2020年秋 北海道ツーリング

Part V

日付

走行場所

主な走行路

走行距離

9/17

富山〜新潟(フェリー乗船)

R8〜R352〜R402

250.5km

9/18

小樽〜苫前(テント)

R231〜R239〜道道1049

272.3km

9/19

苫前〜稚内〜宗谷岬〜猿払(テント)

R232〜道道106〜R238

274.5km

9/20

猿払〜網走(テント)

R238〜エサヌカ線〜R239

321.7km

9/21

網走〜知床峠〜中標津〜釧路〜音別(テント)

R244〜R334〜R335〜R272〜道道8〜R243〜R272〜R38

387.0km

9/22

音別〜襟裳岬〜厚真町(テント)

R38〜R336〜道道34〜R336〜R235

379.4km

9/23

厚真町〜支笏湖〜小樽(ホテル)

R276〜R453〜R5

149.4km

9/24

小樽〜神威崎〜小樽(フェリー乗船)

R229〜道道913〜R5

162.8km

9/25

新潟〜富山

R402〜R352〜R8

260.7km

合       計

 

2458.3km

 

<9月21日>

 

 この日は5時起きの5時半出発。できるだけ距離を稼ぎたい、ということで。
 昨夜テントの中で地図を検索しながらいろいろ検討したのだが、網走からだと知床峠は越えるとして根室半島まで行ってしまうと、どうしたって21日は根室近辺まででしょ。ヘタすりゃ半島のかなり先で幕営ということになりかねない。そこから2日で小樽というのは、まあ行けないことはないがちょっとしんどそうだ。天候が悪化でもしたらかなりの苦行になるなぁ。
 これは涙を呑んで納沙布岬をパスして釧路にショートカットすべきか?
 ん、分岐点は標津町。ここに午前中に到着できれば勢いで根室半島、行っちゃおう。そして何としても根室の街付近までは行く、と。
 後は苦行でもなんでもやってやるよ(笑)
 で、もし標津町到着が正午を回れば、そこから中標津を経由して釧路に出よう。

 てわけで今朝は少し早立ちなのである。目が覚めて30分後には走り出していたので、久々に本気の撤収をした(笑)

 

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道の駅 メルヘンの丘めまんべつ

 

 キャンプ場を出てすぐのところにある道の駅メルヘンの丘めまんべつ。
 前日、網走監獄に行った時に通っているので、ここに道の駅があるのは知っていた。とりあえずキャンプ場はトイレが閉鎖されていたので、朝のお勤めをするために真っ先に立ち寄ったわけである。

 それにしても何この車の数は。まだ6時前だぞ?
 ほぼ車中泊の車なんだよね。大きなドッグランもあるし、広大な芝生の広場もあるのに、なんでキャンプ場を併設しないんだろう。

 

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メルヘンの丘 うーん…

 

 これが道の駅のすぐ横にある「メルヘンの丘」なんだけどね。
 …うーん、このくらいの景色なら、本州にだってけっこうあるぞ。

 

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呼人浦キャンプ場 あ〜、こっちに泊まれば良かった〜

 

 これが呼人浦キャンプ場のほんの一部。
 網走監獄の入り口近くにあるので前日にも通っているのだが、思わず「こっちにすれば良かった〜!」って叫んだ。
 他のキャンプ場で会ったライダーによると、水はけが悪いので雨後はお薦めしないとのことだったが、ロケーションはこちらの方が遥かに良いな。
 風呂が遠いのだけがネックか…

 ま、また来るからいいや(笑)

 

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R244にて 遠くに見えるのは斜里岳?

 

 それにしても天候がもうひとつかなぁ。
 遥か遠くに見えるのは斜里岳か?
 30数年前に来たときは濃霧と雨の中の知床峠だったけど、今回もそうなるのかなぁ。

 

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浜小清水駅 展望台から

 

 こんな最果て感溢れる荒涼とした海岸にキャンプ場があるんだよね。
 泊まってみたい気もするけど、モロに風を受けるんじゃないかなぁ…。

 まあ、昨日網走監獄をあきらめていれば、ここまで来ることは可能だったろうし、そうであれば今日は根室半島を回って根室まで、というのも十分可能だったろうな。今さら言っても仕方ないし、網走監獄をあきらめる選択肢はなかったんだが。
 網走監獄を見てからここまで来る、ということは可能だったかもしれないけど、到着が暗くなってたかもね。
 まあ、今さらあれこれ考えても仕方なし。次来たときに考えよ。

