フェリーに乗って北海道に行こう!
〜2024年秋版〜
昨年の秋、北海道ツーリングに行った時、我々は富山在住なので新潟から新日本海フェリーに乗っていったのだが、その時驚いたのは、関東ナンバーのオートバイが多かったこと。
中には水戸ナンバーのバイクもいたりして、なぜすぐ近所の商船三井フェリーに乗らずにわざわざ新潟まで?と不思議に思ったのだった。
で、帰ってから調べてみて、なるほど〜と納得した次第。
というわけで、各フェリー会社の料金を比較してみようというわけだが、今回は「9月に北海道に行く」フェリーに絞って分析することにした。
むちゃくちゃざっくり言うと、2等は大部屋(相部屋)で1等から個室、という区分になる。そして1等はトイレとシャワーが室内にあり、特等はシャワーがバスになる、といった感じである。また新日本海フェリーのデラックスAとさんふらわあのプレミアムでは部屋にバルコニー(テラス)が付く。
太平洋フェリー等、スイートでも専用テラスは設定されていない船の方が多いので、ちょっと乗ってみたくなるのだけど、よく考えると個人的にはテラスよりデッキに出た方が気持ちいいし、部屋の狭い風呂より大浴場の方が気持ちいいので、あまり食指は動かない(笑)
さらにその上のスイートになると、食事が料金に含まれている場合が多い。それも新日本海フェリーだと普通のレストランではなく、コース料理を食べることができるグリルでの食事が付いている。
さて、そんなわけで各社の通常料金を表にまとめた。
(リンクをクリックすると別ウィンドウでpdfファイルが開きます)
これらの表は運賃と排気量別のバイク料金を表にしていて、バイク料金の下行の色付きセルの部分が、運賃とバイク料金を合計した総料金ということになる。
なお発着時刻は上行が「北海道行き」のダイヤで、下行が「北海道から帰る」時のダイヤである。
新日本海フェリーは小樽発着の便と苫小牧発着の便、太平洋フェリーは名古屋から苫小牧までの便と仙台から苫小牧までの航路に分けて表を作成している。
太平洋フェリーの場合、きそといしかりが名古屋〜仙台寄港〜苫小牧を隔日で運航していて、きたかみが仙台〜苫小牧を隔日運航していて、結果として仙台〜苫小牧間は毎日運航されているという、ちょっと複雑な運航形態なので予約しようという時は注意が必要。部屋の構成が少し違うし。
さて、注意が必要なのは期間設定で、各社A〜Dの4段階程度に料金が異なる期間を設定している。同じ客室でもA期間が最も安くD期間が最も高くなるわけで、要するに閑散期と繁忙期、というわけである。
それで新日本海フェリーと太平洋フェリーの2社は9月に入るとすべて期間Aになるのに対し、商船三井さんふらわあは7〜9月にA期間の設定はない。
9月はB期間が基本で、シルバーウイークの連休中はC期間まで料金が高くなる、という設定になっている。(2輪料金はBとCで共通)
まあつまり、さんふらわあでは北海道ツーリングの適期にA期間になることはなく、8月に至ってはC期間以上、最高でE期間まで料金が高くなるということに。
ちなみに2段ベッドのコンフォートでは、A期間だと12,500円なのだが、B期間で14,500円、C期間で18,000円、Dだと22,000円、E期間に至っては25,000円と、実にA期間の倍、という値段になる。
一応、このページは「9月に北海道に行く」という前提で料金比較をしているので、さんふらわあのD、E期間、新日本海と太平洋フェリーのB期間以上は計算に入れていない。
また新日本海フェリーと太平洋フェリーでは、期間Aの間は貸切料金が設定されない。
貸切料金というのは、定員に満たない人数で個室を利用するとき、人数の差×0.5人分の料金を支払うというもので、例えば定員2人の個室を1人で利用するときは、人数差が1人なので0.5人分の料金を追加で支払う、という設定のことである。4人部屋を2人で使う時は2×0.5で1人分を追加支払いするわけである。
また定員の半分を下回る人数では利用できない。つまり4人部屋を1人で利用することはできない。
この貸切料金が設定されない、ということは1人で2人定員の個室を1人分の料金で利用できる、いうことである。あるいは2人で4人定員の部屋を2人分の料金で利用できる。
商船三井さんふらわあでも、特別企画として貸切料金不要のプランを設定していることもあるが、基本は個室を1人で利用するときは0.5人分を追加で支払う必要があることになる。
