立ちゴケはビンペダの宿命なのか?

 

 ビンディングペダル(略してビンペダ)使用者で立ちゴケを経験していない人っているのだろうか。
 ま、確かに思ったほどはしないな。ビンペダを使う前は、こんなの着けたら毎日3回は立ちゴケするんじゃないだろうか、と思ったものだけど、4ヶ月ちょっとで3回しかしていないもの。

 1回目の立ちゴケは、カルマを買って1ヶ月くらい経った頃だったか。交通量の多い交差点でだった。
 当然歩道を歩くほどの速度で流していたのだが、自分が渡りたい信号は赤だった。なので左足をペダルから外して自転車を降りれば良かったのだが、ちょうど対向する車道の信号が赤になったわけだ。
 なので、もう2秒ほど待てばこちらの信号が青になるはずである。2秒くらいならスタンディングで待てるし、と足を外さずにほぼ停止状態のまま信号が青になるのを待ったのだが・・・

信号が青になるのが、私が思っていたより2秒ほど遅かったわけだ。

 そのまま立ちゴケ、である。通りの多い交差点なのに・・・(恥)
 慌てて逃げるようにその場を立ち去る私であった。

 2回目はそれから1ヶ月ほどした時の話である。

 やはり交通量が多い道路を走っていたのだが、その時は車道を走っていた。信号待ちからのスタートダッシュで40km/hくらいまで必死に踏めば、なんとか車の流れに乗れるくらいの流れだった(ドライバーからすると中途半端に速いのは余計神経を遣うと思うが・・)。
 信号待ちでは当然止まらなければならないわけだが、ちょうど縁石があるので左足をペダルから外せば、尻をシートから下ろさなくても縁石に足を着けることができるので、広ければ車道はけっこう走りやすいのである。

 ただ・・・信号待ちの度に毎回左足を外すのも面倒だなぁ・・・

 などと思った私は、みんなやってると思うけど、ちょっと楽をしようと思ったわけである。
 停止位置の左手にガードレールや道路標識など、掴まるモノがあれば左足を地面に付かなくても停止していられるわけだから、ペダルから足を外す必要はないわけだ。その方が走り出す時もペダルに足をハメる手間がない分、スタートダッシュに有利だし。

 というわけで、ガードレールや標識がある場所では横着していたわけである。
 その交差点でも、停止位置の少し手前に道路標識があったので、ペダルから左足を外さずに速度を落とし、標識の支柱を掴もうと左手を伸ばしのだが・・・

次の瞬間、左手がスカッと虚しく宙を掴んだ。

 ま、ちょっと思った位置で止まれなかっただけなんだけど。標識の50cm前方で停止した時には、ペダルは両足とも固定されたままで、掴むモノは何もなし・・・
 というわけで、その場で横倒しである。車もたくさんいるし、目の前の横断歩道にも人がたくさんいるのに・・・
 慌てて逃げるようにその場を立ち去り・・・たいところだったが、信号は赤なのでしばらく大勢の視線に耐える私であった。

 3回目は、これを書いている時点で1ヶ月半ほど前のことである。9月に薬師沢に行った翌日だったか翌週だったか。

 場所は黒部市の生地駅の前である。
 自宅から黒部川まで国道8合沿いに走り、帰路は海岸沿いを走ると自宅からだとちょうど60kmくらいあり、午後からちょっと走るには手頃だし黒部から魚津にかけての海岸沿いの道は走っていて気持ちいいことこの上ないので、このルートはよく走る。
 ちなみに朝日町の宮崎海岸まで走るとちょうど100kmある。これだと、午後5時に帰ろうと思えば午後発だとちょっと忙しい。せめて午前11時には出発しないと走るだけになってしまう。

 というわけで、土日は例によって朝寝しているので午後発で黒部ルートを走っていたわけである。
 黒部川の堤防に到達してから海岸通りに出るまでの道はこれといったルートがないので毎回違うのだが、この日はたまたま生地駅に出てしまった。
 どんな駅なんだろうと駅前のコンコースに入ってみたが、典型的な田舎の駅で本当に何もない駅である。なので駅前コンコースを一周しただけでそのまま去ろうとしたのだが、右の方から車がやってくる。では止まるかとブレーキをかけて停止した。何にも問題がない日常的な光景なのだったが・・・

左足をペダルから外すのを忘れていた

 当然そのまま、無抵抗に立ちゴケである。たまたま数人の女子高生が駅から出てきたところだったのに・・・
 慌てて逃げるようにその場を立ち去ったのは言うまでもない。

 

 この3回目の立ちゴケには後日談があり、実はこれを書いている今も左手首が痛いのである。手首の前後の動きはもう痛くなくなったのだが、内転が痛い。とても痛い。
 なので後ろ手にドアを閉めることができなくなってしまった。車の運転も、左手をハンドルの頂点から右に回すと痛いので、送りハンドルである。
 仕事でも、チューブのキャップを閉めたりする時は左手首は内転させるような動きになるので、かなり痛い。周りに誰もいない時は「いてーな」とか毒づきながらやっている。牛の採血(尻尾から採る)の時も、じっとしていてくれれば良いのだが、動かれると痛い。

 この痛みは多分骨、なんだろうけど。

 実は一度医者に行ったのである。10月は非常に忙しい日が続いた中、予定をやりくりして午前中だけ休暇を取って医者に行ったのである。
 ところがだなぁ、朝9時前に診察券を入れて、すぐレントゲンを撮るという話になってレントゲンを撮って整形外科の待合室に帰ってきたのが午前9時半である。それから待てど暮らせど、呼び出しがかからない。ただでさえ狭い整形外科の待合室は老人達で満員なので、ずっと立って待っていたのだが、正午になっても呼び出しはない。
 怒り狂った私は、そのまま帰ってきてしまったわけである。

 遅れるならどのくらい遅れるか一言説明があれば、どこかで時間を潰すなり出直すなりの対処ができたのだが、いつ呼び出しがかかるか判らないので遠くにも行けず、2時間半も立ちっぱなしで待たされれば頭にも来るよね?ね?

 診察券は預けっぱなし、診察も受けてない、当然診療費も払っていないので、あれから一度家に電話があったらしい。私は不在だったのだが、折り返しの電話もしていないし。

 というわけで、私の左手がどうなっているのかは判らずじまいなのだが、まあ未だに痛むという事実だけで十分である。そのうち治るだろうさ。
 とりあえず自転車に乗るにはさして支障はないし(ポジションを変える際に、左手から荷重を抜く瞬間が痛いが)。

 

 

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