超軽量ダウンシュラフを選ぶ

 1〜2人用テントの次は超軽量シュラフが欲しくなった。
 というのも、6月の白馬で「もう少し荷物が軽くならなんか」と思ってしまったからである。足の方は学生時代と比べても「まだ意外にいけるやんか〜」と思える程度には歩けても、ボッカ能力は明らかに目に見えて低下している。こんな15kg程度の荷物を重く感じるとは・・・

 で、装備の軽量化を考えたときに真っ先にリストラ対象になったのがシュラフであった。今持っているのはモンベルの旧スーパーストレッチバロウバッグ#3である。1.3kgもあるんである。さらに#3は適応温度が0℃である。このシュラフのファスナーを首元まで引き上げ、コードロックまで引いて寝たのは冬にスキーロッジで宴会してそのまま居間で雑魚寝したときくらいで、夏の北アでもファスナーを全開にして足を出したり、はたまたフルオープンにして布団のように上からかけたりして寝ていた。
 足蹴にしている保温性能に1.3kgはムダではないか。

 だいたい学生時代は厳冬期でももっと薄手のシュラフだったぞ。シュラフカバーを併用するのはもちろんのこと、ダウンジャケットを着込んで寝ていたものだった。ダウンジャケット+シュラフの重量を考えたらちゃんとしたダウンシュラフを買った方が軽かったのだが・・・
 この#3の使用限界温度は-10℃。これにシュラフカバーを併用して薄手のダウンジャケットでも着込めば、厳冬期でもいけてしまう。今じゃ軽くて薄いダウンジャケットもあるし。こういう「1本で全てを」というモノ選びをしてしまうところが貧乏人である。
 ここはひとつ、夏山専用に思い切り軽いシュラフを買おうではないか。体力の衰えは財力でカバーするが大人というものである。(言うほどないけど>財力)

 

超軽量シュラフの比較表
(太字は現所有モデル)

メーカー モデル名 番手 重量 中綿 中綿量 快適睡眠
温度
使用限界
温度
価格
モンベル 旧SSバロウバッグ #3 1.3kg 化繊 ? 0℃ -10℃ 11,500
モンベル 旧SSバロウバッグ #4 1.21kg 化繊 ? 2℃ -7℃ 10,800
モンベル 旧SSダウンハガー #4 1.08kg 650FP 300g -1℃ -11℃ 17,500
モンベル 旧SSダウンハガー #5 950g 650FP 250g 1℃ -9℃ 16,000
モンベル 旧ULSSダウンハガー #4 720g 725FP 270g -1℃ -11℃ 23,000
モンベル 旧ULSSALダウンハガー #5 550g 725FP 225g 1℃ -9℃ 19,000
モンベル SSダウンハガー #4 850g 650FP 250g 3℃ -6℃ 15,500
モンベル SSダウンハガー #5 740g 650FP 200g 6℃ -2℃ 14,500
モンベル ULSSダウンハガー #4 600g 725FP 230g 3℃ -6℃ 21,500
モンベル ULSSダウンハガー #5 535g 725FP 180g 6℃ -2℃ 20,500
モンベル ULALダウンハガー #3 595g 725FP 270g 0℃ -10℃ 20,000
モンベル ULALダウンハガー #5 485g 725FP 180g 6℃ -2℃ 18,000
イスカ エア 280 550g 750FP 280g 2℃ 24,000
イスカ エア 180 430g 750FP 180g 8℃ 21,000
SF SF035SB - 920g ? 300g ? ? ?