さらに、オートバイの料金は400cc、750cc、オーバー750ccの3区分をまとめているが、フェリー会社によっては原付(125cc未満または50cc未満)でさらに料金区分を設定しているところもあるので、必要に応じて各社のサイトで調べてください。
で、これが基本料金というか通常料金なわけだが、定価で乗る必要はなく、各社様々な割引を設定している。
各社の割引設定状況はこちら(別ウィンドウでpdfファイルが開きます)
割引状況を簡単にまとめると、ネット割は新日本海フェリーを除いてたいていのフェリー会社で設定されている。5%とか10%程度だが。
割引幅が大きいのは季節限定割引で、新日本海フェリーでは秋割GoGoという割引を設定している。
これは55歳以上で個室利用、1か月前までに予約&清算という条件が付くものだが、運賃に対して20%というけっこう大きな割引をしてくれるものである。
乗用車にも適用されるのにオートバイには付かないのが不満だが…
さらに予約が成立した瞬間からキャンセル料が設定される。
このように縛りが大きい割引なのだが、歳をとるのも悪くないなぁなんて思えるのはこういう時くらいしかないので(笑)、使える割引は積極的に使うのだ。
さらにこの割引を使うと簡易個室のツーリストSと個室(ステート)の料金がほとんど変わらなくなるので、鼾がうるさい年寄りには魅力的なのだ(笑)
太平洋フェリーでは秋の早得21という割引プランを設定している。
これ、春の早得、初夏の早得もあったので、秋もやるかなぁと期待していたのだが、予想どおり設定された。さすがに盛夏の早得はなかったけど(笑)
割引率は春が40%、初夏が25%だったので秋はどうなると注視していたら、35%(2等相当、1等と特等は25%)という大きな割引率である。さらにオートバイも15%の割引が効く。
こちらは新日本海フェリーのように個室利用、年齢制限といった制限は付かないのだが、代わりに数量限定のプランなので、予約できる日になったら速攻で取らないと利用できなくなる可能性が高い。
さらに商船三井さんふらわあでも、WEB秋割という割引を設定している。
これは運賃に15%、乗用車に10%を割り引くもので、ネットから予約という制限はあるが、新日本海フェリーのような年齢制限、太平洋フェリーのような数量制限は付かない割引である。ただしオートバイには割引は付かないので、トータルでそれほど大きく割り引かれる印象は薄い。
さあ、そんなこんなも踏まえて、各社の料金を比較してみる。今度は表を画像にした。
まずは中部以西から北海道を目指すパターンでの比較。
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| フェリー運賃比較表2024年秋(中部・関西以西から) |
中国地方や九州から北海道を目指す場合は舞鶴〜小樽の新日本海フェリーでほぼ一択なのでは?と思っていたが、調べてみるとそうでもなかったりするのが面白い。
例えば中国地方ということで仮に広島を起点にすると、広島I.Cから舞鶴I.Cまでの高速道路の走行距離は370km。それに対し太平洋フェリーの名古屋港の最寄りインターである名港中央I.Cまでの距離は460kmで、その差は90km、高速代の差は1,800円ほどとなる。(高速料金は通常料金で比較)
それで2段ベッドの大部屋を利用するとすれば、250ccクラスのバイクだと舞鶴〜小樽のツーリストAで23,400円、名古屋〜苫小牧の太平洋フェリーで22,500円(秋の早得21を利用)と、高速代+90km余分に走るガソリン代を考慮すれば、わずかに太平洋フェリーの方が高いだけ、ということになる。
だがしかし。ダイヤを考えれば、舞鶴〜小樽便が小樽に到着するのは翌日の午後9時近い時刻なのだ。
対して太平洋フェリーは翌々日の午前11時。小樽に夜の9時に着いても、そのまま小樽で宿泊せざるを得ないだろうことを考えると、太平洋フェリーだとほぼ宿泊費の分だけ安く北海道上陸できる、という計算になるじゃないか。
太平洋フェリーはバイクの排気量による料金差が大きいので、例えば同じ条件でリッターバイクだと26,400円と30,200円ということになり、太平洋フェリーの方が4,000円ほど高くなる。高速代を考慮すれば6,000円弱高くなる計算になるわけだ。
でもこれ、小樽での宿泊費でチャラになるか、まだ太平洋フェリーの方が有利、ということになるのでは?
