モンベル ムーンライト2型
去年の北海道ツーリングの話を「北海道えかったぞぉ〜」なんて喋っていたら、カミさんが「来年は自分も北海道に行きたい」と言い出したのだ。
まあ連れて行くのはやぶさがはないが、となるとテントは今のクロノスドーム2ではちと狭いな。
で、最初は昔子供たちを立山に連れて行くのに使っていたステラリッジ4を使おう、と思っていたのだ。
ただそのまま使うにはかなりの不具合が。
まず、経年劣化でフライシートの防水コーティングがボロボロになっていた。
これは2〜3年前にコーティングをすべて除去して強力な工業用の撥水剤で撥水処理を施していた。まあ短時間の雨なら十分耐えるだろうけど、一晩強い雨が降り続けたらどうかな…という感じに。
もあひとつ、シームテープもパリパリのボロボロになっていたので、これもその時全部バリバリと取ってしまっていた。
これに関しては、特に4型はフロアが2枚継ぎになっているのでフロア中央に縫い目すなわちシームテープがあり、ここを除去しているとなると、雨天時には間違いなく容易にフロアから浸水する、ということできちんと直さねば使えないぞ、と。
で、モンベルに補修に持ち込んだのだが、何ともう生地そのものが劣化しているので補修は不可能 だと言われた。
えーっ、そりゃまあ20年以上前のモデルだしなぁ、仕方ないと言えば仕方ないけど、でも寂しいな〜
てことで、「こちらで処分しましょうか?」というモンベルの申し出を断って持って帰ってきた。デイキャンプくらいには使えるだろうし。
それはともかく、テントをなんとかしなければならぬ。
もう買っちゃうか?
てことで、普段は厳しいカミさんも、自分のことになると途端に甘くなるもので、あっさり新規購入ということに(笑)
さて購入したのは新型のムーンライト2型である。
このテント、モンベル創業間もなくの頃から売られ始め、実に40年ほどもたいしたモデルチェンジをせずに売られてきた超ロングセラーモデルだったのだが、昨年ついにフルモデルチェンジされた。
モデルチェンジされたのは良いが、その直後にどうも生地が色移りするという不具合?が見つかったらしく、すぐにカタログには掲載されているものの、ネットショップでは入手不可能になった。で、店頭在庫分はアウトレット扱いで定価より少し安く売られている。
や、カビさえ生えなきゃ色移りなんてまったく問題と感じないので、いそいそと買ってきたわけである。欲しかったんだムーンライト♪
モンベル ムーンライト2型 パッケージ |
新ムーンライト2は、サイズ的には旧型のムーンライト3に相当する。
モデルチェンジで何が変わったかって、最大の改良点は大幅な軽量化に尽きる。
なんせ旧3型の3.6kgから新2型は2.21kgと、なんと1.4kg、40%近い軽量化を果たしている。
パッケージもずいぶん小さくなった。クロノス2型とたいして変わらん。
モンベル ムーンライト2型 インナーテントを設営してみた |
とりあえず設営してみた。
大幅な軽量化は、要するに40年間基本的には変わらなかった古い分厚い生地を現代の極薄生地にしたことによるわけだが、記事を軽量化したおかげで居住性に関しては大幅に改善する余地があるわけだ。
ポールの立ち姿は旧3型とほとんど変わらないが、テントをポールに吊り下げるフックポイントが増えている。
旧3型は天頂部は前後のポールの交差点の2ヵ所、テント側面は1ヵ所しかフックポイントがなかったのが、新2型では天頂部で3ヵ所、側面も3ヵ所と大幅にフックポイントが増えた。
そのため、これまでダラリとだらしなく吊り下がっていたため居住空間はずいぶん削られていたのが、ポールの形に近い居住空間を得られるようになっている。また耐風性も向上しているはず。
出入口もカーブしたファスナーが付いて現代的。
モンベル ムーンライト2型 フライシートも設営 |
フライシートまで掛けてしまえば、旧3型と姿そのものはほとんど変わらないね。
もちろんフライシートの生地も現代的に極薄になっているので、間近で見れば一目瞭然なのだけど。
このテントサイドのフライシートとインナーのクリアランスを、インナーから取った張り綱で確保する、という部分も旧型と同じ。
これ、ナイスアイデアだよね。
モンベル ムーンライト2型 正面から |
正面から見ると、ずいぶん現代のテントっぽく見えるなぁ。
モンベル ムーンライト2型 室内 |
室内空間は、さすがに旧3型と比べるとはっきり広い。
このムーンライトシリーズの最大の美点は、何といっても風通しの良さだ。
前後にストレートに開口部がある、というのがどれだけ風通しを良くするか。
ドーム型テントではそこが難しいんだよね。前後に出入り口を確保できるほどの大型テントならともかく、少人数用の小型テントで前後に開口部を設定するのは容易ではない。
それにその開口部はどちらも地面に近い位置にないと効果が半減なんだよね。クロノスドームもドーム型テントにしては風通しが良いテントだけど、やはり通風口が高い位置にあるので、スカスカに風が通る、というわけではない。
それがムーンライトだと、1型から足元にも通風口があるので、ストレートに風が通る。
しかも1型だと狭い入り口から広い出口に向かって風が通るので、ベンチュリー効果が出てるのでは?というほどはっきり風を感じる。
真夏の雷鳥沢キャンプ場で、ステラリッジの中は灼熱地獄でテント外も太陽に直接炙られているのでは、というほど暑い日に、我々は居場所(つまり日陰)を求めてキャンプ場を右往左往していたというのに、ムーンライトを張ったパーティーがテント内で昼寝をしていたのを見た時は信じられなかったものな。しかも腹にシュラフまで掛けて。
てわけで、欲しかったムーンライト、早く使いたい〜♪
ちなみにそれでも旧型にあって新型にないものがある。
それはあの独特のテント内で過ごすのが楽しくなるムード、かな。あの緩さが良かった、という面はあるんだよね確かに。
あの分厚い生地も、意味なく安心感があったし。
というわけで、やはり旧型が欲しい!という人もけっこういるのでは?と思うのだが、何とモンベルはまだ旧型のパーツをバラで売っていて、集めれば1張分、買えてしまうのだ。
もちろん40年売られて膨大なユーザーを抱えるモデルなので、補修用、あるいは交換用のパーツを供給してくれるというのはさすがモンベル、ありがたい。
でも、パーツをバラ買いすれば1張揃ってしまう(しかも価格はほぼ変わらず)というのは、まあ何というかモンベルらしいといえばモンベルらしい(笑)