平成18年8月5〜7日 立山
8/6 | 6:45 | 雷鳥沢キャンプ場 発 |
8:50-9:20 | 一の越 | |
10:30-11:00 | 雄山 | |
11:20-12:10 | 大汝山 | |
13:05 | 大走り分岐 | |
15:30 | 雷鳥沢キャンプ場 着 |
さて、毎年恒例となった家族での立山登山である。
そろそろ何かパターンを変えるべきかとは思いつつも、雷鳥沢キャンプ場があまりにも快適なのと、直前に至るまであまりよく考えていないので、結局今年もまた同じパターンに落ち着くのであった。
今回は、この前の7/29-31を予定していたのだが、どうも梅雨明けしそうになく天候が極めて不安定そうだったので、直前に1週間ずらしてこの週にしたのであった。その変更は大当たり。山行前日の天気図を見ても崩れる気配など皆無の安定した気圧配置であった。
雷鳥沢キャンプ場目指して出発! |
室堂から雷鳥沢キャンプ場目指して出発である。
この青色の絵の具で塗りつぶしたような空!
毎年この季節になると、「80Lか120Lくらいの特大ザックを買わなきゃ」と思うのである。この積載能力の不足は深刻である。
今回のザック構成は、私の60Lに長男の大は春に買ったミレーの30L、次男の生には大からお下がりの20L、カミさんはオスプレーのなんちゃって40Lである。そのくせ灼熱の直射日光対策にタープまで持ち込んでいるものだから、上の写真のように食糧はほとんどトートバックの手提げで入山である。カミさんもトートバック持参で、合計2つのトートバックに食糧を満載である。
閻魔様の黒卵! |
もう生ビールに手を出す俺様 |
みくりが池温泉小屋での大休止もパターン化しつつある。
ここの「閻魔様の黒卵」を去年食べて以来、家族みんながファンになってしまい、今年も食べてしまった。
大が半分殻をむいた卵をもっている。
髪の毛の黒がバックで見づらいが、生も黒卵を持っている。
硫黄の香りがして妙に美味い。
このドピーカンの暑さに負けた私は、まだテン場に着いていないというのに生ビールに手を出してしまった。
あー美味い。
まだ午前中、10時である。雷鳥沢キャンプ場に到着。のんびりと設営する。
雷鳥沢キャンプ場 |
今年も直射日光対策にタープを設営した。
これだけで暑さがかなり違う。
この灼熱の太陽の下、テント内でなんとか昼寝も可能なのである。(私はやはり暑くてダメだったが、カミさんは昼寝していた)
昼食は、これもパターン化しつつあるがホットドッグである。
去年もこんな写真があったような・・・ |
名付けてケチケチスープ |
キャベツは千切りにしたのをビニールパックで持ち込み、フライパンで軽く炒めてパンに挟む。
ウインナーはボイルしてキャベツとパンに挟み、ケチャップをつけてできあがりである。
ウインナーをボイルしたお湯は、ダシがたっぷり出ているので捨てるなんてもったいない。
余ったキャベツを入れて塩コショウとコンソメで味を付けてスープにした。
カミさん考案のメニューなのだが、息子達がこれを名付けて「ケチケチスープ」である。ウインナーをボイルした残り汁、というのが命名の理由だそうな。
でもこれ、美味いよ。
ウインナーの代わりにサラミでもダシは出るし、タマネギも持ち込んでいたので、このケチケチスープ、手を変え品を変え、3日間メニューに登場し続けたのであった。
・・・こういう、食い物について詳しく書いたり写真を載せてしまったりするのは、やはりあのサイトの影響か・・・?
昼食の後、たっぷり有り余る時間を別にどこかに登りに行くわけでもなく、テントの中で昼寝したり無目的にうだうだと過ごしたわけであった。
雷鳥沢の夕焼け |
この日の夕焼けは見事だった。特に画像処理もしていないのに、この色である。
これだけ見事な夕焼けでも、カミさんにはまだ不満らしい。20ん年前、初めて立山に来たときにヤツはいったい何を見たんだ?
