スノーシュー

 

 もうグレイシャー30、5年も使い続けていたのだ。まれに北八ツに行ったくらいでほとんど裏山程度の山や平野で使っていたのだが、なかなか良いスノーシューだった。
 なんといってもこのスノーシュー、ビンディングが良い。ラチェットなのでカチャカチャとレバーを何回か引くだけで装着できてしまう。リリースも一瞬でできる。ブーツも長靴だろうが登山靴だろうがなんだってok。
 けっこう重宝してて、特に写真を撮り始めてからは雪原に入っていって写真を撮るときに大活躍していた。

 しかし。

 平坦なところは無敵でも、下りには信じられないほど弱い!弱い!弱い!
 そもそも本格的な登山用ではないので、クランポンがビンディングにしか着いてないのである。フレームは単なる丸パイプ。なので下りはスキーかと思うくらい滑る。加えて30インチという大型故、テール部分がやたら長い。装着するとブーツの踵からさらに30cmはデッキが伸びている。
 なので下りでは踵を雪面に蹴り込むことができず、雪面にフラットに置かざるを得ない。すると滑る滑る
 つまり、ちょっと急な傾斜になると横向いて降りるか後ろ向きに降りるかしかないんである。疲れるよ〜。

 それと浮力が高いのは良いのだが、たまにそれでも深雪にハマる時があって、そんなときは脱出が大変である。
 写真を撮りに平原の真ん中までグレイシャーを履いて入っていった時、吹きだまりで腰までハマッてしまったことがあった。脱出しようにも巨大なデッキの上に落ちてきた雪があるので、もう足は抜けない。右足だけが深くハマッて左足はまだ膝くらいで残っているので力が入らず、よけい脱出が困難だった。
 もう日が落ちかけていたし、他の車なんてまったく通らないところだったし、あれはちょっと焦った。
 結局丁寧に右足を発掘するしかなかったのだが、リリースが楽、という美点はここでは極めて有効だったよ。ビンディングまで掘り進んだら簡単に外すことができたので、後は体勢を整えて掘ればすんなりスノーシューを回収できたから。

 なんにしても、浮力が高ければ良いというものでもないんだな、と思い知ったわけである。

 で、次は短いのを買おうと思っていたのだが、山で会う人達はMSR率がやたら高いんだな。それも見てるとやっぱり良さそうである。
 私が横向いてへっぴり腰でヨタヨタ降りている横を、スタスタッと駆け下りて行かれると・・・次はMSR、と思い続けて数年。

 やっぱ高いもんね。2年ほど前に値下げしたけど、それでも数あるスノーシューの中でもぶっちぎりの高さである。
 躊躇していたのだけど、結局買っちゃった。まあ5年もかかったのだから私にしてはずいぶん時間がかかった方である。シェルの衝動買いが多すぎてスノーシューに資金がなかなか回ってこなかったのは反省点。カメラとかレンズも買ったし・・

 

MSR Lightning Ascent

MSR ライトニング・アッセント 22インチ (好日山荘オリジナルカラー)

 

 買ったのはライトニング・アッセントの22インチ、好日山荘のオリジナルカラーである。定番中の定番。
 フレームに張り巡らさせたギザギザがどれだけ有効なのか、今の俺なら見ただけで判るぞ。これならそこそこの傾斜でもフラットに足を置いてノープロブレムだよ。

 ビンディングは確実なのは判るが、ちょっと面倒っぽいな。グレイシャーが抜群に楽だったし。まあ何度も付けたり外したりするものでもないし。

 22インチにするか25インチにするか迷った。いくら小さいのといっても、22インチはアトラスだと女性用サイズである。
 でも、25インチはやはりテールが長くて下りは苦労しそうだし、MSRを買う人は圧倒的に22インチが多いという好日の店員さんの情報も納得できるし、このグリーンの好日オリジナルカラーは22インチにしかないし。色で決めるか?色で決めちゃった。

 というわけで、MSR、使うのが楽しみだ。雪、たくさん降るといいね。

 

 

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