ファイブテン イグザムガイド

 

2013.08.11 追記

 買ってもうずいぶん経つのだが、今回初めてまともに山で履いてみた。

 最初は気になることがあって、靴の中でやたら足が動くのである。クライミングメーカーが作るアプローチシューズなのに、このホールドの軽さはいったい何事??と戸惑ったくらい。下りは爪先が痛くなるしかなり疲れやすい。

 あれ〜?と思っていたのだが、ふと気づけばこの靴、かなり靴紐を緩めて履いているんだった。普通に街中を歩いているだけだとそれでも十分タイトに感じるんだけど、山ではルーズ過ぎるということか・・・

 というわけで締めてみた。爪先からグイグイギチギチに。なんせシューレースの折り返しが異様に多い靴なので、締め直すのもひと仕事だったが。
 締めたら・・・印象が一変した。こりゃもう異次元のフィット感。靴を履いていることを忘れるような、ソールに神経が通っているような抜群のフィット感なのよ。もちろん中で足が動くようなルーズさは一切なし。それでいてきつくて痛いということもなし。笑いが止まらないほど調子が良くなった。

 ・・・まあ実際は左足首の関節炎が悪化していたので、笑いが止まらないどころか歯を食いしばって歩いていたのだが・・・

 ちなみに去年くらいから太郎小屋チェーンの関係者の間でファイブテンがブームになっていて、薬師沢小屋のゲタ箱など、従業員のキャンプフォーがずらりと並んでいたりする。
 で、これで沢に行ってる人もいて、「何の問題もなし。これでもう沢靴は不要だわ」なんて話もちらほら聞こえてきているんである。
 今回沢で試すことはしなかった。だって濡れた靴で下山するのもなんだし(いつも沢靴で来てるときはしてるくせに)、気に入って街でも履いている靴なので沢で傷めるのも気が進まなかったので・・・
 でもまあ、どうせソールがすぐ減っちゃう靴なんだから、沢でもガシガシ使えば良いのかな?

 沢では試さなかったのだが、下山日が雨だったので、濡れた木道や皮が剥けて濡れた木の根などはたっぷり踏んできた。木の根なんてビブラムソールの靴では踏むのを躊躇うくらい滑るんだけどね。
 で、結果はそれらのグリップはアクアステルスとまったく同等だった。ビシバシグリップするわ。確かにこれなら沢でも使えるというのは判るわ。

 で、結論は、この靴履いちゃうと他の靴はもう履けないかもよ?というくらい気に入ったわけであった。これぞ奥黒部スペシャルなのかも?

 ひとつだけちょっと困ったことが。

 前に(下に)書いているように、今は緩めて履けるように靴紐を長いのに替えているわけだが、締めるとむちゃくちゃ余るんである。締めたときと緩めたときの余る紐の長さの差がすげぇ。

 もうちょっと短く切り詰めるかなぁ・・と悩み中。

 


 

12.10.09 New

 

 御嶽で濡れた木道でスリップして捻挫したから、というわけではないのだが、久しぶりに新しい靴を買った。
 まあ、黒部源流に入るにも、これまではアクアステルスの沢靴オンリーで歩いていたのだが、それもそろそろしんどくなってきた、というのもある。沢靴は足裏感覚を重視するためか、立った感じが踵までべったり地面に接している感覚だし(普通の靴は僅かに踵が高くなるようになっている)、ミッドソールの緩衝材もほとんど入っていないので、普通の登山道を歩くと非常に疲れやすいのである。
 ほんとはアクアステルスを使って、かつそのあたりを少し普通のトレッキングシューズ寄りの造りをした靴、つまり水陸両用シューズがあれば、その靴1足でどこまでも行けてしまうのでそれが欲しいのだけど、どこも作ってくれないので仕方ない。

 というわけで、つまりアプローチシューズが欲しいなと、数年前から思っていたりしたのだった。
 このアプローチシューズ、まず軽くなければならない。沢靴を履いたときにはザックの中に収納される運命なので(薬師沢の小屋に置きっぱなしということも多々あると思うけど)、重いトレッキングシューズは論外である。

 次に、ソールもビブラムでは嫌である。ビブラムのソールって、深いラグパターンでグリップする基本設定なので、ゴム自体のグリップ力はほんとにたいしたことないのである。濡れた木道なんて最低だもの。

 まあそういうわけで、ファイブテンの靴は前から欲しいな〜、と思っていたのであった。

 ファイブテンと言えばキャンプフォーというモデルが大人気なようで、取扱店ならだいたいどこの店でも置いている。靴の棚が1列全てキャンプフォーなんて店まであったりするくらいである。