神の道 |
さて翌6日。
行く先は目先を変えて浄土山や龍王とかいう話もちらっと出たのだが、結局あまり深く考えなかったのでいつもの立山三山に決定である。
カミさんは、大走りで降りる「なんちゃって三山」ではなく、ちゃんと剱御前まで歩きたいとしきりに主張するのだが、まあそれは順調にいけばの話である。
私にとっては、午後早い時間にテン場に帰還して温泉と生ビールを味わいに小屋に行く方が遙かに大切なことなのだった。
それがあまり調子が良くないのである。
大が腹が痛いと言いだした。相変わらず歩くのは速いのだが、先行したかと思うと道端にうずくまりながら待っていたりする。
一の越近くになって大は、トイレに行きたいと先行してしまった。
生ももう一つペースが上がらない。
一の越まで2時間。これは生のタイムである。大は15分ほど先行していて、生と私が一の越に着いたときは既にトイレで放出を済ませ、すっきりした顔になっていた。2時間・・・計算するとこれは剱御前までは難しいかな?
一の越から雄山までも1時間以上かかっているので、決して早いペースではない。まあそんなに遅くもないのだが。
雄山はいつものことだが、人混みでごったがえしていた。富山県で一番人口密度が高い場所ではないのだろうか?
雄山から槍穂高方面を望む |
雄山から見た薬師見平(超望遠シリーズ) |
天候は抜群で視界は全開である。
去年、薬師見平に行ったとき、薬師見平から立山が見えることは気づいていたので、立山から薬師見平が見えるはずと意識はしていた。
ちゃんと見えました。約1年ぶりの再会である。またいつか行きたいのぅ。
薬師見平の撮影に集中する私 |
薬師見平撮影に集中している私を、横からカミさんが撮っていたらしい。
私の向こうに見知らぬおっさんが、同じ方向にカメラを向けているのが笑えるが、このおっさんは薬師見平を撮っているわけじゃないだろうな。
薬師見平の写真さえ撮ればもう人混みの雄山に用はない。さっさと大汝山に向かう。
大汝山頂上 |
大汝山で11時20分。なんのことはない、去年の9月に3歳になったばかりの腹ペコ家の新管理人さんを交えて登ったときとほぼ同ペースである。こりゃ調子よくないなぁ・・・
大はもうほぼ復活しているのだが、生がもうひとつペースが上がらない。
こういうペースであれば、剱御前まで行ってしまうとテン場帰還がかなり遅い時間になってしまう。
なので大走り下山ということにして、ここで昼食を取ってしまおう、と言うとカミさんがかなり不満そうであった。
と・こ・ろ・が。
剱御前まで歩きたいと主張していたカミさんが、見る見る間に真っ青な顔になって横になってしまった。一の越から頭痛がするとは言っていたが、カミさんの頭痛はいつものことなのであまり気にしていなかったのだが、それに吐き気も伴って昼食もほとんど食べることができない。
なんだ、高山病じゃないか。
一の越からかなり頭痛が激しかったそうで、そんなら早いうちにそう言えよって感じであるが、そもそもそんな体調で「剱御前まで歩きたい」もないもんである。
もうノータイムで大走り下山に大決定である。しかもできるだけ速攻で下りなければ。
そんなわけで昼食もさっさと切り上げ、下山開始である。
かなり辛いらしく、富士の折立からの下りでも時折うずくまって休み、そのうち「ゆっくり行くから先に行って」などと遭難必至のセリフまで飛び出した。
高山病なら休んでも良くならないだろうし、休憩が長くなるとこのカンカン照りなのでそのうち熱射病でも併発しそうである。なのでここで「うん判った」とか言って先行すると、カミさん死ぬかもしれんぞ。まあ可哀想だが尻を叩いて歩かせるしかあるまい。もしそのうちマジに歩けなくなればヘリを呼ぶしかないのか、などと思いながら下山続行。
大走りを下る |
大走り分岐まで下りてくれば、多少症状も軽くなるかと思っていたのだが、あまり改善されないようで相変わらず辛そうである。
