何が何でも絶対軽量化作戦
初心者家族の幕営山行で装備の項目を書いていて、金に糸目を付けずに軽いモノを買えばいったいどこまで軽量化できるのだろうと思った。
想定は家族4人での単独での北アルプスでの幕営山行、ということで思いついた装備からリストアップしていくことにする。
一度は家族4人での、ということで始めておきながら単独に変えたのは、4人分の装備重量を計算するのが面倒になってしまったのと(担ぐ配分まで計算できないし)、テントが現実的にはモンベルのステラ4しか選びようがなくてつまらなかったから。
ということでまずは基本装備から。
ちなみに表中のリンク、モデル名、スペック、価格などは全て平成16年10月現在のものである。
リンク、価格などこまめに調査するのはあまりに面倒なので、多分このまま放置される運命である。
レインウエア
|
メーカー |
モデル名 |
素材 |
重量 |
重量差 |
価格 |
価格差 |
標準 |
モンベル |
ストームクルーザーMen's |
ゴアテックス(30D) |
650g |
- |
\27,090 |
- |
|
モンベル |
レインダンサーMen's |
ゴアテックス(40D) |
600g |
50g |
\20,790 |
-\6,300 |
|
モンベル |
レイントレッカーMen's |
ドライライトテック(30D) |
525g |
125g |
\15,330 |
-\11,760 |
|
モンベル |
ゴアテックス |
580g |
70g |
\33,600 |
\6,510 | |
|
モンベル |
ドライライトテック(30D) |
420g |
230g |
\19,110 |
-\7,980 | |
* |
モンベル |
ドライライトテック(30D) |
400g |
250g |
\18,060 |
-\9,030 | |
|
ノースフェース |
レインテックス2 |
ゴアテックス(15D) |
600g |
50g |
\33,600 |
\6.510 |
探してみると意外に軽量レインウエアってない。
オンラインカタログや手持ちのカタログで15Dとか書いてあって期待しても、肝心の重量の記載がなかったりして不戦敗のモデルが多い。山のウエア、特にレインウエアは着ているよりザックの中で担いでいる時間の方が多いものなので、重量というのは重要な性能の1つだと思うのだが、これらのメーカーにはそういう認識がないのだろうか。
というわけで、ほとんどモンベルとノースフェースの一騎打ちになってしまったのだが、ここはモデル数の豊富さでも軽さでもモンベルの圧勝である。
まず通常のゴアテックス3レイヤーのウエアで勝負すると、最軽量はモンベルのトレントフライヤー上下で580g。次点がノースフェースのレインテックス2で600gである。ま、40Dのナイロンを使っているレインダンサーと同じ重量というのは淋しいが。
ちなみにゴアテックスパックライトを使ったウエアで550g程度のモノはメローなどからも出ている。メーカー(輸入商社)の公式サイトに掲載されていないので表には載せなかったが。でも、3レイヤーでここまで軽くできるのなら、さらにわずか30gの重量差でパックライトに行く気はしないけど・・・
ゴアに拘らなければ防水性、透湿性ともにやや落ちるがドライテック系は軽い。ドライライトテックとはゴアテックスパックライトと同じ理屈で、メンプレンの裏側に無数のイボを作ることによって2レイヤーとしたものだが、バーサライトは圧倒的な軽さである。まあ防水性が落ちるとはいっても、どのみち非現実的なほどのレベルでの話なので、普通に問題となるのは透湿性の方だろう。数値上は1割程度の差だが。
