mont-bell 2012 Spring & Summer and Gear

モンベルのHP

アウトドア&フィッシング ナチュラム

 

< テ ン ト >

 

 山岳用テントの主力、ステラリッジシリーズが大幅にモデルチェンジした。
 なんといってもまず大幅に軽量化されている。
 1型で旧型の1.65kgに対し新型は1.25kg、4型の2.47kgに対し新型は2.05kg。どの型もほぼ400gの軽量化である。

 いったいどこでこんなに軽量化したのだろう。インナーテントの生地は40デニールから30デニールになっているので、ここでも相応な軽量化はされていると思うのだが、テントの大きさに依らずどの型も一律ほぼ400gの軽量化ということは、インナー生地の軽量化以外でかなりの軽量化がされていそうである。
 ポールのエンド位置を変えることによってポールの全長を少し短くすることに成功しているのだが、ここの軽量化が大きいのだろうか。
 いずれにしろ、ダブルウォールテントではほぼ最軽量モデルになった。従来は細かな仕様がとても良く使いやすいテントだったけれど少し重い、というのがステラリッジシリーズの特徴だったのだが、重量も最軽量クラスになったし価格も他メーカーと比較して安価なので、これは売れるだろうな、と思う。

 それにしても4人用で2.05kgというのは驚異的な軽さだよな・・・私が持っている初期型のステラリッジは3kg超えているんだけど、同サイズでここまで軽量化できるんだ。

 ただ、仕様面で大幅な変更が。
 出入り口が短辺側に設置されるようになった。つまりアライエアライズシリーズ等と同じタイプになったわけである。
 多分、特に1型や2型あたりまでは、この仕様変更も軽量化に影響しそうだ。前室のために要する生地面積が長辺側出入り口タイプと比較すると少なくて済みそうだから。4型くらいになると底面がほぼ正方形に近くなるのでどちらでもあまり影響がないだろうけど。

 好みで言えば、短辺側出入り口はあまり好きではないのだが・・・
 理由はいくつかあるが、1つ目は風通しが悪くなること。エアライズもそうだが、この新型ステラリッジもベンチレーターが出入り口と直角の面に設置されている。これだとまったく風は通らない。
 まあ元々この小さなベンチレーターでどれだけ風が通るのか、と言えばそれまでだけど。
 もう1つは、長辺側出入り口だと、寝る方向に対して出入り口は左右どちらかに位置することになるわけだが、短辺側出入り口だと「頭の上に出入り口」なら良いのだが、テント場の傾斜と風向きの関係によっては「足下に出入り口」という場合も多々あり得る、ということ。これはけっこうウザいなぁ。
 もう1つ、テントの傾斜が緩やかな面に出入り口が付くので、雨の日の出入りの際に、雨の吹き込みがきつくなること。

 短辺側出入り口のメリットは、風に対して反対側に出入り口を向ける場合に風に対する投影面積を少なくできること、を挙げるメーカーもあるが、まあそれは正直どうでもいい。地面の傾斜も設置の際の位置決めの重要なファクターだから、どちらを優先するかと言えば普通は傾斜の方だろうし。それにその結果、出入り口が足下に来てしまったら、それはデメリットになりかねないし。

 もう1つは複数で泊まっている場合、誰に対しても出入り口へのアクセスが平等、というのがある。
 短辺側出入り口だと、奥で寝ている人は出入り口側で寝ている人をまたがないと出入りできないからね。でも、それも私は「またげばいいじゃん」と思っているので、どちらかというとどうでもいい、と思っていたりする。足下に出入り口があれば、そこにはザックや荷物もまとめてあるだろうから、誰にとってもアクセスが悪い、ということにもなりかねないし。
 それに、短辺側だと出入り口側に寝ている1人が朝食の仕込みなどの雑用をしていれば、奥の人は安眠できる、と思うのはやはり私が山岳部出身だからなのだろうな。頭上に出入り口があって、朝だれかが出入り口を開けて前室でバーナーを点火したりしていれば、みんな目が覚めてしまうじゃいか、と。

 とはいえ、これだけ軽ければ長辺側or短辺側の好みはどちらでもいいか、とは思う。

 

< ザ ッ ク >

 

 今年は中型ザックが揃ってモデルチェンジされている。
 チャチャパックは45Lモデルにあった収納式のサイドポケットがなくなり、フロントのポケットが大型化されてかなりすっきりしたデザインになった。ポケットもこれだけ大きければそこそこ使いやすそうだし、ポケットと本体の間にストレッチポケットも設置されたので、かなり使い勝手は良くなったのでは、と思う。

 それからヌプリパックが面白そうなんだけど。
 このモデルは従来から35Lという日帰り〜小屋泊まり山行にちょうど良い容量の「ジッパーオープン」のザック、という設定なんだけど、今年モデルは一見普通のトップローディングザックと見分けが付かないデザインになっている。これでジッパーオープンって意外に使いやすいと思うんだけど。
 しかも、サイドのコンプレッションベルトやフロントのバンジーコードを絞ることによって、荷物が少ないときもバランス良く積めるように工夫されている。バンジーコードにウエアくらいなら挟めるし、従来モデルのようなポケットが多数付いているよりこちらの方が使いやすい、と思う。

 また、このチャチャ、キトラ、ヌプリの3つの中型モデルについては、女性用モデルがそれぞれ別に設定されている。なかなか芸が細かいことで。
 オスプレーもほとんどのモデルに女性用モデルを設定しているし(しかもモデル名まで別にしている)、そういう流れなんだろうな。

 

< ギアその他 >

 

 いつの間にかヘッドランプが充実してきている。年々1モデルずつくらい増えて、現在3モデルもラインアップしている。最強モデルは91ルーメン、照射距離も70mと、ちゃんと一線級である。それで2100円なんだから、1つくらい買ってみても良いかな、と思ってしまう。
 今後、どこまで強化していくんだろうね。

