57年度秋期高体連 A隊
S57 10/28-30
by 池上
member A隊
C.L | 堀田尚吾 | 2年 |
S.L | 横山典郎 | 2年 |
Foods | 池上 良 | 2年 |
Porter | 藤田邦彦 | 1年 |
B隊 石島、米村、藤川、三浦
C隊 山本、平井、宇野
そう、あれはいろいろなことがあった山行であった。
一度には書ききれないので順を追って話すことにする。
朝は学校に行かなくてもよかったので直接叡山駅から乗った。見ると我がA隊のリーダーとサブリーダーがいない。湖西線は本数が少ないので、もし乗り遅れればまず開会式に間に合わない。だが私は、別の車両に彼らが乗っていると信じていた。(No,I
wanted to believe
that...)
しかし駅に降り立つと2人はいない。私は情けなかった。よりによってリーダーとサブリーダーがそろって遅刻することないやおまへんか。
開会式直前になっても現れないので、今はすっかりぶーちゃんになってしまった山本とKATSUの所に行って相談した。その時はとにかく先に行っているということになったのだが、2人は出発直前にタクシーで駆けつけた。僕達は、ああよかった、まにあったとホッとしたのだが、これが後々に思わぬ伏線となることを知るのは大会役員のみであった。
さて行動はたいしたこともなく初日をクリアーし、楽しい楽しい夜が来た。2年は石島を除いて西村先輩から命令されていた「大津高との交流」に着手したのであった。大津高の女の子のテントに入って遊んでおったのだが、そのへんのことは個人的にあまり思い出したくないのでもう書かない。我々A隊は藤田をテントに残してきたのだが、その彼が突然テントにやってきた。そして言った。
「先輩、さびしい」
帰ってみると真っ暗なテントの中にローソク1本。その中でじっと我々の帰りを待っていたらしい。そんな藤田が抱きしめたいほどかわいかった。で、その夜はおとなしく寝たのであった。
翌日の行動はほとんど覚えていない。ただ、帽子、ゼッケン、服装はしっかりしていたし、何一つA隊の優秀校獲得を妨げるものはなかった(かに見えた)。その夜、そしてその翌日の行動も何も覚えていず省略する。問題は閉会式なのだ。
さて、閉会式のとき、チーフリーダーの堀田はもうすでに優秀校を取ったつもりで賞状をもらいに行く時のポーズまで考えていた。あのとき、いくばくかの不安を感じていたのは私だけであったのだろうか。さて、役員が優秀校のチームを読み上げた。
「優秀校、膳所高」 堀田が腰を浮かしかけた。「B隊」
数秒後、照れ笑いをして賞状を受け取る石島と、呆然としている堀田がいた。B隊といえば石島、三浦、藤川、米村とネクラばかり集めたおとりチームである。何故わざわざ優秀校を取るために強力なメンバーを集めた本命チームのA隊がおとりチームに負けるのだろう。ついでにいえば山本をリーダーとするC隊はまったくの問題外であった。
どうしても納得できない我々はカツの所に聞きに行ったのだが、その理由とはもうみなさん、おわかりでしょう。
「遅刻」であった。その時の横山、堀田両氏の顔は見ものだった。特に堀田はともかく横山は責任感の強い男だから、その内心は自らを責める声で一杯だったに違いない。
私は内心、「このクソガキども、腹立つなぁ」と思いつつも、表面的には「そんなことちっとも気にしてないよ」というブリッコぶりを発揮して慰めておった。そう、そこはうどん屋の前だった。その時、そう、その時である。カツがこちらへ歩いてきてうどん屋の中を覗き込み、中に入ろうとした。その時我々3人の頭の中に出現したセンテンスは、「We
will be given "UDON" by
Katsu.」であった。
が、Katsuは何も言わずうどん屋の中に入った。その時こそ我々はカツの本性を見たのであった。
さて、高体連でB隊に思わぬ敗北を喫したA隊は、次の踏査大会に同じメンバーで再起を賭けるのである。