ツーリングバッグの試作 その1

 

 昨年(2015年)の秋に数日かけて東北を走ってきたのだが、その時には荷物は大きめのダッフルバッグをロープでシートに固定していた。ZZRはタンデムシートはフラットだし、荷掛フックやグラブバーなど、ロープを通したり掛けたりするところも豊富なので、基本的には荷物はとても積みやすいのだ。

 テントやシュラフもあり、40Lザックには少し厳しい量の荷物を積んで、積むこと自体には何も不都合はなかったのだが、ロープでバッグを縛り上げてしまうと荷物の出し入れが不便だった。結局ロープをほぼ解いてしまわないと荷物の出し入れができないのだ。
 いちいち縛り直すのは面倒だし、毎回同じように確実に縛り上げられるとは限らないので、レインウエアを出して走り出した後に縛りなおす羽目になったりすると、かなりうざい。

 というわけで、バッグは今シーズンが始まるまでに何とかしようと考えていたのだ。

 ちなみに普段は下写真のように、昔買ったモンベルのカメラ用ウエストバッグをストラップでシートに固定している。
 なぜカメラ用なのかというと、カメラバッグってたいてい底面に三脚をストラップで固定すためのストラップ通しが付いているんだよね。
 そこにストラップを通してシートの裏で締めるようにすると、たいへん具合が良い固定法になる。
 この写真だとただ乗ってるだけにしか見えないけど、すごくがっちり不安なく装着されている。これでレインウエアだけでなくけっこう入る。

 ただ、さすがにテント積んでの泊りがけのツーリングには無理だよね。

 

touring_bag_00.jpg

普段はこんな感じで、モンベルのカメラ用ウエストバッグをシートにストラップで装着している

 

 まず、デイトナやその他のメーカーからオートバイ用のダッフルバッグが出ている。それらは当然検討した。
 アシックスやナイキなどのスポーツブランドからも構造的には同じようなダッフルバッグが出ている。両サイドにポケットがあり、上はジッパーでコの字に開くようになっているタイプのダッフルである。
 これ、使いやすくそうで良いんだけど、ちと高い。普通に1万円以上するし、ターポリンで作られているバイク用のバッグはさらに高い。

 かと言ってモンベルから出ているようなチューブ状のバッグなんて、防水性は完ぺきに近いかもしれんが出し入れが面倒すぎる。

 つまり、使い勝手が良いバッグ(必ずしもオートバイ用でなくてもok)を、上手くシートに固定することを考えた方が良いな、と考えたわけ。

 なんとZZR250用のキャリアが売られているんだよね。ライディングスポットからだっけ。
 でもこれ、1万円以上する。色気もない素っ気ない外観の割にけっこう高い。
 どーしよーかな、と迷っていたのだが、よく見ると「耐荷重3kg」 と書いてある。

 はぁ?3kg?
 わざわざキャリアを付けて、3kgはないだろう・・・

 おまけに、このキャリアは荷掛フックを外して取り付けるのだが、このブラケットが破損する例がいろんなユーザーから報告されている。
 ブラケットはZZRのリアフレーム上にあるので、つまりブラケットが破損したらリアフレームごと交換しないと元に戻らない。
 そのリアフレーム上のブラケット、写真で見るとなるほどチャチで華奢な造りである。あー、これは確かにここに固定するキャリアはたいした耐荷重は設定できないかも。つか、荷掛フックにテンションをかけて荷物を固定するのも良いのだろうか、と思うほど。

 というわけで、市販キャリアは却下、である。キャリアも含めたシステム?としてバッグを自分で作ってみようと思ったわけである。
 バッグをタンデムシートに直接装着しても良いのだが、確実に、しかも荷物の出し入れを阻害せずに固定するには、バッグをけっこう改造しないと無理っぽいので、キャリアとバッグの2段構えを考えてみた。
 製作にあたっての条件は以下のとおり。

1)ダッフルバッグをタンデムシートに横積みする

2)キャリアは普段は外すがツーリング中は装着しっ放しになるので、脱着はある程度手間暇がかかっても良い

3)バッグのキャリアへの着脱は、1日に1〜2回なので、多少なら面倒でも良い

4)バッグの固定方法は、バッグの開閉を阻害しないこと

5)間違ってもバッグは走行中に脱落しない

6)盗難対策も対応可能なこと

7)総経費は1万円未満

 

 というわけで、現状は以下のような感じ。

 

 まずキャリアなのだが、ホームセンターで買ってきたワイヤーネットをストラップでシートに固定することにした。

 

touring_bag_01.jpg

キャリア(ワイヤーネット) 裏側から

 

 ワイヤーネットは30×45cmサイズ。ストラップはモンベルで買ってきた20mm幅のウエビングテープで、テープアジャスターで端を固定している。これらはシートに固定するためのストラップ。

 で、シートに固定するとこうなる。

 

touring_bag_02.jpg

シートに固定してみた

 

 意外にも、これでもうがっちり固定されているんである。なんだ、キャリア完成じゃん。

 シート裏ではこんな感じ。一応、盗難対策もあってシート裏で固定するようにしている。
 ま、ハサミでテープを切られたらそれまでなんだけどね。

 

touring_bag_03.jpg

シートに固定(裏側)