注)SSはスーパーストレッチ、ULはウルトラライト、ALはアルパインの略  価格は全て税抜き

 

 少し詳細を書くと、スーパーストレッチはいわゆる「伸び〜る」システムで、モンベルは「中であぐらをかける」というのを売りにしているが、それよりもシュラフが適度にタイトに身体にフィットすることの利点が大きい。どんなに中綿量が多いシュラフでも、身体とシュラフの間にムダな空間ができてしまうと保温効果が落ちる。なので冬山などで寒いときはシュラフを身体に巻き付けるようにしたりして、少しでもシュラフと身体の間の空間を減らそうと工夫するものなのだが、スーパーストレッチのシュラフは何もしなくてもシュラフが勝手にそれをしてくれる感じである。

 また、モンベルの旧モデルのUL(ウルトラライト)シリーズは、より高品質なダウンを使用することと生地を薄手のものを使用することによって軽量化を達成していた。これは今年のモデルでも同様だが、その薄手の生地をさらに軽量化しているらしい(スタンダードモデルの生地も軽量化されている)。
 AL(アルパイン)モデルは、旧シリーズではファスナーを省略することによってさらなる軽量化を達成していた。なのであまり一般的とは言えなかったが、今年のモデルではアルパインモデルにもちゃんとファスナーが付いている。
 今年のアルパインモデルはスーパーストレッチを省略することによって軽量化しているようである。

 

 今まで何の気なしに見ていたモンベルのカタログだが、こうしてその気になって見てみると、今年のモデルは素晴らしく軽量化されているのが判った。同じ#4を見ると、今年のモデルは去年のモデルに比べて20%も軽量化している。ま、適応温度域が少し高くなっているけど。今年のウルトラライトシリーズは素晴らしく軽い。好日に行って実物を手に取ってみたら感動してしまった。
 (ちなみに好日の店員さんと話していたら、彼もモンベルの昔の「スーパータフバッグ#3」1つで頑張っているんだそうな。どうしてもそうなっちゃうよなぁ)

 イスカのエアシリーズも魅力的なのだが、エア180はさすがに薄手で3000mではちょっと寒いか、と思う。まあ行けないこともないだろうけど、春先や秋は辛そう。エア280は逆にほんの少し厚すぎか?軽いのは魅力的だし、値段も定価はともかく値引きと好日の夏山セールを合わせれば、モンベルの#4あたりより安く買える。モンベルはセール中といえど値引きはなし、だからして。
 が、「すーぱーすとれっち」は棄てがたいし、モンベルは値引きなしといえども、セール中はポイントが倍になるので(逆にセール対象品はポイントが付かない)、そこまで計算に入れればあまり大きくは違わない。

 大人買い、とか言いながらかなりセコい計算をしているが、そんなわけで購入候補はモンベルULスーパーストレッチダウンハガー#4#5に絞られてきている。
 なんで#4と#5で迷っているのかというと、#4だったらこれ1つで厳冬期以外はいけてしまうんだよな・・・結局貧乏買いに戻ってしまうのか?

 さて、結局どちらを買うことになるのか?


 結局、モンベルULスーパーストレッチダウンハガー#4を買った。これ1つで全てを間に合わせようという貧乏買いになってしまった。
 本当は夏山に#5、春秋に#3と2つ使い分けるのが一番なのだろうが・・・いくら大人でもそんなに金ないってば。
 まあ、化繊なら#3は持っているのだが、一度ダウンの軽さを知ってしまった身でわざわざ1.3kgのシュラフを担ぐ気になるかというと、多分絶対ならない。無理してでもダウンのシュラフを持って行くに決まってる。まして春秋なら防寒具やアイゼンなどでただでさえ荷物は重くなるのである

 というわけで、この#4で全てを間に合わせようという覚悟を決めた次第である。

 買って帰ってカミさんに「よかろ〜」と自慢していたのだが、カミさんは「自分の気に入ってるもん」と負け惜しみを言っていた。まあ寒がりなので、夏山でも#3でちょうど良いのかもしれん。
 「ペラペラじゃ〜ん」とも言っていたが、同じ暖かさなら軽くて薄くなるのがダウンである。どうもそのあたりを誤解しているような。
 その割にはいつのまにか、その新しいシュラフに入って寝てしまった。
 2ヶ月分の小遣いをはたいて買ったシュラフなのに、私より先にカミさんに寝汗をつけられてしまった・・・

 

Back to up