バーサライトは止水ジッパーなどでも軽量化を図っているモデルで、この止水ジッパーの防水性も気になるところだが、これだけ圧倒的に軽いと行ってみようかという気になってしまう。
ジャケットとアノラックがあるが、止水ジッパーの耐水性を考えるとアノラックの方が防水性は良さそうである。温度や蒸れの調節の点でやや不利だろうが・・・
というわけでここはバーサライトアノラック&パンツを選択する。
標準のストームクルーザーと比較して、重量で250gの軽量化、価格では9,030円安くなった。
シュラフ
|
メーカー |
モデル名 |
素材・温度域 |
重量 |
重量差 |
価格 |
価格差 |
標準 |
モンベル |
SSバロウバッグ#3 |
化繊・0℃ |
1230g |
- |
\12,390 |
- |
|
モンベル |
SSULダウンハガー#4 |
ダウン・3℃ |
600g |
630g |
\22,575 |
\10,185 |
* |
モンベル |
ULALダウンハガー#5 |
ダウン・6℃ |
485g |
745g |
\18,900 |
\6,510 |
|
イスカ |
エア280 |
ダウン・2℃ |
550g |
680g |
\25,200 |
\12,810 |
|
イスカ |
エア180 |
ダウン・8℃ |
430g |
800g |
\22,050 |
\9,660 |
1つのシュラフで3シーズン、あわよくば中級山岳の冬山まで間に合わせようという場合、だいたい化繊の適応温度が0℃あたりのシュラフを使っていることが多いので、モンベルの#3を標準としてみた。
軽量化すると言うことになるとダウンを選択するのは当然である。値段も許容範囲で性能的にも文句ないダウンといえば、モンベルかイスカということになるだろう。
シビアな問題は、どの適合温度域のモデルを選ぶか、ということになる。
このあたりモンベルとイスカの「ユーザーへの勧め方」がかなり異なっていて興味深い。
例えば、イスカのエア280は総重量550g、ダウン量が280g、適合温度域が2℃というモデルであり、モンベルで言えばちょうどULSSダウンハガー#4(総重量600g、ダウン量230g、適合温度域3℃)がほぼどんぴしゃで対応するモデルとなる。ま、イスカの適合温度域とモンベルのそれ(モンベルは快適睡眠温度域と呼ぶが)が同じものなのかどうか判らないが。
しかしこの両モデルのメーカーの勧め方は、イスカのエア280は「夏の2000mでのテントや避難小屋での宿泊に最適」であり、モンベルの#4は「夏の縦走や雪上キャンプなど、オールシーズンで使えるモデル」となるのである。ずいぶんニュアンスに差がある。
さらにイスカで夏の北アルプスの幕営に勧めているモデルはエア450と(総重量820g、ダウン量450g、適合温度域-6℃)というモデルで「夏の3000m級の縦走や春秋の中級山岳に対応する保温性」となっているのに対し、ほぼ同じスペックを持つモンベルのULSSダウンハガー#2(総重量825g、ダウン量410g、適合温度域-2℃)は、「冬期登攀など、積雪期の使用に必要な保温力と機能を備えたモデル」となっており、完全に冬用モデルの扱いである。
どちらがより適切なのかは一概には言えないが、私個人的にはイスカの説明はやや疑問である。どこの3000m級で−6℃まで下がるというのか?ヨーロッパアルプスの3000m級か??
