平成19年6月3日 ハゲ山

08:50頃 登山口(水上集落) 出発
10:15頃 ハゲ山山頂 到着
10:45頃 ハゲ山山頂 出発
11:10頃 登山口(水上集落) 到着

*大雑把なコースタイムのみ

 

 さて、今回は確かに"町内の山"なのだが、あまりにも裏山なので、普通だったらわざわざここに書くほどのこともない山なのだが、このところさっぱり山に行けてないので山行記が追加されず淋しいので書いてしまうことにする。

 今回登ったハゲ山は、あまりにもローカル過ぎるので富山県外の人はもちろん、県内の人でも上市町民以外の人はほとんど知るまい。
 なんといっても、2.5万図に名前が載っていない山であるからして、知らない人が多いのも無理ないことである。
 ただ、この山は上市町内では意外にメジャーというか、知っている人には知られている山なのである。

 というのも、このあたりの小学校には4年生の時に「9歳の挑戦」なる行事があり、3泊ほどの宿泊学習があるのだが、この時に登られる山だからである。
 というわけで長男は3年前に既にハゲ山には登頂済みなのである。

 さて、この日は今年から中学に入学して硬式テニス部に入った長男の練習日であり、日曜日にも拘わらず車でテニスコートまで送っていくことになっていたのだった。ま、自分で自転車で行かせても良かったのだが(けっこう遠いが)、カミさんがついでにハゲ山でも歩こうかと言い出したので、ハゲ山に行くついでに長男をテニスコートまで送ってやったわけである。

 今回、ほとんどまともに用意する時間もなく、地図とコンパスもなしという手抜きモードである。お茶湧かすバーナー類は持っていたりするのだが・・・
 この超マイナーな山であるが、何故か山と渓谷社の分県登山ガイド「富山県の山」には掲載されている。今回のナビゲートは、そのガイドに載っているちゃちな地図だけ、といういい加減さであった。

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登山口近く(水上集落)

 さて、山道以前にこういう里山は、登山口を見つけるのが大変なんである。
 山間の狭い盆地に東種と西種、そして水上と3つの小さな集落が点在しているので、登山口を探しながら3つ全てを回ってしまったのだが、なんとか登山口を見つけて近くのスペースに車を停めた。

 


 

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数千年後まで頑張れ!

 入山してしばらくは田んぼの畦道を通り、やがて杉の植林地を経て山道になる。

 小学校の登山コースになっているだけあって、道の脇の木にはこのような名前を書いた標識が。

 この「立山杉」には笑ったが。

 まあでも、あの美女平にある巨木も、数千年前はこんな可愛い木だったのだな。

 


 

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アバウトな標識ぢゃのぅ・・・

 小学校の登山コースになっているだけあって(しつこい)、このような過剰に親切な標識も多い。
 しかもこの「現在地」が大雑把すぎてまったく役には立っていないところがまた良い。

 


 

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こんな感じの道

 杉林を抜けて山道に入ると、こんな感じの明るくて雰囲気の良い道である。

 で、あっという間にハゲ山の隣の袖山の頂上近くの稜線で出てくるわけなのだが・・・

 


 

 さて、なんせまともな地図を持たない我々である。

 「富山県の山」のハゲ山のページに載っているちゃちな地図では、水上集落から稜線に出た分岐を左にとって袖山、ハゲ山に至るように描かれている。
 これがなんというか、あまり正確でないというか、はっきり言えば大嘘だったわけであるが、これしか地図らしい地図を持たない我々は、深い考えもなくとりあえず稜線に出た分岐を左に取ったわけである。

 

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・・・峠山?なに、それ?

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トコベシラ山って・・・なに?

 ひと登りして着いたピークが袖山のはずなのだが、ん?峠山?なんじゃそりゃ?

