パタゴニア
ジェットストリーム・ジャケット
ジェットストリームジャケットを買うぞと宣言していたのだが、宣言どおり買ってしまった。
買ったのはパタゴニアのオンラインショップである。ちなみにこのLinkShareのアフィリエイトプログラムでは、自分で買ってもちゃんとコミッションが発生するのが嬉しい。
アフィリエイトのコミッション第1号を自分で取るか、と思われたのだが直前に既にオーダーが入っていた。どこのどなたかは存じませんが、どうもありがとうございます。
資金作りのため、ドロワットパーカをヤフオクで売ってしまった。ま、アウターは他にまだダイナアクションパーカも持っているので、3着も要らないしね。
でも、性格から考えるとダイナアクションは、今回買うジェットストリームに近いモデルなので、シンサレートの保温材入りで丈夫な造りのドロワットパーカはもったいなかったのだが。それでもダイナアクションパーカは一番気に入っているアウターなので、売るわけにはいかないのだ。
さて、パタゴニアのオンラインショップは今回初めて利用したわけだが、いろいろ面白かった。
まず驚いたのは、オーダーするときに自由に何か一言書いてくれという通信欄があるのだが、私はそこに「もう少し安けりゃな〜」みたいなことを書いたのである。
そしたら。返事が来たのである。オーダー確認のメールが来たのだがその中に返事が書かれていた。
返事そのものはありふれたものだったのだが、普通プログラムで自動返信するだけのオーダー確認メールに、フリー通信欄の返事が書かれていたということに驚いたわけである。やるじゃねーか、パタゴニア。
そしてモノが届いたわけだが、その包装もちょっと新鮮だった。やたら簡易なのである。いまどきヤフオクでももっとそれらしく梱包してくるぞ、というくらい簡易な包装である。ちゃんとビニール袋で二重になってはいるのだが、それだけである。
「環境問題を重視している」と言うだけのことはあるのぅ。これに比べるとモンベルは過剰包装だぞ。
さて、ジェットストリーム・ジャケットである。
パタゴニア ジェットストリーム・ジャケット |
ポリエステル繊維のソフトシェルとは違い、ナイロン生地だとさすがにあの独特の素材感というものはない。ふつーのかっぱ、である。
フロントファスナーはやはり左(向かって右)にオフセットしている。ただ、そのカーブはディメンションジャケットよりは緩い。
例の「縫い目がない」CSSはこのモデルにも採用されているが、ソフトシェルのディメンションジャケットとは方式が異なる。
ディメンションジャケットは継ぎ目で2枚の布を重ねて接着しているだけなのだが、ハードシェルであるジェットストリームジャケットは裏地側からシームテープを当てた上で接着している。
裏側はあちこちでけっこう「糸」を使っているのだが、表側は見事なくらい「縫い目」がない。ファスナーの取り付け部のような場所ですら、いったいどうやってと思うくらい見事にシームレスである。縫い目があるのは袖口のみである。
CSSの処理はディメンションジャケットよりこのジェットストリームジャケットの方が遙かに綺麗に見える。ディメンションジャケットでは接合部に少し接着剤が見えていたりするのだが、このジェットストリームでは皆無である。よく見るとむちゃくちゃ凝った造りだし、処理もさすがである。
ストレッチパネルは背面の肩から肘の辺りにかけて配置されている。最小限の配置、という感じである。けっこうよく伸びる生地なのだが、その配置が有効かどうかは実際にフィールドで着倒さないと判らないだろうな。
50デニールというけっこう厚手の生地を使ってはいるが、2.5レイヤーなのでどちらかというと「ぺらぺらに薄い生地」という印象である。
また、確かに軽い。
でも、これだけ軽いのに、脇にはかなり長いピットジッパーが付いているし、内ポケットも右胸にジッパー付きのものが1つと左胸にメッシュのものが1つ付いている。フル仕様である。
気になる点といえば、やはり止水ジッパーは操作が重いんだな。ダイナアクションパーカのそれほどではないが、片手で上げ下げは難しいくらいの重さである。片手で軽々と開閉ができる軽〜い止水ジッパー、どこかにないもんだろうか。
それとピットジッパーであるが、脇の下からほとんど腰までの長いものなのだが、どちらかというと腕側にもう少し長い方が良いのではないか?胴回りの蒸れ解消は、内側がメッシュになったポケットでもできるのだが、一番蒸れるのは実は腕周りなのである。肘くらいまであると使ってみようかという気になるんだけどな。
サイズ設定だが、下のレイヤリングを意識した設定になっていて少しゆったり目である。
「おおっ」と思ったのは、ディメンションジャケットと同じLサイズを買ったのだが、ディメンションジャケットの上からジェットストリームジャケット、ちゃんと着れるのである。しかも「シェル2枚重ね」という窮屈感は意外なほどない。
カタログを読む限りでは、価格帯も近いレイン・シャドー・ジャケット(M's 84470 , W's
84480)は、これよりさらにゆったり目のフィットらしい。
このあたりのサイズ設定は、「通常のシェルはソフトシェルで、非常時にハードシェル」というパタゴニアのコンセプトどおりである。ハードシェルはほとんどソフトシェルのオプションパーツみたいな感じである。