 ただ、この靴は普段履きなら良いかもしれないが、山で履くにはローカットなのでちょっと不安。もう私の足首周りは右も左もボロボロなので、特に下りではストックの助けがないと何回転ぶか判らないくらいである。御嶽で左足首を捻挫したが、別にこれが初めてではないし、右足は靱帯の手術をしているのでまだまともかもしれないが、左足は手を入れていないので、より危険なのである。
 実際、左足を捻挫したときに医者に行ってレントゲンを撮ってもらったのだが、左足首のレントゲン写真を見てあまりにガタガタなので暗〜い気分になってしまったくらいである。よって靴はミドルカットが必須、である。
 ファイブテンのミドルカットのアプローチシューズは、キャンプフォーのミドルカット版であるイグザムガイドの他にインサイトハイなど、数モデルあるのだけど、置いてある店、あまりないんだよね。
 そんなことも、欲しいと思いつつこれまで何となく買わなかった要因のひとつかも。

 ところがこの夏、周囲でキャンプフォーやガイドテニーといったファイブテンの靴のユーザーが増えた。で、履く人みんなが絶賛するんである。そりゃファイブテンのソールは10年前から使ってるから、良いのは知ってるんだよ〜。
 このことと、御嶽の下りでひっくり返ったことが、これまで何となく買わなかったファイブテンのシューズを買う方向に背中を押したことは間違いなかろうな。

 で、イグザムガイドを買った。東京出張に行ったときに、さかいやスポーツのシューズ館で買った。
 さかいやをもってしても、キャンプフォーは各サイズばっちり在庫があったのに、イグザムガイドはこの26.5cmしか在庫がなかったのである。

 余談だが、以前のさかいやのシューズ館は、比較的狭い店舗の中にこれでもか!というくらい靴が並べてあったのだが、新しいシューズ館は店舗は広くなったのに壁際にしか靴を置いている棚がないし、その棚も数段しかないので、靴の数はなんだか圧倒的に少なくなった。店の裏に在庫はあるのかもしれないが、もっと圧倒的な物量が並んでないと、はるばる神保町くんだりまで行く価値がないぞ?

 

ファイブテン イグザムガイド

ファイブテン イグザムガイド

 

 ファイブテンの靴に全体的に言えることだが、フィッティングはかなりタイトである。特に足の甲と爪先がきつい。なんというか、いかにもクライミングシューズメーカーのアプローチシューズだな、という感じ。靴紐を目一杯緩めないと足が入らん。

 でも、いい加減に緩めても足をねじ込まないと入らないので、脱ぎ履きは楽な靴ではない。普段履きで靴紐をそのままに脱いだり履いたりするのは、ミドルカットということもあってほとんど無理、って感じである。
 その替わり、きちんと履いたときのフィット感はすげぇ。沢靴でもこんなフィット感はないぞ。アスファルトだとソールにガムでも付いているのか?と思うほどのグリップ感もすげぇ。半分クライミングシューズだわ、これは。

 ただ、ちょっと重大な問題が。

 非常にタイトな靴なので、やや甲高な私の足だと、かなり靴紐を緩めないと足が入らないのだが、そうすると紐の長さが足りなくて結ぶのに苦労するのである。特に左足は。(左足の方が甲高)
 そもそも一番上のホールにはまったく紐の長さが足りない。

 仕方がないので、靴紐だけ買い直すことに。
 失敗したのだが、かなり長めの180cmの紐を買ってきたのだが、それでも足りなかったのだ。というよりそもそも靴に付いている靴紐より短いではないか。ちゃんと長さを確認しなかったミスである。
 でもよぉ、180cmって普通の登山靴の靴紐の長さだぞ。冬山用の重登山靴だと180cmでは足りないが、こんなミドルカットの靴で180cmで足りないなんてことがあって良いのか。
 ・・・やたら靴紐のホールが多いからな、この靴。

 

ファイブテン イグザムガイド(靴紐交換)

ファイブテン イグザムガイド 靴紐を換えてみた

 

 というわけで、4mmの細引きを持っていたので、それを200cmほどに切って靴紐にした。
 色もちょうど良い感じである。飽きたら赤の細引きを買ってきて、それで靴紐にしようか。

 

 ちなみにキャンプフォーを買った人は、沢でも無敵のグリップだという情報をくれた。もう沢靴を履く気になれない、とか。
 でも、この靴はレザーだし、これで沢に入ったら傷みが早いだろうな・・・と思うといまいち踏み切れないけど。
 むしろ登山道はこれで行くなら、沢靴はもっと軽くてちゃちな造りの忍者(秀山荘)あたりの方がベターかも、と思ったりする。
 そのあたりは来年試そう。

 

 

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