ヨタヨタと大走りを下りる我がパーティーであったが、実は調子が悪いのはカミさんだけでなく、生もかなり辛い思いをしていたのだった。
生は高山病というわけではなく、靴が合っていないことが原因のようであった。
実は去年買った靴は既に小さく、去年買った大の靴を履いていたのだったが、これはさすがにちと大きすぎたようで辛かったようだ。
ちなみにその大は中古で買った靴を履いていたのだが、これはあっさりソールにクラックが入ってしまった。カミさんは大に自分の靴を回し、自分は新しい靴を買うという邪心を抱いていたようだったが、既に大のサイズはカミさんを追い越してしまったので、その計画は儚い夢と消えたのであった。
生のプリティーな泣き顔 |
大走りの下部で、とうとう生が泣き出してしまった。
泣き顔があまりに可愛いので思わず写真を撮った。
大走りも下部になると、カミさんが徐々に復活の兆しを見せ、それと反比例するように生がうじうじするのであった。
でも、泣きながらもちゃんと歩いているところはさすがに成長したんだなと。ちょっと前までは泣き出すと足が止まったものな。
大走りを下りると短い距離だが雪渓があった。雪渓は足に優しいので生もちょっと復活である。
カミさんはようやく「表情」が。
ようやく復活したカミさんと生 |
テン場に帰還すると、速攻で雷鳥沢ヒュッテに向かうのが恒例なのだが、今回はさすがにカミさんが休みたいとのことで、しばらく休憩である。
といっても30分寝たらほぼ完全に復活してしまった。さすが高山病である。
ぴーぴー泣いて歩いていたクセして、温泉に行くとなると生が走って行くのは、これは毎度のことなのでもう驚かない。
このビールのために生きてるな! |
ビールが美味い・・・
カミさんも完全復活である。
夕食はレトルトカレーである。志が低くなったもんだ。
その代わり、レトルトカレーを4種類買ってきた。みんなで交換しながら食べれば、4種類の味が楽しめるという寸法である。
4種類のレトルトカレー |
写真には撮らなかったが、ケチケチスープも登場である。
デザートにプリンを作り、昼食を中途半端に切り上げたため行動食も大量に余っていた。
カミさんもきっちりそいつを平らげていたので、高山病で良かったと胸をなで下ろしたのであった。
実際、もし高山病ではなかったら、尻を叩いて歩かせることは致命傷になった可能性もあったわけで、(高山病じゃなかったらとうしよ)という微かな不安を抱えながらの行動だったわけである。標高を下げるに従って好転していく症状を見て一安心はしていたのだが。
タープの外は灼熱地獄です |
翌日は下山日。
これもパターン化しているのだが、午後まで行動せずにテン場でうだうだである。
タープを残してテントだけ撤収もパターン化。
この日もドピーカンの快晴。直射日光は強烈で、照らされていると水分が体内で沸騰してしまうような、まるで電子レンジの中状態である。
が、下界の暑さと決定的に違うのは、日陰に入ると途端に肌寒いくらい涼しくなるのである。下界よりも宇宙空間にちょっとだけ近いんだなぁ。
なのでこのタープというのはむちゃくちゃ快適である。この布一枚で天国と地獄を分けているのである。
残置ペグを求めてテン場を放浪する兄弟 |
大と生が雷鳥沢に来る最大の理由である「残置ペグ集め」は、この日は不調だったようである。
「不景気だからね〜」と意味を為さない慰め方をする親であった。
今回は体調面でいろいろあり、万全な山行とはいかなかった。
家族の立山登山も4回目ということもあり、ちょっとマンネリ化してきたか?とも思う。思うのだが、じゃあ別の山といっても山はともかく、この雷鳥沢キャンプ場があまりに快適なので、別の山といってもピンと来ないのも確かである。
やっぱマンネリ対策といえば、合同キャンプだよなぁ。
最後に、大が思いついたギャグ写真を。
なんだかどこかのサイトみたいなギャグである。でも、彼ほどの切れ味にはまだ遠いな。
衝撃派!!! |