富士山の頂上まで行けば夏でも氷くらいは張るかもしれないが、でも富士山の頂上は幕営禁止である。幕営地で最も標高が高いのは北穂のテン場か北岳肩のテン場か、といったところだろう。そこでもよほどのことがなければ夏の間に氷点までは下がるまい。5℃まで下がればけっこう冷え込んだ方である。
つまり、シュラフの適合温度域は5℃あれば十分なのである。
「予想以上に冷え込むことがあるので、余裕を持った選び方をした方が良い」という意見もあってそれはそれでもっともなことなのだが、余裕を持ったために普通の日は暑くて寝苦しい思いをするのはバカらしいし、冷え込んだときは防寒具でも着込んで寝ればいいだけのことである。それでも寒い日が希にあるかも知れないが、一晩くらい寝れなくても死にゃしない。
なので夏の北アルプスだけを考えれば、モンベルだと#5、イスカだとエア180で十分だと考える。
・・・と書いてはみたものの、ちょっと時期を外れると、例えば6月とか9月になると、これでは少し辛いかな、という気がしないでもない。シュラフカバーを併用すれば問題なかろうが、それだとまた重くなってしまうし。
でもまあここは#5を選択することにする。#5とエア180はどちらでも良いくらいなのだが、#5の方が少しだけ適合温度域が低いのと価格が安い、ということで選択してみた。まあ、イスカの方は値引きがあるので、実売価格はほとんど同じくらいのはずなのだが。
(こんなことを書いておきながら、自分ではそこまで思い切れずに#4を買ってしまったのであった)
ということで、重量で745gの軽量化、価格差で6,510円アップ、ということになる。
テント
|
メーカー |
モデル名 |
素材 |
重量 |
重量差 |
価格 |
価格差 |
標準 |
モンベル |
ステラリッジ1型 |
30Dナイロン |
1.62kg |
- |
\37,800 |
- |
|
アライ |
30Dナイロン |
1.45kg |
220g |
\35,700 |
-\2,100 | |
|
アライ |
30Dナイロン |
1.28kg |
340g |
\33,600 |
-\4,200 | |
|
30Dナイロン |
1.50kg |
120g |
\39,900 |
\2,100 | ||
|
ダンロップ |
VL11 |
30Dポリエステル |
1.50kg |
120g |
\38,850 |
\1,050 |
|
カモシカスポーツ |
エスパースソロ |
30Dナイロン |
1.50kg |
120g |
\36,750 |
-\1,050 |
* |
ICI石井 |
ゴアライトX |
ゴアテックス |
1.18kg |
440g |
\44,625 |
\6,825 |
|
ICI石井 |
ゴアライト |
ゴアテックス |
1.40kg |
220g |
\41,475 |
\3,675 |
テントの場合はアライのエアライズのシェアが高く、これを標準とした方が適当かもしれないが、とりあえず最も重いモンベルのステラ1を標準としてみた。
アライのゴアライズシリーズだと、同型のエアライズより重量が100gも重くなってしまうので、ここではリストから外してある。モンベルのゴアテックステントであるアルパインドームシリーズも同様で、一般的にゴアテックスのテントはシングルウォールでフライシートがない割に、重量はダブルウォールテントと変わらないかヘタすると重くなってしまうモデルが多い。
シングルウォールテントはダブルウォールテントと比較して保温性が低い、雨の日の出入り等の際に浸水しやすい、耐久性に劣るなどの欠点があるので、相当軽くなければ魅力を感じない。
この中でICI石井のゴアライトXの軽量性は際だっている。これだけ軽ければ多少の欠点にも目をつぶれるというものであろう。ちなみにゴアライトシリーズもシェアが高く、テント場ではよく見かける。サイズ的にはミニマムで(底面積はそこそこだが背が低い)、こんなテントの中に雨の日停滞とかで1日閉じこめられたら発狂しそうであるが、まあ軽量化の代償なら致し方なし、である。
ただ、従来モデルのゴアライトも併売されていて、こちらの方は別になんと言うこともない平凡な重量である。個人的にはまったく魅力を感じない。
次点はアライのトレックライズ0である。ダブルウォールでこの重量は立派だが、それもそのはずこのテントはサイズを削ることによって軽量化を達成している。そのため底面の幅は80cmしかない。かなり息が詰まりそうだが、十分実用にはなるサイズである。
