平成24年6月3日 千石川
9:05 | 入渓 |
9:15 | 第一堰堤 |
9:20-45 | 第二堰堤 |
10:05 | 第七堰堤 着 |
11:10 | 第七堰堤 発(敗退) |
12:00 | 第二堰堤 |
12:20 | 第一堰堤 |
12:40 | 駐車場 着 |
去年、やまちゃんとソーレ谷に行ってから、今年はちょっとマジメに沢登りをやるか?みたいな話になってたのよ。
んで登攀具も昔使ってたのを引っ張り出して、足りないものは買い足して春を待ちわびていたわけだ。
それにしてもロープってこんなにいろいろ種類があるとは・・・
ロープなんて団体装備だから一度も自腹で買ったことがなかったのだが、いざ買おうとして調べてみたら、あるわあるわ。シングルロープだけでも 9.4mmから11mmまでバリエーションがあるし伸び率とかコーティングとか選ぶのに悩んでしまう。
まあ結局、沢登りに使うということで防水コーティングをしているモノの中で最軽量のロープを買った。高いくせに消耗品だもんなぁ。
ロープ関係は、50mはそう頻繁には使わないだろうから、8mm×30mの補助ロープも買った。
やまちゃんも9mm×30mのロープを持っているので、一番使うのはこれかな?
で、沢といえばとりあえずやってみたかったのが、上市町内の千石川なんである。
上市川の上流、上市第二ダムのさらに上なのだが、中流域に三枚滝と呼ばれる滝があるしその手前にはゴルジュもあるらしい。何より記録があまりないというのが良い。webでも数本しか見つからないからね。
その数少ない記録を読む限りは、滝の登攀はやった人もいるけどかなり大変そう。高巻きはもっと大変そう。ゴルジュはそうたいそうな表現の記事はないから行ってみないと判らない。でもゴルジュや滝には数本の残置はありそう。というところ。この程度の情報。
で、5月になって2回ほど1人で偵察にも行ってきたのだ。
1回目は5/5で、このときはあまりの水量の多さに入渓200mで敗退してきた。
2回目は5/19。ずいぶん水量は減っていたのだが、第二堰堤で時間切れ。まあこの日は元々動き出したのが正午近かったのでそんなに奥まで行くつもりはなかったのだけど。第二堰堤をほとんど死に物狂いで必死に登ったので、これからもここには何回も来るだろうから、次はここをもっと楽に登れるルート工作をしよう・・と考えていたのだった。
で今回、初めてパーティーで遡行できる機会がやってきた。相棒はいつものやまちゃんである。
千石川の取水堰堤のすぐ上に車を停めて出発。
この林道、5/5に来たときは500mくらい手前で山からの押し出しで塞がっていた。ああこうやって林道って荒れていくんだな〜と思っていたら、5/19に来たときには開通していた。
取水堰堤まではこの林道は維持されているらしい。この上からは荒れ放題でもはや車の通行はまったく不可能になって久しいので、取水堰堤まではキープするんだろうな。
取水堰堤上の空き地に車を停めて出発 |
というわけで出発。
それにしても誰だよ、この下の写真のオッサンは。(もちろん俺だが、何か?)
出発。誰だよ、このオッサンは |
さて、出発して、自然に還りつつある林道を10分ほど歩くと、林道が右岸から左岸に渡る地点があり、そこから入渓する。
入渓地点の橋の上から見た千石川が下の写真である。
入渓地点から千石川 |
上が当日、下が5月5日の千石川なんだが水量がぜんぜん違うのがお判りだろうか。
5/5はこの橋の直下の本流が徒渉できなかった。杖を突きながら川に入って3歩進んだところで動けなくなって、そのまま後ずさりして戻った。
写真の奥で川が左にカーブしているところに1カ所だけなんとか渡れるところがあったのだが、そこを渡ってこんなのが何回も出てくるのなら今日は無理!って還ってきたのだった。
5/19もかなり水量は減っていたが、今日はさらに減っているのでこれならどこでも思うがまま。
5月5日の千石川 |
この水量では徒渉はまったく問題なし。
5/19の時点では第一堰堤の上がちょっとヤバかったが、今日はここも何も考えなくともどこでも渡れる状態であった。(下写真)
徒渉はこんな感じ |
さて、5/19に死に物狂いで登った第二堰堤である。
下写真が第二堰堤を空身で突破するやまちゃんである。俺はもうここはゴメンなので、やまちゃんに引っ張り上げてもらうんだ♪
堰堤上から1mほどフィックスロープが垂れ下がっているのだが、それを掴みつつ強引に登るやまちゃんであった。
で、俺は用意していたルート工作をやまちゃんにしてもらい、それを使ってなおかつ引っ張り上げてもらったのだった。
(ルート工作については後述)
第二堰堤を突破するやまちゃん |
第二堰堤を越えるとだんだん谷が狭まってきて期待感が高まる。
完全に埋まった堰堤をいくつかやり過ごし、谷はだんだんゴルジュの予感が。わくわく。
第二堰堤の上。奥に見えるのはほとんど埋まった堰堤 |
埋まった堰堤は下りでも見つけたので、かなりたくさんあることが判明。
とりあえず下の写真で見えるのが第七堰堤ということになるらしい。
第七堰堤が見えてきた |
第七堰堤の下まで来ると、バラバラになったアルミ脚立の残骸があった。
わははと笑いながらこの写真を撮ったのだが、笑い事ではなかったのよ・・・
堰堤に設置されていたらしい脚立の残骸 |
・・・この堰堤、脚立がなかったらどうやって登るのよ??
