カシミール3D
このページの画像は国土地理院の数値地図25000(地図画像)を使用した
カシミール3Dは地図解析ソフトである。別にGPSがなければ遊べないというソフトでもないし、GPSもカシミールがないと使いこなせないということもないのだが、せっかくGPSを買ったので遊んでみようと導入することにしたのだ。
でも、システム構成が複雑である。
カシミール3D本体はフリーソフトなのだが、これは「地図を解析するソフト」なので単体では意味がなく、地図データが必要なわけである。だが、基本的にただの地図データなど存在しない。結局いくらかの金はかかるわけである。国土地理院の数値地図など、まともに買うとけっこう高い。1枚単位で販売されておらず、CD-ROM媒体なのでけっこうな値段がする。
山旅クラブというサイトに登録すれば、そこからオンラインでいくらでも地図をダウンロードできるのだが、別に高くはないものの年会費という形で経費がかかる。別にそれくらいなら払っても良いか、とも思ったのだが、年会費制で毎年更新&支払いをしなくてはならない、というところが妙に気に入らず、未だ登録には至っていない。別にGPSデータの管理だけだったら付属ソフトのMapSourceでできるもん。
というわけで、本屋でDVD-ROMが付属した解説本を買ってきた。本の解説内容はどうでも良かったのだが(事実、まだまともに読んでいない)、付属の地図が2.5万図で日本全国収録されていたから。
さらに自分でGPSデータを管理したり見て楽しむだけなら、本なりを買ってくればそれでOKなのだが、このようにwebで公開しようとすると承認の問題がある。地図データの著作権はほとんど国土地理院にあるから。
これも承認に金がかかるというわけでもなく、単に手続きが面倒と言うだけの話なのだが、とりあえずwebで説明の補助に3枚程度の画像を使うだけであれば、承認手続きをしなくても出典を明記をするだけで良い、とのことだったので、今回は出典の明記で済ませることにする。(画像を4枚使ったけど)
GPSのポイントを地図画像に落としたりポイントやルートの作製をするというGPSデータの管理に使うのであれば、カシミールを使わなくても付属のMapSourceでできるのだが、地図画像はこちらの方が綺麗である。登山道や山小屋も記載されているので、ポイントの記録も便利だし。
ただこのソフト、「3D」というだけあって、地図を立体表示できるところがMapSourceにはマネができないところなのである。別に3D機能はなくても困らないが、あれば楽しい。
とりあえずハゲ山に行った時のGPSの軌跡ログを地図に表示して3D表示させた画像が下である。東種の上空から撮影した、という設定である。
東種地区上空からハゲ山 赤線はGPSの軌跡ログ |
「撮影ポイント」は自在に設定できるので、山頂からの展望図なども描ける。雪の量や雲、貼り付けるテクスチャーの設定もかなり自由度が高いので、凝ればかなりリアルな画像を描くことができる。
下は中山頂上から剱岳を見た図。
中山頂上から剱岳 (実際の撮影写真はこれ) |
さらに立山の雷鳥沢キャンプ場から見た立山。黒い線は登山道なのだが・・・もうちょっとなんとかならないものか。
雷鳥沢キャンプ場から立山 (実際の撮影画像はこれ) |
最後に薬師見平から見た薬師岳である。
薬師見平から薬師岳 (実際の撮影写真はこれ) |
日時も指定すると太陽の位置関係で光の当たり具合も変えることができる。
これでもか、というくらい高機能なソフトなのだが、さすがに動作は重い。ソフト自体は軽快に動くのだがいかんせんデータと計算が重い。
凝った描写をしようとするとたっぷり数分はかかる。
これらの画像は、プレビュー画面でおおまかな設定を確認しながら、「撮影」をして描くのだが、いずれも撮影に5分ほどかかっている。
まあ面白いのだが、展望図は「計算でここまで描けるのか」という驚きはあるにしても、しょせん本物の景色には敵わない。なのでわりと早く飽きそうな気はする。
ただ、可視範囲の計算ができるのは面白い。この山からどこまで見えるか、という計算ができるのだが、どうも自宅から赤牛岳が見えるようなのである。本当だとしたら凄い。是非実際に撮影しなければ。よほど空気が澄んだ時でないと写らないだろうと思うので、次の冬に期待である。
パノラマ写真も「撮影」できるので、登山前に目的の山頂からのパノラマ画像を作製しておくと、頂上で山座同定が容易になって楽しそうである。
というわけで、けっこう楽しめそうなソフトである。
今後このサイトの登山記にカシミールで作製した3Dルート図が付く・・・かもしれない。
ま、その気になるかどうかだけど。