ということで、ここはICI石井のゴアライトXを選択する。440gの軽量化と6,825円の価格アップである。
マット
|
メーカー |
モデル名 |
素材 |
重量 |
重量差 |
価格 |
価格差 |
標準 |
モンベル |
アルパインマットM |
自動膨張式 |
710g |
- |
\6,300 |
- |
|
モンベル |
ライトアルパインマット |
自動膨張式 |
540g |
170g |
\5,985 |
-\315 |
|
キャラバン |
EVA |
350g |
360g |
\1,890 |
-\4,410 | |
* |
サーマレスト |
プロライト3ショート |
自動膨張式 |
370g |
340g |
\12,500 |
\6,200 |
|
サーマレスト |
Zライトショート |
EVA |
310g |
400g |
\5,000 |
-\1,300 |
|
サーマレスト |
リッジレスト |
EVA |
260g |
450g |
\3,000 |
-\3,300 |
マットも特にモンベルのものがシェアが高いというわけではないのだが、比較的重いということで標準にしてみた(ちょっとズルい?)。
こればかりはモデル数が多すぎて、というよりホームセンターで売っているアルミマットですらそれなりに使えたりするので、いちいち調べているときりがない。
マットは大別してエアマット、EVA等の緩衝材そのままのマット、それとバルブを開けるとエアが半自動で注入される方式のものの3種類に分けることができる。今回はエアマットはこの表の中には入れていない。(単に好みの問題だったりして)
自動膨張式とEVAのマットをリストアップしているわけだが、これらのEVA3モデルはいわゆるロールマットであり、ザックの中に収納するには不向きである。Zライトだけは折り畳み式なのだが、それでも長さ50cm以上にはなる。
通常の幕営山行であれば60Lクラスのザックになるので、ロールマットをサイドに装着するのも苦にはならないのだが、今回の軽量化作戦ではザックは40Lクラスになるので、小型ザックにロールマットを付けるのは少々辛い。
というわけで収納サイズがコンパクトになる自動膨張式の中から選択する、ということになれば、文句なしにサーマレストのプロライト3ショート、ということになるだろう。この手のマットでは世界最軽量である。
ということで、プロライト3ショートを選択。340gの軽量化と6,200円の価格アップ。
防寒具
|
メーカー |
モデル名 |
素材 |
重量 |
重量差 |
価格 |
価格差 |
標準 |
モンベル |
クリマプラス200ジャケット |
フリース |
450g |
- |
\5,400 |
- |
|
モンベル |
ULサーマラップジャケット |
化繊中綿 |
220g |
230g |
\9,500 |
\4,100 |
* |
モンベル |
ULダウンインナージャケット |
ダウン |
200g |
250g |
\10,900 |
\5,500 |
|
ダウンインナージャケット |
ダウン |
300g |
150g |
\11,340 |
\5,940 | |
|
ノースフェイス |
アコンカグア |
ダウン |
340g |
110g |
\30,450 |
\25,050 |
|
パタゴニア |
ダウンセーター |
ダウン |
298g |
152g |
\24,675 |
\19,275 |
|
イスカ |
エアライトダウンセーター |
ダウン |
250g |
200g |
\13,125 |
\7,725 |
実際の話、夏山にクリマプラス200を持っていく人はあまりいないと思う。重量がどうのというより、激しく嵩張るし第一暑い。
だが、適当なフリースや手持ちのトレーナーなどを防寒具とする場合、重量的にはこんなものだろうという見当から、とりあえずこのモデルを標準としてピックアップしてある。
防寒具として薄手のフリースという選択肢もあるのだが、ここは重量もさることながら嵩を重視して、主にダウンの中綿ジャケットをピックアップしてある。
レインウエアでもそうだが、とにかく軽量ウエアの分野ではモンベルは他の追随を許さない。300g以下のインサレーションウエアを3種も出している。ノースフェイスは340gのアコンカグアが最軽量だが、これはモンベルのモデルより保温性が高く、あまり「夏山向き」という感じではない。夏山にも持っていけるだろうが、ちょっと保温性が高すぎるという気がする。