左の壁?草と泥がついて、上の方はホールドもあまり見あたらなくてけっこう厄介そうなんですけど。
第七堰堤の左壁を試登するやまちゃん |
やまちゃんが試登しに行った。
あ〜あ、ロープも何にも持たずにあんなところまで行っちゃって・・と思っていたら、やっぱり下ってくるときに最後の2mを飛び降りる羽目になった。
上写真でやまちゃんがいるあたりまでは難しくないのだけど、その上はホールドに乏しくてちょっと難しそう。プロテクションなしに登るのは嫌だな。
残置はもちろんないので打たなきゃ。
一応ハーケンは何枚か持っていたのだけど、堰堤になんでそこまで?みたいなテンションが上がりきらないこともあり、そもそもここを突破しても下れるのか?という懸念もあるし(下降の際にプロテクションを取れそうなところが見あたらないのだが・・)、まあ今日はここで撤退かぁ、ということに。
敗退が決まって竿を出すも釣れず・・ |
次回はちゃんとマジメにやるとして、どこから行くか?
左壁を行くしかないのだろうけど、こんな泥まみれの壁を登るくらいなら、いっそのこと堰堤にボルト連打して人工で登ってしまった方がなんぼか気が楽だなぁ。
左壁を登るとしたら登攀に2枚、上のアンカーに2枚打つとしたらあと3枚ほどは買い足しておくか(この日は4枚持っていた)、とか俺は考えながら壁を眺め、やまちゃんは竿を出してみれど釣れず。
完全に埋まった堰堤 |
登るときもいくつか見たが、下りでも完全に埋まった堰堤を発見した。
なので敗退した堰堤は第七堰堤、と言うことになるはずだが、まだ見落としているのがあるかも。
よくこんなところに堰堤なんて作ったなぁ、と感心するけど、それを完全に埋めてしまう自然の力もたいしたもんだわ。
第二堰堤を懸垂で下降するやまちゃん |
第二堰堤はさくっと懸垂で降りるのだけど、その前に不満足なできだったルート工作の改善を。
要するに長〜いテープスリングでテープアブミを作って固定したわけだが、結び目の位置など登ってみるとあまり良くなく、一度全部ほどいてから作り直した。次回単独で来ても、ここはさくっと越えることができるように、である。
こんなふうにしてみた。ぐっじょぶ? |
こんな風にしてみたのだが・・・
で、せっかくなので一度下降した後、試登してみる。
試登 |
あ〜、ちょっと失敗した。
俺が掴んでいるのが一番上の結び目なんである。もう1つ上に結び目がないと苦しいぞ。
・・・まあ何とかするか。次来たときに細工しなおそ。上まで登り返して細工し直すほどのテンションはなかったのだ。
カモシカの死骸を発見 |
第二堰堤から第一堰堤の間でカモシカの死骸を見つけた。死後1年くらい経っているのかね?まだ全身骨格のかなりの部分が残っている。
ここに増水か何かで土砂がどさっと積もって(その前に流されるか)、その状態で何万年か経てば、こいつは化石になるのかなぁ。
第一堰堤 |
ちなみに第一堰堤はこんな感じである。
ここは堰堤にもれなく付いてくるはずの「ハシゴ」が唯一残っている堰堤である。
ハシゴまでのコンクリの斜面もそこそこ傾斜があって、しかも土砂や木屑がけっこう積もっているので、登りは良いのだが下りはちょっと何だかなぁ、という感じ。
5/19にここに来たとき、懸垂で降りた方が早いと思って堰堤の上から懸垂で降りたら、コンクリの縁のフリクションが高すぎてロープの回収が困難だったので悪態をつきながら登り直してロープを回収し、せっかくロープ出したしと思ってハシゴの下からロープをセットしてこのコンクリ斜面を懸垂で降りたのだった。
なのでなんとなく今回もハシゴ下から懸垂で降りた。普通に歩いて降りた方が早かったかも。
堰堤で敗退というのは、なんか敗北感が募るなぁ。
滝やゴルジュだったら自然相手なので、まあ自然を相手に人間が負けるのは当たり前だからいいか、と思えることも多々あるのだが、相手が堰堤という人工物だと何だか人間に負けたみたいでテンションが下がる。
第二堰堤を越えたら後はゴルジュ〜三枚滝までたいして困難なところはない、と勝手に思いこんでいたのも堰堤を前にテンションが落ちてしまった原因だったような気がする。水量も過去2回の偵察より遙かに少なくて気が楽になっていたし。
というわけで、またいずれリベンジなのだ。
・・・堰堤にボルト打ったらやっぱりダメなのかね?