美点はやはりディメンションジャケットでも感じたことだが、フードのフィット感の高さだろうか。まあ感じ方には個人差もあるかもしれないが、ほんとに振り向けるくらいフィット感が高い。調節ポイントはモンベルとほぼ同じ位置なのだが、フィット感はモンベルより僅かに良い感じである。
ただ、これもディメンションジャケットのところで書いたが、調節それ自体はモンベルの方が若干やりやすい。
このフードの調節方法を比較してみる。
ジェットストリームジャケットのフード 内側から。 前後の調節ポイントが、パタゴニアは内側に付いている。写真のフード中央の縦向きのベルクロがそれ。 顔周りの調節はコードを引いて行うが、コードはウエアの内側に出る仕組み。 |
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ダイナアクションパーカのフード(外側) 首周りの調節コードのストッパーは皮のプレート(写真中央)。 前後の調節ポイントはモンベルではフードの外側にある。コードロック上のベルクロがそれ。 |
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ダイナアクションパーカのフード 顔周りの調節は、プラスチックのコードロックはウエアの内側にある。 |
ちなみに顔周りの調節方法は少し以前のモンベルの方式で、最近は素直にウエアの外に終端を出している。ノースフェイスなども同じである。
さて、顔周りの調節方法について、どの方式が一番やりやすいのかと言えば、最近のモンベルまたはノースフェイスのような、コード終端をウエアの外側に出すのが一番だろう。その場合、コードロックもウエアの外側に出る。
モンベルが少し以前まで、このダイナアクションパーカのようにコードロックをわざわざ内側に設け、コード終端も開放ではなく留めておく方式を採っていたのは、コードロックの凍結防止とコード終端が風に煽られてばたつくのを防止するためだった。
モンベルがそれをやめて素直に外側に出す方式にしたのは、こうすると構造が複雑になるので軽量化のためと、それと防水性の向上のためだろうか。確かにここに大きな穴が空いているわけだし。
ただ、コード終端に関しては、やはり開放はあまり好みではない。風でばたつくから。風でばたついて暴れたコード終端に顔を叩かれたら、寒いときなどけっこう痛くて情けない。
でも、こうして留めておくとループ状になってしまい、これはこれでいいのだが時としてフロントファスナーの開閉の邪魔になり、もっと始末の悪いときはヤブなどに引っかかる。
そういう目で見ると、パタゴニアの内側に持ってくるというのはある意味見事である。風でばたつくこともないし、ヤブなどに引っかかることもない。
が、その代償として、調節そのものは少し操作性が悪い。
顔周りは、風上に向かって歩いているときと風下に向かうとき、横風を受けているとき、また温度などによってもけっこうマメに調節したいところである。その調節にこの方式だと、いちいち前を開けなければならない。
また、そのコードロックもパタゴニアはネオプレンのパーツ
なのである。ここはディメンションジャケットも同様である。モンベルは普通にプラスチックのコードロックである。
これは圧倒的にプラスチックパーツの方が操作性は良い。特にリリース(緩める方)は、パタゴニアはごつい手袋をしていては難しいのではないか。アメリカ人がそんなに手先が器用とも思えないが?
おそらく前を締め切ったときに顔面、ちょうど頬の辺りに来るパーツなので、顔への当たりを避けたのかな。でもダイナアクションパーカではそんなに気にならないのであるが。
前後の調節はベルクロテープで留めるというシンプルな方式なのは同じであるが、モンベルでは素直に外側にあるのだがパタゴニアは内側に付いている。外に余計なパーツを出したくなかったのだろうが、そのおかげでウエアを着たままの調節がかなり難しくなっている。
ま、これはそんなに頻繁に調節するポイントではないので、これはこれで良いのかもしれないが。
総じて調節そのものはモンベルの方が操作性が良い。特にこの1世代前のモデルより現在のモンベルのモデルは操作性ではベストだろう。昔からノースフェイスなどがやっていた、一番素直な方式なのだが、モンベルは試行錯誤の結果、その素直な方式に落ち着いたという感じである。ま、今期のネージュクルーザージャケットで、また新しい方式を試していたようだが。
操作性はモンベルの方が良いのだが、きちんと調節したときのフィット感や視界は、これはパタゴニアの方が良い、と感じた。
フードの上側は、顔周りを絞るドローコードの外側に、けっこうな幅の「庇」があるのだが、このおかげでかなり絞り込んでも顔ごと絞り込まれる感じがせず、視界も良好なんである。
実はディメンションジャケットもそうなのだがこのフードはかなりお気に入りである。
あ、それとパタゴニアに限らずアメリカ製品はみなそうなのだが、フロントファスナーが「右落とし」である。
これ、日本国内物もなんでみんなこうしないのか不思議なほど具合が良い。ジッパーを下ろすときに、一番下まで下りたときに持ち替えなくてもそのまま開放できるのは良い感じである。
モンベルもアメリカで売っている製品はわざわざ右落としにしているのである。なぜ日本国内は違うのだろう?
パタゴニア ジェットストリームジャケット Style No. 83115(M's) 83125(W's)