大東新道A〜B沢出合間ルート詳細2012

 

 以前、大東新道のA〜B沢間の鎖場についてルート説明をしたのだが、ここは毎年のようにルートが微妙に変わる。
 まずここの岩は脆くてハーケンやボルトの効きが悪いため、工作したルートがあまり長持ちしないということと、その崩壊によってルートそのものが大きく変わること、また川の流れも変化するので以前は降りられた場所が深くなってしまって降りられなくなり、ルートの変更を余儀なくされたりすることも多い。

 ここを見ると、山がどれだけダイナミックに変化しているものなのか、よく判るなぁ。

 ちなみに30年前に初めてこの界隈に入った時は、このA〜B沢間は中州に渡って難なく通過できていた。また右岸にもルートは通っていたが、この岩場のすぐ上の樹林帯中を巻き道が通っていた。20年前に薬師沢でバイトしていた時期は、右岸の高巻きルートは崩壊のため使えなくなっていたが、中州には難なく渡れたので中州ルートで誰も苦労などしなかったのだ。

 それがA沢が大崩壊して本流の流れが変わってから、中州には容易に渡れなくなった。もちろん沢としては容易な徒渉なのだが、一般登山で膝上までの徒渉など論外だもんね。

 まだまだここは変化するだろうから、行ったときだけでも記録しておけば面白いかな、と思った次第である。
 「ガイド」としてはあまり当てにしないで読んでいただければ幸いです。いつどう変化するか判らないからね。

 

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大東新道A〜B沢間のルート全容

 

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(1)いよいよ鎖場に入る。

 ペンキ印に従ってバンドの上に上がる。
 バンドの上は滑り止めに木が打ち付けてあるので意外に歩きやすい。

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(2)バンド上をトラバース

 狭いところは岩がぬめっていて滑りやすいので気を遣うところだが、滑り止めの木が効いていて意外に歩きやすい。

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(3)いったん川床近くまで下降

 下降後は水線近くを画面奥に向かってへつる。

 増水時は通行不能だろうな。

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(4)へつり箇所を川中から

 写真では難しそうに見えるが、ホールドは豊富なので簡単。

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(5)再びバンド上に上がる

 昔はここは画面奥からフィックスロープ1本下がっているだけの岩場を登り、けっこう難しかったが、手前が崩れたので階段状で簡単になった。

 ここも鎖が設置されている。

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(6)最後にハシゴで河原に降りる

 ここも増水時は水中に降りることになるので、通過できないと思われる。

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(7)最後のハシゴを下流側から

 ハシゴはしっかりしていて登下降しやすい。

 

 2005年頃は、「これは一般ルートとしてはもうギリギリなのでは・・・」と思うほど難しくなっていたのだが、今年は難しかった箇所が崩壊して簡単になったことと滑り止めに打たれた木が効いていることで、かなり簡単になった。

 でも、増水時はルートの一部が水中になるのは確実で通行不能になると思われるし、増水や崩壊1つでルート状況が大きく変わる可能性もあるので、通行の際は薬師沢小屋で確認してくださいな。

 

 

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