 ライト関係では面白いのが。
 クラッシャブルランシェードというのがだか、要するにヘッドランプをランタンとして使うためのシェードである。
 ん〜、こういうのを思いついて現場で工夫してそういう使い方をしている人は多いだろうけど、これを商品化してしまうのが凄い。

 それと、モンベルは今年からカジタックスブランドをモンベル×カジタックスとして販売するようになった。
 経営的にはカジタックスを買収したのかよく判らないのだが、従来のカジタックス製品をモンベルブランドで売る、ということらしく、今年は手始めにアイゼンが展開されている。そのうち他のスノーギアも販売するんだろうな。
 カジタックスと言えば、ジュラルミン製の軽量ピッケルがインパクト高かった。当時はピッケルは登攀具でもあり工芸品でもある、みたいな雰囲気があってヘッド部の造形は懲りまくって美しい製品が多かったのが、いかにもプレートを曲げただけ、とか溶接しただけ、みたいな素っ気ないピッケルが却って新鮮で、冬山じゃテント場で間違って持って行かれないか心配になるくらい誰も彼もカジタックスのピッケルを持っていたものだが・・・あのピッケルも復刻されるのかな?
 ちなみにハーフパイプ状のピックを持つアイスパイルもインパクト高かった。あれ、草付きにむちゃくちゃ効いたんだよな。学生時代に沢登りに熱中していた頃、このアイスパイルをよく使っていたのが、数年前にオークションで見かけて思わず落札してしまったので、まだ持ってるんだが。
 あのピックでもう少し小振りに作って、シャフト長が30cmくらいのハンマーを作って欲しい。作ってくれたら買う。

 

< レインウエア >

 

 今季はスーパーハイドロブリーズ系のウエアがモデルチェンジしている。

 まずサンダーパスだが、70デニールから50デニールと生地が少し薄くなり、少し軽量化された。上下でほぼ600gジャストで12,800円。レインウエアってもうこれで良いんじゃないの?と少し思う・・・次男用に前のサンダーパスジャケットを買ったのだが、ゴアテックスじゃなくてもこれでいいや、と思っちゃうほどの機能性はあるんだもの。今年は沢登り用に私も1着買おうかと思っている今日この頃だったりする。

 モンベル最廉価のスーパーハイドロブリーズレインウエアは、今年ハイドロブリーズレインウエアになった。その名のとおり、スーパーハイドロブリーズからハイドロブリーズに防水透湿性素材がスペックダウンしている。スペックダウンしても価格は据え置きなのはちょっと悲しい。

 それとバーサライトが復活した。
 以前からバーサライトはモンベル最軽量レインウエアに付けられるモデル名で、前モデルはドライライトテック(いわばドライテックの2.5レイヤー)だったのだが、今季モデルはスーパーハイドロブリーズの2.5レイヤーである。
 その重量、なんとジャケットで168g、パンツで93gである。上下でも255g。軽〜い!軽量ヲタク・モンベルの面目躍如モデルである。
 これだけ軽くてちゃんとポケットが2つ付いていたりフルジップだったりと、普通の仕様なのは素敵である。ポケッタブルならもっと良かったが。

 レインウエアと言えば、登山用ではなくチャリ用なのだがスーパーストレッチ・サイクルレインジャケットパンツという面白いモデルが以前から出ている。伸縮率150%というとんでもなく良く伸びるレインウエアである。
 チャリ用だけどそれほどチャリに特化しきった仕様でもないので、登山用に十分使えると思うんだけど。
 ファイントラックエバーブレス・フォトンスーツよりもしかしたらこっちの方が良いかな、と思った次第で。
 ちなみに重量はフォトンスーツの470gに対してSSサイクルレインは500gと、僅かに重いが価格は42,000円に対し24,600円と圧倒的に安い。
 透湿性能は比較実験するか実使用で比較しなければ判らないが、まあ同等と予想する。
 耐久性はフォトンスーツの方が高いだろうな。

 

< チャリ用ウエア >

 

 なんつーか、いかにも「チャリ用ジャージ」という出で立ちのものを遂にというか、出してきた。WIC.サイクルジャージがそれである。
 ・・・なんか良いかも。

 ただ、ウィックロンってどうなんだろうね?
 サイクルジャージって、速乾性は高いが吸汗性はたいしてない素材で作られているものが多く(たいていのいわゆるスポーツウエアがそうだが)、登山用にはちょっと使えまい、という素材だけど走行風で体を冷やすためにはこちらの方が良いのかも、と思っていたのだが。
 いわば登山では「汗冷え」として回避すべき現象を、チャリではむしろ積極的に狙わないとチャリの激しい運動量=発熱量に追いつかないのでは、と思っていたんだけど。なのでウィックロンでジャージを作ると暑い季節ではむしろ逆効果なのでは?と。
 ちょっと試してみたい気もする。

 それとEXライトウインドブレーカーがやっと出た。登山用のEXライトウインドジャケットが出たときに、これでチャリ用のウインドブレーカー作ってくれよ、ってこのサイトでも書いたような記憶があるのだけど、やっと出してくれた。
 ジャージの背面ポケットに入るくらいの超軽量ウインドブレーカーは、国産某メーカーのものを既に持っているのだけど、ライディング姿勢では背中が激しく突っ張るしタイトなフィッティングの割には襟周りが風で激しくばたつくし、あまり気に入ってないのだ。モンベルのこれ欲しい。
 ただ・・・これもスタッフバッグ付き、なんだよな・・・ポケッタブルにしてくれないと、スタッフバッグはなくしちゃうんだよ・・・

 

 

 

 

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