スノーシュー

 実は1年も前にスノーシューを買っていたのだ。
 なぜ今までここに書かなかったかというと、去年は結局一度も使えなかったから。
 忙しくて山に行くヒマがなかったし、記録的な暖冬で平野部に雪がぜんぜん積もらなかったのだ。一昨年ほどの大雪の年だったら、山に行かなくても家の裏の田んぼでいくらでも遊べたのに・・・

 今年もあまり雪は多くなく、家の周囲の平野部には数えるほどしか積雪はなかったし、積雪があってもスノーシューで遊べるほどのまとまった雪ではなかった。まあこういう年は通勤には楽で良いのだが、遊べないのはつまらない。週末だけ降ればいいのに。

 

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アトラス グレイシャー30

 

 買ったのはいろいろ悩んだのだが、結局アトラスグレイシャーにした。MSRとかタブスとかも良いなとは思ったのだが・・・
 アトラスの特徴はビンディングがゴムである程度動きが制限されるということである。他のメーカーのはまったくフリーなものが多く、足を上げるとスノーシューがぶら〜んと地面に立ってしまい、それで転倒することもあるのだとか。
 それがどの程度使用に影響するのか、なんせ使ったことがないので判らなかったのだが、とりあえず1足目はアトラスを買うかと。

 で、アトラスのモデルの中では、本当はバックカントリーというモデルが欲しかったのだが、ちと予算オーバーだった。
 予算的に手頃なのはカスケードグレイシャーだったのだが、ビンディングがラチェット式のグレイシャーの方が扱いやすそうだったのでこちらにした、という次第である。
 このグレイシャーだけでなく、多くのモデルは23と25と30という3つのバリエーションがある。要するに耐荷重で3種類の大きさがあるわけである。
 25だと最大荷重が90kgなので、私の体重だとフル装備して荷物を担げば超えてしまう、というわけで、この30にしたのであった。これだと113kgまでなので、テント泊とかをしない限りは余裕でOKである。

 で、実際の使用は今年になってからのハゲ山が最初だったわけだが・・・

 いきなり身も蓋もないことを言えば、ハゲ山のような急傾斜の樹林帯のような山では、スノーシューよりもワカンの方が圧倒的に有利だわ。
 ワカンより浮力が圧倒的に上、ということはすなわち「デッキが大きい」からなのであって、それは平坦な場所だと不利にはならないのだが、傾斜が急なところではけっこう邪魔である。加えて樹林帯中だと雪面から木の枝やヤブが出ていたりするので、それらが引っかかってよけい邪魔である。

 それからスノーシューは下りが苦手である。
 足の後ろに長いデッキを引きずっていて、しかもデッキは登りにはフリーになるのでスノーシューは雪面にフラットに置きながら、靴は水平にキックステップを蹴り込む、ということもできるのだが、下り方向にはデッキがフリーにならないため、まるでショートスキーを履いているように滑る。ビンディングにはクランポンも付いているのだが、軟雪には無力だし。
 そんなわけで下りはちょっと傾斜が強くなると前を向いて降りることができない。横向きや後ろ向きになって降りねばならぬ。

 とはいうものの、稜線に出てしまえばけっこう快適である。やはり浮力がモノを言う場面では圧倒的。

 ひとつ失敗したのは、やはり30ではなく25を買うべきだったな、ということである。
 結局、下りで歩きにくいのもデッキが大きすぎるからで、これが25のデッキだともっとマシだと思われるし、本当の新雪だと30だろうが25だろうが潜ることには変わりないことも判った。
 多少沈んだってワカンはもっと沈むのだし、それで学生時代は腰や胸まであるラッセルをやっていたのだから、25で支障はないはずである。

 そうそう、積もりたての新雪だとスノーシューを履いても腰までとか潜ったのだが、そんな時はデッキが大きいだけに足を上げる動作が辛い。大きなデッキに崩れた雪が乗っていて、それも一緒に持ち上げなくてはならないからである。
 なのでやはり、多少沈み込みが酷くなってもデッキは小さい方が有利だと思う。

 なので次の機会があれば、25を買うぞ。

 

 

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