 

 このシート裏、意外に隙間がないので、テープ類であまりごちゃごちゃするとシートを装着できなくなってしまう。
 なのでバックルではなくラダーロックにしたのだが、緩み防止のために折り返しを入れるとけっこう厚みが。

 シートをバイクに装着すると、こんな感じになる。

 

touring_bag_04.jpg

キャリア完成状態

 

 ・・・ま、見た目はともかく、この上なくがっちり付いているので、okである。

 さて、次はこの上に装着するバッグである。バッグはセカンドストリートで見つけたやつである。

 

touring_bag_05.jpg

2nd Streetで買ったバッグ(防水)

 

 ・・・実際、防水バッグでなくても良かったんだけどね。防水はバッグ内でやるから。
 でも、見つけちゃったし安かったので買っちゃった。
 防水じゃない普通のファスナーで開閉するのが良かったのだが・・・と思いつつ。

 で、キャリアに固定するとこうなる。

 

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キャリアに固定して完成!

 

 最初はバッグの底面に穴を開けて金具を通して・・とか思っていたのだけど、防水バッグを買ってしまうとねぇ。穴開けたら防水じゃなくなって、単なる開閉が面倒なバッグになっちゃうじゃん?
 なので、サイドにあるD環を使って固定することに。

 

touring_bag_07.jpg

バッグの固定はこんな感じで

 

 D環からゴムバンドを輪にしたものを出して、ナス環で留めるだけ。
 これでもう、普通に走っている限り不安は微塵も感じないほどきっちり固定されている。

 

touring_bag_-8.jpg

テストを兼ねて日帰りでツーリング♪

 

 ただし気に食わない点も。

 ゴムバンド+ナス環という固定方法は、装着具合は文句ないし装着作業も楽ちんなので良し。
 でも、外す作業が意外に面倒。
 ナス環の形状も関係あるのだろうがテンションがかかった状態でナス環を外すのは、けっこうイラッとするくらいには面倒。

 というわけで、ここをストラップとバックルでやってみようと、材料は既に買ってきている。

 で、現状、経費はこんな感じで。

項  目

個数

価格

備考

ワイヤーネット 30×45cm

1

\650

ホームセンター
ストラップ 20mm×60cm ラダーロック付き

2

\226

モンベル
テープアジャスター

2個入り×2

\248

モンベル 
20mmテープ

1m

\103

モンベル
防水バッグ

1

\3,564

セカスト
ナス環

4

\388

ホームセンター
ゴムバンド

1m

\112

ホームセンター

合  計

 

\5291

 

 

 ・・・意外にかかってる。少額部品が多いので、ちまちま買ってるといつの間にかトータルではえらく高いモノについていた、ということになりかねないので、気をつけよう。

 


2016.6.5 追記

 バッグの固定システムをストラップでやってみた。
 実はストラップの取り回しは、これが2パターン目で、しかも最初の取り回しはストラップの長さをギリギリに切ってしまったので、結局買い直してやり直している。
 いつの間にかトータルでは高いモノについていた、というパターンまっしぐら?

 

 上のゴムヒモでの固定もそうなのだが、固定用バンドの取り回しがバッグの横からだと、バッグの前後の動きに対する拘束力が弱い。
 つまり走っているとバッグが前後にズレるんである。まあ外れるわけではないので、気にしなければ済む話ではあるのだけど、あまり大きくずれると気分悪いのは確か。

 で、バッグを前後から引いて固定するような取り回しにした。

 

touring_bag_11.jpg

四隅のストラップがバッグ固定用

 

 上写真の四隅のストラップがバッグ固定用である。
 あまりギリギリまでストラップ長を切り詰めると、走行中バタつかないのは良いのだが、結局取り回しを変えたりする融通がまるで利かないので、ここも余裕を持たせた長さに。

 

touring_bag_10.jpg

バッグを固定したところ

 

 下から出したストラップで、バッグを前後に引っ張るという形に。
 ストラップも、前のゴムヒモ時代も含めて、基本的にバッグ側を長くとっていたのだが、今回からバッグにはバックルを付けるだけでストラップはキャリア側で長くとる設定にした。でないと、バッグを持ち歩くときに邪魔だし。

 

touring_bag_09.jpg

しっかり固定されてます

 

 固定した感じはこんな感じで、バッグの上にストラップ類が通らないので荷物の出し入れがしやすい。
 まあこのバッグだと、バッグを開くのに4ヵ所もバックルを外さないといけないので多少面倒なのだが、雨が降ってきても防水を考えなくていいのは楽ちんで良かったりする。

 あとはバッグの外にペットボトルホルダーを作りたい。
 どうせフルフェイスのヘルメットなので、停車中にちょこっと、というわけにはいかないのだが、必ずしもコンビニなど飲み物が入手できるところで休憩するとは限らないし、飲み物ごときでバッグを開け閉めするのも面倒だし。
 このバッグの防水性を損なわない装着方法を考えないと。

 

 

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