 ライトアルパインとULインナーは、これだけ軽ければ山に持っていっても良さそうである。まあ夏の高山帯が最もマッチする用途かもしれないけど。

 ちなみに私は前のベンティスカを持っているが、富山くんだりの冬では暑くて着る機会がほとんどない。
 なので街着なら、私ならライトアルパインがいいな、と思うが、カミさんはダウンインナーだとちょっと寒いらしい。なのでアルパインあたりが街着にはベストかも。

 アンダーウエアでは、ジオラインアンダーのシリーズで、去年までは女性用にハイネックモデルがなかったのだが、今年追加されている。そりゃ冬山や寒冷地ではハイネックが保温性能で断然有利だし、女性用だってハイネックモデルが必要だろう。

 それとウールのアンダーウエアが全面的にモデルチェンジしている。厚手と中厚手、それぞれにハイネックとラウンドネックというモデル展開である。それとちょっと珍しいことに、Tシャツがラインアップされている。欲しいかも。
 でも、いかにもアンダー、というデザインがなぁ・・・アイスブレーカーみたいに「見せられる下着」を目指してくれぃ。

 フリースもそれほど変化がないのだが、中厚手で最もベーシックなモデルだったクリマプラス200が、「ベーシック」「ノマド」の2モデルに分かれた。
 ベーシックの方は、今までどおりのクリマプラス200ジャケットである。胸ポケットはなくなったようだが、腰ポケットに新しくコンシールジッパーを使っている。
 ノマドの方は表地にポリエステルツイルを用いて防風性と撥水性を持たせたモデルらしい。モンベル的にはソフトシェルに分類されるウエアのようだ。

 グローブだが、システム3グローブがモデルチェンジした。
 どこがどう変わったのかはwebだけではもうひとつよく判らないのだが、驚くのは価格で、えらく安くなっている。前モデルが11,550円だったのに対し、現モデルは8,800円。2割以上も安くなっている。
 ちなみに前モデルのアウトレットが7,200円である。8月に見たとき、アウトレットとはいええらく安くなったな、と思ったのだがそういうことだったのか。モンベルのアウトレットでいきなり2割も安くなる例なんて希だもの。

 ここで読者の方から指摘を受けたのだが、今季のシステム3グローブはインサートが従来のゴアテックスではなく、ドライテックになっているのだった。指摘を受けてモンベルサイトで確認したら確かにそうだった。いや〜、ちょっとチェックがいい加減だったか。
 ちなみにいい加減といえば、アウトレットが非常に安くなっているという件についてだが、これもよく見れば安くなっているのは前々モデルで、前モデルは9,240円である。なんと前モデルのアウトレットが現行モデルより高いということに。
 ちゃんとよく確認して書かなければなりませんね。お詫びして訂正します。


(2006.09.07 up)

 カタログを入手した。こんなに早く入手できるのなら、書くのをもう少し待てば良かった・・・

 アウターのニューモデルであるアルパインサーマシェルジャケットだが、なんと裏地は起毛地なんだそうだ。
 もしかしてこれ、某メーカーだったら「ゴアテックス®ソフトシェル」と表記するようなファブリックではないか??
 「サーマシェル」というネーミングと「全面ストレッチ」というスペックを見たときに気づくべきだったのだ。ま、ソフトシェルって言ってないだけ良いか。
 モンベルはこの裏起毛地のメリットについて、保温性が高いという点をプッシュしている。まああまり余計なことは書かない方が良いだろう。
 起毛地のため、タグはXCRではないノーマルゴアテックスのタグになっている。仕方あるまい。
 それにしても、起毛地を使いながら520gに抑えるとはやるな。まあ起毛とはいってもどの程度のものなのか、実物をまだ見ていないので判らない。最小限の起毛ならそれほど重量増にもならないのだろうか。
 それにしても気になるのは、こういうアルパイン用途のアウターの場合、ミッドレイヤーにフリースを着ていることが多いと思うのだが、裏地を起毛させたら滑りが悪くなって運動性に支障が出ないか?

 全面ストレッチ生地にはちょっとときめいたんだけどな。こんなゲテものじゃなくて普通の3レイヤー地で全面ストレッチのウエア、作ってください>モンベル様

 あ、買って使ってみたら意外に良かったって方がおられましたらご一報下されば幸いです。

 

 フリースの記事に間違いがあった。
 「ノマド」クリマプラス200ではなく、クリマプロ200だった。防風性のある表地を貼り合わせたフリースということだそうだ。
 で、クリマプラス200の方は、今までのクリマプラス200ジャケットと新しくクリマプラス200ベーシックジャケットが加わった構成となった。
 ただ、不思議なことに「ベーシック」の方がノーマルより高い。ポケットの数も少ないのに。

 グローブシステム3グローブのインサートが従来のゴアテックスではなくドライテックに変わった。
 それもどうやって作るのかよく判らないのだが、縫い目がない立体構造なんだそうだ。
 モンベルのグローブは今まで操作性があまり評判が良くなかったが、モデルチェンジの度に少しずつ良くなってきている。今回もまた良くなったかなと期待できるし、そろそろ買っても良いかなと思ったりもする。安いし。

 なお、分離型のシステム3に対し、一体型のパウダーグローブというモデルが出ていたが、これもシステム3に準じる形でモデルチェンジされている。でもこの価格差だったらシステム3を買った方が良いと思うのだが。

 また、従来「システム3グローブ・フィット」と呼ばれていた、保温性を少し落とした替わりに操作性を向上させたモデルは、今季から「レザーパーム」という名称になった。掌などにデュラグリップではなく山羊革を使ったものらしい。ライナーも薄手だし、操作性は圧倒的にこちらが良いので、スキーに使う程度ならこちらの方が良さそうである。
 ただ、手首部分をシステム3はバンドで締めるのに対し、レザーパームはゴムなんである。はめにくいし脱げやすいんだよな。私はあまり好きではない。バンドで締めるタイプの方が好みである。

 それとなんと大部分のグローブに「女性用」が登場した。サイズ設定が違うのだが、パターンも変えているそうな。

 

 モンベルのカタログ構成は今まで、ギアカタログが年に1回(春)、クロージングカタログが年に2回(春と秋)という形だったのだが、今回はウインターギアカタログも出た。
 まあ基本的にギアのモデルチェンジは春、というスタイルは変わっていないので、春に出たギアカタログから冬物だけを抜粋した、という感じの造りである。他にアトラスのスノーシューとクリスピーのテレマークブーツが掲載されているくらいである。

 ただ、靴が2つほど追加モデルがある。
 ネージュウォーカーパンタナルブーツの2つである。
 ネージュウォーカーは要するにスノトレなのだが、ぱっと見ガルモントみたいなデザインでちょっと格好いい。
 またパンタナルは「長靴」である。これ、山小屋御用達として売れるかも・・・山小屋仕事人って長靴愛用者が多いからなぁ。ちなみにジュニアモデルも出ている。

 

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