インハイ予選下見

5/29-30(1982年)

by 池上

member  山本、堀田、横山、池上

 中間が終わった土曜日、我々4人はカツの命令でインハイ2次予選の舞台となる伊吹山に下見に出かけた。思えばこの山行がちゃんと手続きを踏んで行った唯一の個人山行である。
 その日は中間明けでしかも暑く、とてもじゃないがきちんと規定の重量をかついで行く気はしなかった。多分みんなも同じ気持ちだっただろう。
 ただ横山氏がその頃はまだ熱血少年で、さかんに25kgかつがにゃならんと言っていたが、そうならないことは彼のザックに3Lのビールの生ダルが入っていることでも明らかだった。
 さて、電車の線路をテクテク歩いたりして上野神社につき、登りはじめる。
 本番の幕営地である松尾寺にはもうすでにたくさんの、これもまた下見に来たパーティーがテントを張っていたので、近くはいやだとわざわざそこから離れた高台の上にテントを張った。確か5テンだったと思う。
 さて、夜は焼き肉パーティーにビールである。やったね!
 焼き肉はうまかった。そしてその後もおとなしく寝るわきゃなく、夜が更けるとともに我々はますます盛り上がっていった。もう高台から見下ろすと他校の灯りは消えている。そして朝4時半頃、私と堀田氏の2人はリフトの発着場に座って、そろそろ起き出す他校達を見ていた。
 琵琶湖の上に日が当たってとてもええ雰囲気だった。ただ、隣が男だったのがちょっと、いや大変残念だった。他校の連中がザックに石をつめこんだりそれを計ったりしているのを見ているうち、さすがに眠くなってきた。
 堀田氏はテントの中で寝るという。私はシュラフカバーを出してきて、そのリフトの発着場に寝ることにした。寝るとき、他校の連中が出発するのが見えた。
 さて、どれくらい寝ただろう。私は突然の「ガーーッ!!」という大音響に跳ね起きた。するとリフトが真っ直ぐこっちに向かって進んでくるできないか!危うくアゴを強打されるところだった。これですっかり目が覚めて時計を見ると9時頃だったので、せめて頂上だけでもと思いみんなを起こしたが、堀田が起きない。彼の寝起きの悪さは何も今に始まったことではないが、それにしてもこいつ死んどんのとちがうかと思うほどよく寝とった。
 さて、軽装で寝不足の目をしてフラフラの腰つきで伊吹山に登ってきました。
 もうお分かりかと思うが、この下見山行は本番の何の参考にもならなかったのだ。
 国体予選、踏査、インハイ予選と重量制限のある山行でだいぶかついだので、俺のザックはかなりいたんだ。

 

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