 まあ、里山なので山の名前なんて決まっているようで決まってない程度のものなのかもしれんな・・・

 と続行。

 


 

 ま、後から考えれば、この峠山の頂上に城ヶ平山への標識があったので、地図を持っていればこの時点で間違いに気づいたはずなのである。
 しかし今日の我々は地図も持っていないので、そのまま進んだわけである。
 少なくとも「富山県の山」 の地図とは矛盾を感じなかったわけよ。

 ただ、袖山からハゲ山へは、ほとんど北西に折れて進むはずなのに、この峠山からの道はほぼを向いているように感じるのだが。
 ま、でもコンパスも持ってないし、まあいいか、と続行。
 急な下りを経て道は右に、つまり西方面に曲がったので、細かいところはともかく、大筋では矛盾もないし、やはり続行。

 しかし、なんだか妙に長いんだよな。小ピークをいくつか巻きながら下り気味に進んでいる。

 ちょっと(といっても20分くらいか)進んだところで、いくらなんでもこれは変だから引き返すか、ということになった。
 そもそも道はごく普通の道なのだが、毎年200人もの小学生がゾロゾロ通るにはちと細いんではないか。それにさっきまでこれでもかというくらいにあった「過剰な標識」が、峠山のあたりからほとんど見かけなくなったんだよな。

 というわけで引き返し、途中では「ま、今日は峠山登山だったということで」とか言っていたのだが、峠山を過ぎて稜線に出た分岐まで戻ってきたら疑問が氷解した。
 「富山県の山」 の地図では稜線に出たら左に取るようになっているし、本文にもそう書いてある。
 が、この分岐を右にとってほんの10歩ほど歩いたところに「←ハゲ山」の標識が。なんだ、こっちだったのか。
 この他に追分の方に降りていく道もあり、それは水上集落から稜線に出た分岐を右に取るような描かれ方をしているが、なんのことはない、実際はほとんど三叉路になっていたのであった。稜線に出た地点はほとんど袖山のピーク付近で、左は峠山、右はハゲ山で追分への道もすぐそこで分岐していた。

 ま、そういうことならせっかくだからハゲ山まで行くことに。
 分岐からものの10分ほどで着いてしまった。

 

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ハゲ山頂上

 

 

 


 

 これがまたハゲ山頂上からの眺め、良いのである。
 剱岳から富山平野、富山湾までほぼ360度の展望である。この日は晴れてはいたが霞んでいたのであまり良い写真は撮れなかったが、空気が澄んだ日なら、ここで粘れば剱岳の良い写真が撮れそうである。

 ま、そういうわけで、この頂上直下の日陰で一休みしてお茶を
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杉林

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集落近くは田んぼの畦道

沸かし、さっさと下山してきたのであった。11時過ぎには下山してしまったので、またテニスコートに行って長男の練習の様子を見て自分もやりたくてウズウズしていたわけである。

 

 杉林も、道の両脇はシダで涼しげで良い感じである。

 最後は棚田の畦道。
 よくぞこんなネコの額のような田んぼに、というくらい狭い田んぼもある。これ、機械は入るはずがないから、手作業で田植えしたんだろうな。

 ちょうどオタマジャクシが大発生していた。
 しばらくたつとカエルがゾロゾロ出てきて、蚊を食ってくれるのだろう。

 


 

 さて、帰ってから地図をダウンロードして見てみた。

 ま、地形図にも道も山の名前も書かれていないから、地図持っていても間違った可能性は否定できないな。でも峠山の頂上で気づいただろうけど。

 この界隈で「地図に名前が載っている山」城ヶ平山のみである。
 水上集落から真西に477mピークがあるのだが、これが峠山だろう。
 峠山の1つ北にある450mの等高線で囲まれたピークが袖山、その北北西のやはり450m等高線で囲まれたピークがハゲ山、ということになりそうである。
 ということは、登山口の標識にはハゲ山の標高は478.8mと書かれているし、「富山県の山」では上市町の問い合わせたところ464.7mという回答を得た、とあるのだが、地形図で見る限り、ハゲ山も袖山も450-460mの間である。だいたい小数点まで数値が出ているが、誰か測定したのか?
 それと、「富山県の山」の地図にはハゲ山の西に西山という山が描かれているのだが、この山は謎である。地形図には、西山に相当する地形は存在しないからである。

 というわけで、こういう里山はけっこう地図読みには面白かったりするのであった。
 ハゲ山も軽く登れる割には景色も良く、なかなか楽しい山だ。厳冬期とかラッセルしながら登るのも楽しそうであるし、やはり一度はこの山の頂上でビバークを、つまりハゲ山で一夜を過ごさねばならんだろうが。

 

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