沢登り用シューズ その2
キャラバンの奥利根アクアであるが、2シーズン履いてかなり厳しくなってきた。この2シーズン、黒部源流地域に入るときは全てこの靴1足で済ませているし、薬師見平行きもこの靴で行っているのだから、けっこう酷使はしてきたと思う。
ソールは、特に爪先の方はかなり減ってきていて苦しいし、それよりアッパーが解れてきているのでソール交換と補修が必要なのだ。
ところがソール交換に1万円ほどかかるというではないか。補修もするとどれだけかかるやら。
ましてキャラバンは今年、渓流シリーズを総入れ替えにしてフェルトソール、アクアステルスソールそれぞれ2モデルをラインアップしている。そのうち安い方は\12,600円である。だったらソール張り替えなどせずに買い換えた方が良いのでは。
まあ、キャラバンの渓流シューズがかなり使い勝手が良いというのは判ってはいたのだが、アッパーの解れなど造りはちょっと柔いか、とも思うし、何より2足続けて同じような靴を買うのもなんだかなぁ・・・と思っているところに、出たのである。モンベルのラバーソール沢靴が。
モンベルの沢靴は従来、サワークルーザーとサワートレッカーの2モデル構成だった。もうネーミングセンスについては諦めているのだが。
今年はサワークルーザーはそのままで、サワートレッカーがモデルチェンジしてサワークライマーが追加、という形になった。
サワークライマーは、サワートレッカーのローカット&ラバーソール版という感じである。
で、例によって26.0cmを中心に3サイズ取り寄せ、足に合うのを購入、となったわけである。
結果的には普段履いている靴は26cmなのだが、サワークライマーも26.0cmを購入した。25.5cmだと右足はジャストなのだが左足は指の先端が当たる。
モンベル サワークライマー |
このソールが・・・ |
しかし・・・履きにくいぞ!この靴!!!
アッパーはネオプレンの袋のような構造になっているのだが、足首のこの小さなホールから足をねじ込むのがなんとも履きづらい。
パーティーで沢登りをする場合、モンベルユーザーは人より早く行動準備しないと、置いて行かれそうである。
履いてしまえば、非常にフィット感も高いし歩きやすい。ちゃんとミッドソールに緩衝材も使っているようで、キャラバンの沢靴のような違和感もない。
ネオプレンによるやたら高い保温性さえ気にしなければ、水陸両用シューズとして十分通用しそうである。
ちなみに脱ぐのはさほど辛くない。
ソールはアクアステルスに比べると、あの独特のネバネバ感は薄い。ごく普通のソールという感じで、これで沢でどうなのかは未知数である。こればかりは実際に沢で履いてみないとなんとも言えないよな。
それにしてもこの履きづらさはなんとかならんか。
そりゃ沢靴なんて、1日に1回履くだけ、なのではあるが・・・
せめてフロントのネオプレンに短いジッパーを付けるだけでずいぶん違うと思うのだが。
07.06.22更新
実はこの靴、5月の連休に比良の小さな沢で試し履きを済ませていた。
そのことをなぜ今まで書いてなかったかというと・・・・あまりにも酷かったからよ。
水の中に足を踏み入れて最初の1歩で判るグリップの低さ。低さ、というよりまったくグリップしない。
久しぶりに濡れた岩で靴が何の抵抗もなくズルリと滑る感触を味わった。
というわけでものの5分で試し履きを諦めて帰ってしまったのであった。
試し履きついでに比良の奥の深谷にでも行こうかと思っていたのだが、行かなくてほんっとうに良かった・・・
とにかくソールの印象は、沢用に開発されたというモノは微塵も感じさせず、まるっきり普通のビブラムソールであった。
この靴、誰がどう開発して誰がテストしてOKを出したか、是非知りたいものである。
これを今まで書かなかったのは、試し履きの直後だと怒りが大きすぎて激しい文章になってしまうかもしれないので、ちょっと冷却期間をおこうかと思ったのもある。でも今書いてもこんな文章なんだが。とにかくこの靴は誉めたり庇ったりできるところがひとつもない珍しい製品である。
もうひとつは、タイヤと同じでもう少し履いてソールのゴムを1枚剥くとちょっとはマシになるかな?と思ったので再度試し履きをする機会を待っていたのだが・・・
今日、購入した好日山荘から連絡があり、この靴、モンベルが自主回収することになったんだと。(回収のお知らせのページはこちら)
電話を受けて思わず大笑いしてしまったのであった。やっぱりかぁ。
でも、今年の沢用の靴を買い直さなければならないかと覚悟していたので、回収してくれるのはありがたい。これでキャラバンの柳又アクアでも買うか。
まあ最初からこちらにしておくのが「堅実な道具選び」というものなのだが、ネタになったから後悔はしていない。
でもラバーソールの沢靴をキャラバンよりモンベルに作って欲しいと思っているのは変わらないのである。
これに懲りず、再開発して欲しいのである。また買うからさ。