パタゴニアのダウンセーター、イスカのエアライトダウンセーターは、ちょうどモンベルのダウンインナージャケットと同じような狙いのモデルだと思う。この中ではイスカが最軽量。
だが、モンベルの場合、さらに軽量なモデルを化繊とダウンの両方で用意しているあたりが凄い。極薄の生地を使いポケットも省略し、ULダウンインナージャケットでは前立てのジッパーすら省略してスナップボタンにするという徹底具合である。
ま、これを着て行動するというウエアではないので、ポケットがなくても別に不便は感じないし、着てみると確かにフロントジッパーすら不要という納得をさせられてしまう。テン場で夜トイレに行くときに羽織るだけのウエアだから・・・
というわけでこのどちらかを選択することになるわけだが、扱いは化繊の方が楽で良いなと思いつつ、やはり少しでも軽いULダウンインナージャケットを選択する。250gの軽量化と5,500円の価格アップ。
バーナー
|
メーカー |
モデル名 |
性能 |
重量 |
重量差 |
価格 |
価格差 |
標準 |
プリムス |
3600kcal/h |
250g |
- |
\7,000 |
- | |
|
プリムス |
3600kcal/h |
110g |
140g |
\8,200 |
\1,200 | |
|
プリムス |
2700kcal/h |
96g |
154g |
\8,200 |
\1,200 | |
* |
EPIガス |
3500kcal/h |
97g |
153g |
\9,975 |
\2,975 |
バーナーはたぶん最も一般的なロングセラーモデルのP-2243を標準としてみた。別にEPIのBSPAでも良かったのだが。
バーナーメーカーだと他にメジャーなところではスノーピークがあって、70g台の軽量バーナーも出しているのだが、ハイパワー系のラインアップがない。多人数だとハイパワー系も欲しいところだし、複数モデルでメーカーを揃えておいた方が無難なので、とりあえずここからはスノーピークは外した。
というか、EPIのREVO-3500が魅力的過ぎである。軽いしパワーもあるし、なんつっても格好いいんである。
よって選択はこれに決まり。個人的にはP-153が欲しいが、ガスボンベをいちいち分けて管理する面倒さを承知の上でREVO-3500を突然衝動的に買ってしまいそうな気すらする。
153gの軽量化と2,975円の価格アップ。
ザック
|
メーカー |
モデル名 |
容量 |
重量 |
重量差 |
価格 |
価格差 |
標準 |
モンベル |
アルパインパック60 |
60L |
2.38kg |
- |
\17,850 |
- |
|
モンベル |
LWアルパインパック60 |
60L |
1.60kg |
780g |
\16,800 |
-1,050 |
|
モンベル |
グラナイトパック40 |
40L |
1.67kg |
710g |
\11,550 |
-\6,350 |
|
ドイター |
40+10L |
1.70kg |
680g |
\16,800 |
-\1,050 | |
|
マムート |
エクストリーム45 |
45L |
1.80kg |
580g |
\34,650 |
\16,800 |
|
mt.dax |
40L |
1.40kg |
980g |
\21,000 |
\3,150 | |
|
ロウアルパイン |
クォーク40 |
40L |
1.43kg |
950g |
\16,275 |
-\1,575 |
|
オスプレー |
イーサー60 |
60L |
1.53kg |
850g |
\22,260 |
\4,410 |
|
オスプレー |
セレス50 |
50L |
1.75kg |
630g |
\19,740 |
\1,890 |
* |
オスプレー |
セレス38 |
38L |
1.27kg |
1,110g |
\15,540 |
-\2,310 |
|
カリマー |
ホットパラシュート |
30L |
0.81kg |
1,570g |
\23,100 |
\5,250 |
|
カリマー |
リッジ40 |
40L |
1.43kg |
950g |
\18,900 |
\1,050 |
