平成26年9月12〜15日 薬師沢

 

 今シーズン2回目の薬師沢である。最近は山は薬師沢にしか行ってない気がするが。
 8月に入ったとき、雨ばかりで宿泊客も少なく、居候の出番もほとんどないままに終わっていたので、連休は忙しいだろうから手伝いに行くか、と。
 それとこの2〜3年、折立から太郎への登りにやたら時間がかかっているのがちょっと気になっていたので、ここはひとつ真剣に歩いてみるかと。

 そもそも荷物が年とともにどんどん大きく重くなってきている。10年前に薬師沢に入ったときは20Lザックの時もあったのに、最近じゃ40L、60Lとザックがどんどん大きくなっている。

 なぜか。

 まずカメラ機材が増えた。一時は一眼レフを持っていた時期もあったが、面倒になってコンデジだけにしていたのが、去年から再び一眼カメラを持ち込むようになった。ミラーレス機なので一眼レフよりは軽いはずだが、三脚を持ち込むようになったのでトータルでは一眼レフ時代より重くなっている。
 それと8月は靴を沢用と登山道用に分けた。なので沢靴の分だけ重くなった。
 さらに小屋への差し入れが増えた。食パンは鉄板なのだが、その他にも買い出しの時に思いついたものを買っていたので、パッキングしたときに「あら」と思うほど重くなることも・・・

 ちょっと反省。

 というわけで今回は少し荷物を軽くした。いや、カメラとか釣り道具はそのままなのだが、行動食と小屋への差し入れを少し切り詰めた。
 それと靴を沢靴で通すことにした。今年から使っているファイブテンのウォーターテニーは8月に初めて使ったのだが、足への当たりが柔らかくてこれなら通していけるかなと思ったので。耐衝撃性が低いのは他の沢靴同様だが。

 まあ、それでも60Lザックにはなったんだけどね。8月よりははっきり体感できる程度には軽くなった。

 さあ、これで太郎まで何時間で歩けるかな?

 

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五光岩ベンチ 爽やかな秋晴れ!

 

 下界でも早朝は半袖では肌寒く感じるほど、秋は確実に深まっているのだが、折立は寒かった。半袖でも歩けば暖まるのだが、防寒具はザックの奥に入れてしまったのを上の方にパッキングし直したほど寒かった。休憩時は防寒具が必要だな、と思ったので。

 五光岩でもこれだけ爽やかな晴天なのだけど、休憩してると防寒具を着たくなるほど寒い。勢い、あまり休憩を取らずにとっとと歩くペースに。

 で、今回は太郎小屋まで3時間半で登った。まだもう少し短縮できそうな感じもするが、まあまあかなぁ。これで4時間かかったら立ち直れないところだったわ。

 

 薬師沢に着いたら8月に来たときにいた幸之介がまた来ていた。なんだ、まったく同じメンツじゃん。
 この日はまだ金曜日なのでお客さんもそれほど多くなく、本命の土曜日に備えて早く寝る。珍しく夜の宴会はなしである。まあ夕食時にきっちり飲んでいたので、休肝日というわけではなかったのだけどね。

 

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レアチーズケーキ!!

 

 翌日、朝はがっつり寒かった。最低気温は2℃。この前日には−1℃まで下がったらしい。
 この日は予約だけでも60人近く入っていて忙しい日になることが判っていたので、我々2人の居候(俺と幸之介)も午後3時頃の配膳からきっちり手伝うことにしていた。

 その幸之介、なんと小屋の差し入れにレアチーズケーキを担ぎ上げてきたのである。発泡スチロールの箱に保冷剤と一緒に入れ、背負子にくくりつけて揺らさないように歩いてきたそうである。

 さっすが、若いね〜

 写真では景子ちゃんに差し入れられたケーキのようになってしまっているが、ほんとは小屋番の快気祝い(8月に来たときに高熱を発していた)、あるいは小屋番の2ヶ月遅れの誕生日ケーキ、あるいは・・・まあなんでもいいや、とにかく小屋への差し入れであるからして。
 たまたま小屋に居合わせただけの私もご相伴に預からせていただきました。美味かった〜。

 

 さて、3時までしか遊べないからね、さっさと釣りに行くべし。

 8月に来たときと比べて何となく魚影が薄い。もうみんな遡上してしまったのかな?まだ9月半ばなのに?
 少し下流から釣り上がってきたのだが、小さいのが2匹ほどしか釣れず、なんだかテンションが上がらない。

 もう小屋のすぐ近く、時間もそろそろ3時近くて今日はこれまでなのか、と思ったとき、目の前の淵にそいつはいた。
 しかも下流のこちらを向いて。目が合ったかと思ったくらい、真正面から向き合ってしまった。

 ん〜、もう完全にこちらの存在に気づいてるよね。ムダかな〜と思いつつも、でも試してみるかと少し上流に毛針を落としてみた。
 するとゆら〜っと上がって来てパクッと来たのである。マジですか。
 来るとは思ってなかったのでちょっと慌てて早合わせしてしまった。

 しまった。いくらなんでももうダメか、と思ったのだが、そいつはゆらゆら〜っと元の位置に戻って、また同じようにこちらを向いて水中に止まった。
 ・・・やっぱ目が合っているんだけど?

