パタゴニア アルパインガイドジャケット
M's & W's Alpine Guide Jacket |
出たときから気になっていたアルパインガイドジャケットだが、買う予定はなかった。
ソフトシェルは去年、大枚はたいてナイフブレードを買ったばかりだし、似たようなソフトシェルばかり何着も買っても仕方ないし、他に買いたいモノもたくさんあるしね。
しかし思いがけず、こいつを入手してしまった経緯とは・・・
ことの始まりは、6年前に購入したディメンションジャケットである。去年、ナイフブレードと一緒に土砂降りの雨の中で耐水性テストをして意外なほどの耐水性の高さに改めて良いウエアだぁ、と愛着を増していたのだが、最近になってついに生地の接合部が剥離してきた。
このディメンションジャケットは生地の接合部に糸で縫うのではなく、超音波で生地同士を接合するという製法を使っていて、当時はその技術をCSSと言っていた。そのうちウェルデッド・シームとか言うようになり、さらには単に「超音波で接合された生地」というように特に名称を用いなくなってしまったが。
その縫い目なしウエアも、最初はけっこう多モデルに展開していたのだが、だんだん採用モデルも減り、最近ではほとんど採用モデルがなくなってしまった。
ナイフブレードも実は超音波接合を使っているのだが、その上からさらに糸で補強している。ちなみにこのアルパインガイドも同様である。
糸で補強すると、縫い目ができてしまうので超音波接合のメリット(耐水性の向上、コンパクトにたためる)が大半なくなってしまうんだけどな〜、それでも敢えて糸で補強するということは、やっぱり強度的な問題があるんだろうか、などと思っていたわけだが、剥がれてきたんである。そうか、これか〜。
最初はアロンアルファか何かで接着してみようかとも思ったのだが、下手な接着剤を使って生地が融けたら嫌だし、強度だって保てるかどうか判らないし、やっぱきちんと補修してもらおうとパタゴニアのカスタマーサービスに送ったわけだが・・・
なんと。CSSあるいはウェルデッド・シームの剥離については、補修が不可能なんだとか。補修する技術がない、というわけだ。
へぇ?するってぇとCSSウエアは接合部が剥離してきたときがウエアの寿命というわけですか?
まあそれは仕方ないかもしれないけど、6年というのはこの手のウエアの寿命としてはちょっと短くないか〜?と絶句していたら、カスタマーサービスのお兄さんが、「それでは補償の対象となりますので、返金か同等品と交換させていただきます」と。ほんとかよ。
・・・というわけで、思いがけずアルパインガイドジャケットを入手してしまった。
つまり丁寧に使うと、1回買えばずーっと交換しながら使い続けられるということ?
アルパイン・ガイド・ジャケット |
ナイフブレードのフードなしフルジップバージョンにかなり近い、これが欲しかったんだぁ〜という感じのジャケットである。
厳密に言うと、素材はナイフブレードとは少し違うようである。ナイフブレードがポリエステルとスパンデックスの混紡生地なのに対し、このアルパインガイドはポリエステル、ナイロンとスパンデックスの混紡生地である。素材の名称もポーラテック・パワーシールドだし(ナイフブレードはパワーシールド・プロ)。
触った感じもちょっと違う。どちらが良いとか悪いとかいうわけではないけれど、アルパインガイドの方が少しだけパリパリ感がある。
裏地は僅かに起毛させた生地になっていて、半袖のTシャツの上から着ても肌触りも良く汗も吸ってくれるので、裏地がトリコットのナイフブレードより汎用性が高い設定である。無雪期でも使いやすそう。
これが届いてからさっそくチャリ通で使っているのだけど、ひとつ気がついたのはこのジャケット、むちゃくちゃ防風性が高い。何気にハードシェル並の防風性である。
裾を絞る仕掛けは、ナイフブレードのようなタッチポイントではなく、普通のプラスチック製のコードロックによるシンプルな仕組みである。
ただ、タッチポイントは「ジャケットを開けずにフードや裾の調節ができる」という点では操作性が非常に良く優れた仕掛けだとは思ったのだが、裾を絞った際にコードがウエアの外にストレートに出るのは嫌だった。日本の山じゃ冬山でもヤブが多かったりするので、裾からゴム輪が出ていると引っかけやすいんだよ。
それがこのアルパインガイドでは、コード終端がジャケット内で上方向に出るようになっているので、見事にコードがウエアから出ないようになっている。
コードロックの取り付け方だけの問題に見えるが(確かにタッチポイントでは機構上、難しいかも)、単純だけどここは良い、と思う。ジャケットを閉じたまま裾を絞るという操作性にはほとんど悪影響を及ぼしてないのがまた良いなと。
これのフルジップフーディー版、まあそのうち出るんだろうな。その時は落としでも良いので内ポケットを付けて欲しいな。