表にしてみた。
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| 広島を起点とした北海道までの旅費試算 |
出発・到着時刻の()内は帰路すなわち北海道から本州に行くフェリーのダイヤである。
この試算、起点が違えば当然違った結果にはなるだろうけど、高速代も差額計算する限り、それほど大きくは違わないはず。
同じ計算を例えば大阪(吹田I.C)起点ですると、高速走行距離は舞鶴でも敦賀でも名古屋でも50〜60kmほどしか違わず、高速料金も500円前後しか差がない。
ということは、素直にフェリー料金とダイヤで選択すれば良いのでは?と考えると、太平洋フェリー、けっこう使えそう。
この表で広島起点で考えると、普通に考えれば舞鶴から新日本海フェリーに乗るか、と計画するところだと思うのだが、実は名古屋まで走っても90kmしか走行距離は増えない。
そしてフェリー代は太平洋フェリーを使うと250ccクラスでは1,000円も変わらないのだが、リッタークラス(750cc以上)では6,000円弱高くなる。
しかし。
北海道に到着するのは新日本海フェリーだと午後9時に小樽、なのである。これ当然、着いてもその日は小樽で泊まるしかあるまい。
太平洋フェリーだとそのさらに翌日の午前11時に苫小牧着。これ宿泊費を考えたらイーブンか、もしかすると太平洋フェリーの方が安く北海道上陸ができることになる。
とはいえ、日程的には若干新日本海フェリーの方が有利か。
というのは、舞鶴〜苫小牧便だと出港が23:50と深夜なので、休暇を確保した前日、すなわち仕事を終えてから舞鶴入りすることが多くの地域で可能になる。広島からだって可能だろう。
対して太平洋フェリーは名古屋を19時に出港なので、仕事を定時に終えてからこのフェリーに乗れるのは、名古屋近辺しかあるまい。
というわけで、日程と費用次第では、太平洋フェリーも十分検討に値するのでは?ということである。
さて次は関東起点の比較である。
大部屋利用と個室利用の比較を続けて載せる。
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| フェリー運賃比較表2024年秋(関東から)大部屋利用編 |
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| フェリー運賃比較表2024年秋(関東から)個室利用編 |
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| 東京を起点とした北海道までの旅費試算(商船三井はB期間での比較) |
出発・到着時刻の()内は帰路すなわち北海道から本州に行くフェリーのダイヤである。
上の表のように高速代が多少高くなっても、トータルでは新潟まで走って新日本海フェリーに乗ったり、仙台まで走って太平洋フェリーに乗った方が安い、という試算になった。
まあ首都圏はどこから高速を使うかで経路そのものが大きく変わってくるので、特に方角が異なる新潟方面との差額はかなり変わってきそうな気もするが、何にせよこれで去年の新潟港に関東ナンバーのオートバイが非常に多かった謎は解けた。
特に新潟〜小樽便の場合は関東から利用するにはかなりの早立ちを余儀なくされるのがネックだが(前乗りして前泊しても良いのだけど、それをやると日程を1日損してしまう)、北海道上陸時刻が最も早いので、フェリーに乗り込んだ翌日のうちには稚内まで行けてしまうというのは魅力的。
この日程的な優位性は新日本海フェリーでは特に大きい。
例えばAさんは休暇初日、早立ちして新日本海フェリーに乗るとする。すると2日目の早朝4:30には小樽着。
そしてBさんが同じ休暇初日に大洗からさんふらわあに乗ると、苫小牧到着は2日目の13時半。
Bさんが苫小牧に到着した時間には、Aさんは下手すると稚内に到達しているぞ。(2023年の北海道ツーリングでは午後2時に稚内に到達している)
料金差も、個室利用の場合は目を剥くほどの差になったりするので、この表を見ながらいろいろ考えてみるのも楽しいかも。
…とは言え、富山からだとどう計算しても新潟〜小樽便一択になることを再確認してしまったわけだけど(笑)
余談だが、帰路の選択肢もまた奥が深い。
上の練馬起点の比較表で帰路を考えると、苫小牧からさんふらわあに乗った場合、翌日の午後2時に大洗に到着する。
それが太平洋フェリーなら、10時に仙台港到着。小樽から新日本海フェリーに乗ると、午前9時過ぎに新潟港到着である。
つまり練馬まで帰るとすると、14時に大洗からスタート、10時に仙台からスタート、9時半に新潟からスタート、の3パターンあるわけだ。
まあ、フェリーが接岸してからオートバイの下船が完了するまでの時間はフェリー会社によっても違うし同じフェリー会社でもその時の条件次第でけっこう違うので一概には言えないのだが、同条件ならさんふらわあで帰ってきた人が大洗港に到着した時刻では、新日本海フェリーで新潟港に着いた人と太平洋フェリーで仙台港に着いた人は、どちらも練馬に着く直前くらいの時間差がある。
というわけで、いろいろ考えてみる余地は大いにあるのだなぁ、というところ。
これも富山だと新日本海フェリーの小樽〜新潟便以外だと大幅に高く不便になってしまうのだけども(笑)