軽量化で意外に忘れがちなのがザックである。表に挙げたようにこの重量はバカにならず、場合によっては1kg前後もの軽量化が可能である。
標準には極めて一般的な60Lクラスのザックを挙げた。テント泊ならたいてい60Lクラスのザックを使うことになるだろうし、60Lクラスの一般的なザックならどれも値段も重量も似たようなものである。
60Lクラスの軽量ザックは2モデルほど挙げたが、実際は上に挙げたような装備を揃えていくと60Lでは大きすぎる。40Lクラスで十分入るはずである。ま、食糧もフリーズドライ中心に、かなりの軽量コンパクト化をしなければならないが。
カリマーのホットパラシュートはザックの中が透けて見えるくらいの極薄素材で作られたザックで、あまりの軽さに面白いので表には載せたが、まあテント泊で使うようなザックではあるまい。
今回はとりあえずここに挙げた中で最軽量ということで、オスプレーのセレス38を選択する。いくらなんでも容量がちょっと厳しいか、という気がしないでもないが・・・
他にセレス50もこのクラスとしては非常に軽量だし、カリマーのリッジ40も使いやすそうなザックで、調べきれなかったが他にもゴーライトとか魅力的なザックを作っているメーカーもあるし、非常に迷うところである。
とにかく、セレス38を選択し、1110gの軽量化と2,310円の価格ダウン。
その他
最初から見に着けているもの(Tシャツとパンツ、靴、当然下着)を除外して、他にザックに入れるものを大雑把に計算すると・・・
着替え類がTシャツの替え1枚、靴下の替え1枚、下着の替え1枚、これでざっと400gとする。クッカーがチタンのソロ用クッカー(EPIのATS type2-S)で152g(スタッフバッグ入りで160g)、ボンベがEPIの230P+で370g1個、さらにヘッドランプ、地図とコンパス等の小物諸々で、合計1.5kgとする。
合計重量
項目 | 標準品 | 選択品 | 重量 | 重量差 | 価格差 |
レインウエア |
ストームクルーザー |
バーサライトアノラック上下 |
400g |
250g |
-\9,030 |
シュラフ |
SSバロウバッグ#3 |
ULALダウンハガー#5 |
485g |
745g |
\6,510 |
テント |
ステラリッジ1型 |
ゴアライトX |
1180g |
440g |
\6,825 |
マット |
アルパインマットM |
プロライト3ショート |
370g |
340g |
\6,200 |
防寒具 |
クリマプラス200ジャケット |
ULダウンインナージャケット |
200g |
250g |
\5,500 |
バーナー |
P-2243 |
REVO-3500 |
97g |
153g |
\2,975 |
ザック |
アルパインパック60 |
セレス38 |
1270g |
1110g |
-\2,310 |
その他 |
- |
- |
1500g |
- |
- |
食糧 |
- |
- |
1000g |
- |
- |
水 |
- |
- |
1050g |
- |
- |
合 計 |
|
|
7552g |
3288g |
\16,670 |
つまり、軽量化前の装備では総重量は約10.8kgになるが、装備をこれだけ入れ替えれば約3.3kg軽量化でき、その結果装備の総重量が約7.5kgに収まる、ということである。なかなか良い数字じゃん。軽量化前の総重量10.8kgというのは、我ながらいかにももっともらしい数字である。
ま、実際はその他で述べた着替えやボンベ等の小物類で1.5kgに抑えるのはなかなか難しいだろうし、食糧も1kgというのは2泊3日の山行ではけっこう厳しい。ほとんどフリーズドライで通せば可能か、といった感じである。
ま、つきつめてやればこの程度まで軽量化することは十分可能、ということで。ちなみに食糧はもう少し軽量化することも可能だろう。その分ひもじくなっていくわけだが。その他も頑張ればもう200gくらいは軽くできそうである。
ちなみに小屋泊まり山行でも40Lのザックに10kgくらいの荷物を入れて歩いている人は大勢いる。いかに余分な荷物を持っているか、ということである。この装備からテント、シュラフ、マットを除外すれば、さらに2kg近い軽量化が可能で、食糧を抜きにしても5.5kg、ザックは30L程度で十分なはずである。
ということで、体力が有り余っている人は別として、自分の装備の軽量化を考えるきっかけにでもなれば幸いである。