 時間もないし、これを最後にして小屋に帰ろうともう1投。
 するとまたゆら〜っと上がってきて毛針にパクリと。

 というわけでこいつが今回の獲物です。

 あ、そうそう。去年一緒になった今井さんが1週間ほど早く薬師沢に入っていて、毛針をたくさん置いていってくれた。
 これはその毛針で釣った獲物です。

 

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今回のイワナ

 

 「俺のような素人に釣られて、お前は恥ずかしくないのか!」と説教した後、リリースしてやりました。ちょっと恥ずかしそうな顔をしてるよね?

 この手に残るヒットの感触を忘れないように、もう竿を振るのはやめてさっさと小屋に撤収しましたとさ。

 その夜は夕食数が69人、釣りで遅いお客さんがいたので3回戦であった。久しぶりにまともに働いた。

 

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早朝の薬師沢小屋

 

 翌朝も寒かった。
 朝食の後は朝寝しようかと思っていたのだが(そのあたりは既に普通の従業員の生活ペース)、景子ちゃんが魚飛びまで行こうというので、昨日から来ている景子ちゃんの友達と一緒に。
 イワナがいないか川を中止しながら歩いていたのだけど、やっぱり魚影は薄い。早朝だから無理もないけど。
 帰りは竿を出してみたけど、やはり可愛いサイズのものが2匹ほど釣れただけでテンションは上がらない。

 ・・・今気づいたけど、釣った場所もほぼ同じだし、もしかしてこいつら、昨日も俺に釣られたイワナなのか?

 明日は下山なので、もうちょっと遊びたいと午前中から薬師沢に入る。幸之介も一足早く薬師沢に入ったのだが、一気に上まで遡行してそこで釣ると言うので、私は下の方をのんびり釣り上がることに。

 しかーし。釣れない。釣れないどころか魚がいない。

 この淵なんて、ここにいなきゃどこにいるんだって感じなのに。

 沈む毛針も使ってみたが、まるで反応なし。

 というわけで、写真撮影に切り替え。

 

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薬師沢にて

 

 撤収間際、毛針を見失っていたところに1匹ヒットしてきた。釣ったとは言えないかね、これは。
 でも、ちゃんとイワナ、いるんだ、とホッとした。

 かなり早め、午後2時くらいに小屋に戻ってきたのだけど、そしたら篠川さんのパーティーがテラスで宴会を始めていた。篠川さん、facebookでは以前から友達なのだが、山で会うのは実は初めてなのだ。

 そのまま合流。

 篠川さんは女性2人を明日、赤木沢に案内するのだそうだ。

 

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完全にできあがってます

 

 この日はお客が少ないことを幸いに、午後2時に合流してから手伝いを何もかも放置して、延々と飲み続けていたのだった。

 そうそう。この日は小屋番の赤塚君がピザを焼いてくれるという日だったのだ。居候2人が明日下山するからって。
 小屋番のピザ、去年初めて頂いたのだが、超絶に美味かった。
 なのでどれだけ飲んでも泥酔しても、ピザの分はしっかり胃袋を空けておいた。

 

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小屋番のピザ!!

 

 これだこれ。
 下山してから、この日にこの超絶ピザを食べた面々が揃ってピザ画像をfacebookにアップしたので、私のfacebookのウォールがピザ画像で溢れかえってしまった

 この日は消灯の9時に寝たのだが、午後2時から延々と7時間飲み続けていたのである。もう限界です。
 布団に倒れ込むなり、2秒でいびきをかいていたらしい。

 

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小屋番休暇のお見送り集合写真

 

 15日。この日は小屋番が数日の休暇を取って下山し、居候2人も降りてしまうので、しばらくダワさんと景子ちゃんの2人きりの小屋になってしまう。
 大勢下山すると落差で寂しさがよけい募るんだよね。

 

 そうそう。
 帰りは薬師沢〜太郎間を1時間半で登れた。おや、良いタイムじゃん。
 太郎〜三角点の区間はだらだら歩き、また五光岩と三角点の2カ所で休憩しながら、草紅葉が始まった秋の山を楽しみながらのんびり下ったのだが、三角点から再びタイムアタックモードに。
 三角点〜折立を45分で降りた。これもけっこう良いタイムだぞ。
 来年はもう少しマジメにトレーニングして、折立〜太郎を2時間半を目指すか。

 それより禁漁になる前にもう一度どこかで釣りたいな・・

 

 

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