オンヨネ アドバンスレインスーツ
関連ページ:ブレステック・アドバンスの透湿性能比較実験成績についてはこちら
長男のレインウエアを買わねばならんということになった。なんせヤツは中学1年生、まるで朝顔の蔓のようにひょろひょろと背丈が伸びるのである。去年どころか3ヶ月も経てばウエアのサイズが変わってしまいそうな勢いである。
中学では硬式テニス部に入り、もうそうは山に付き合ってくれそうもないので(山小屋バイト二代繁盛記計画にも暗雲が・・・)高いレインウエアを買う気にはさらさらなれないし、でもサイズはもう普通の大人用のなのでそう安いものでもないし、さてどうしたものか。
普通に考えれば、モンベルだとスーパーハイドロブリーズレインウエアとかのメーカー品で一番安いものでも買うか、というのがまあ適当なところでしょう。まあそんなつもりで好日山荘に出かけて見つけたのがこのオンヨネのレインウエアだ。
オンヨネ。今まで気にも留めたことがないブランドである。どうも安物メーカーというイメージは拭えないな。
でもこのレインウエア、値札は1万1千円。けっこういっちょまえの値段じゃないか。タグに付いている能書きを見るとブレステック・アドバンスという防水透湿性素材を使っているらしい。
同価格帯だとモンベルのスーパーハイドロブリーズレインウエアもあったりするのだが、この素材は実験データ出してしまっているし、だったら未知の素材のウエアの方が楽しめそう、ということで買ったのがこのアドバンスレインスーツである。
オンヨネ アドバンスレインスーツ |
買って帰ってからじっくり見てみると(じっくり見もしないで買った!?)、なかなかどうしてしっかり造ってあるじゃないの。
当然のことだが、ちゃんと縫い目にはシームテープが施されているし、ちゃんと3レイヤーだし、ちゃんとリップストップだし。へぇ。
まあ、細かく見ると縫い目はちょっと雑な処理のところもあるし、裾の絞りがおおらかに腰の両側にドローコードが付けられていたりするあたりは、まあこんなものである。裾のドローコードが上の写真で判るように露出していると、ヤブなんかで引っかけてしまうからあまりよろしくない仕様なのである。
また、パンツの再度オープンのファスナー部分であるが、単なるシングルフラップになっている。雨が強いとここから浸水するだろうな。
ただ、よく見るとなかなか優れものの部分もあるのだ。
ちょっと写真では判りづらいが、ジャケットのフロントファスナーはちゃんとダブルフラップになっている。 ただ、このウエアはあまりにもきっちり折り返しすぎだぞ。ここはもう少しダルに造らないと、せっかく折り返していても雨水がこの上を通過して浸水してしまう。しかもご丁寧に数カ所で縫いつけられているし。 |
|
ここは感心した部分。 ファスナーの縫い代はシームテープ処理が困難で、モンベルでもこの部分にはシームテープ処理は施されていなかった。 |
|
ここもちょっと感心したところ。 ポケットのフラップは、上の写真のように面ファスナーで閉じることができるのだが、ポケットの中にも面ファスナーが取り付けられている。 ちなみにパタゴニアのジェットストリームジャケット等では、ポケットのファスナー周囲の生地にテンションが掛かっていて、ポケットを開けると生地のテンションによって開いた状態をキープするようになっている。 みんないろいろ考えるもんだね。 |
というわけで、安いレインウエアの割には「おお、考えてるじゃん」と思わせる仕様がいくつかあって、けっこう気に入った。
透湿性能の実験もいっちょ前の数字を出したし、あとは実際に雨の中行動してみてどうか、であるが、もしかしたらなかなかお買い得なウエアかもしれない。
オンヨネ、侮り難し?