 

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天に続く道 展望台から下を臨む

同じく上を臨む

 

 さて、先を急ぐとは言っても寄り道はするのだ。しなかったら何しに来たか分からん(笑)

 斜里町に「天に続く道」という道がある。そこに来てみたのだが…

 個人的にはちょっとがっかりだったな。

 まず、この道は28kmも続くド直線道路、と聞いていたのだが、それは農道、R244、R334、再び農道と繋がる道の総計で、農道と国道の接続点には真っ直ぐ走れないよう軽いクランク状の屈曲があるので、完全なド直線ではない。それに国道部分は普通の街中なので直線感に乏しいし。
 天に続く、というのは最後の農道部分がアップダウンしながら昇っていくためで、この部分は2kmちょいに過ぎないし。それに周囲が牧草地&林なので、天に続く、というのはちょっと言いすぎでしょ、とか思ったわ(笑)

 気を取り直して先へ進む。
 本格的に知床半島に入るとほぼ同時に上空が晴れ上がってきた。
 ウトロの街も素通りして横断道路へ。このあたりはまたいつかゆっくり来よう。
 快適なワインディングを走って知床峠へ。

 

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知床峠 晴れてるやんか〜♪

 

 まあ快適だけど、こういうワインディングなら本州にはたくさんあるからね。
 道端で平気で草食ってるエゾシカは新鮮だけど。まあ本州でもカモシカやサルは人を怖がらないけどね。

 

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羅臼岳 そうかこんな景色だったんだ(笑)

 

 30数年前は濃霧の中だったので分からなかったが、そうかこういう景色だったのか(笑)
 ここまで登ってきて、知床峠からはオホーツク海が見えないことに気づき、そういやさっきのパーキングエリアからオホーツク海が見えたけど、あれが最後のオホーツク海展望ポイントだったのか、と思い当たり、この2日ほど横に見ながら走ってきたオホーツク海と別れを告げに少し戻ったりもしていた。そこで会ったBMWライダーのおっちゃんとまたけっこうな時間話し込んだりして。

 こりゃあやっぱり根室まで行くのは無理かな、と思いながら峠を羅臼側に下る。

 さて羅臼の町まで下りてきた。
 ウトロの街は思った以上に「観光地」しててちょっとがっかりしたのだが、こちらはまだそれほど垢抜けた感じはしない。

 でもさ。
 あまりに硫黄の匂いがぷんぷんするので、これは時間を食ってでも入らねば済まないだろう、と道の駅の案内所で「今から入れる温泉ありますか?」と聞いたら、「どこも午後1時からです」と割と冷たく言い放たれた。
 なに?青森じゃ朝7時から銭湯が開いてるぞ。
 後で調べたら、少し戻ったところに熊の湯という露天風呂があるじゃないか。無料なので紹介の範囲外だったのか?それにしてもなぁ…。

 また、道の駅のバイク駐輪場が道の反対側にあるのは良いとしても、そこがまったくラインが切られておらず混沌としているのも良いとしても、駐輪場から道の駅に行くためには国道を渡らなければならないのだが、信号どころか横断歩道すらないのはいかがなものか。
 知床峠から降りてきた車が通る道なので交通量もけっこう多いしカーブに駐輪場があるので、このままではいずれ事故が起きる気がする。

 なんか、バイクに冷たい町、という感じがして印象ダウンだなぁ。

 とはいえ、腹は減ったしこの街を出ればしばらく何もないだろうし、ここで食ってくか、と探していたら「純の番屋」というのを見つけた。
 ん?なにこれ?

 

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純の番屋

 

 行ってみたら「北の国から」の関連施設ということは分かった。純て吉岡秀隆が演じた五郎の息子ね。

 その程度の知識はあるけど、このドラマはほとんど見てないのでなぜこんなところに純の番屋があるのか分からない。
 や、倉本聰のドラマとは全般的に相性が悪いんだよね。どれもこれも登場人物がウジウジイジイジしてるのが鬱陶しくて(笑)
 なので、「このドラマって確か富良野が舞台だったよなぁ。なんで羅臼なんかに?」と訝るレベルである(笑)

 ま、帰ってから調べて理解はしたけどね。
 最後の2002遺言では、純はここで働いていて、内田有紀演じる結と仲良くなるわけね。
 でも、wikiで調べてたら倉本聰が考えている「その後」の構想が書かれていて、純は結と結婚するがその後あっさり離婚する、てことになってるらしい。だからなんでこの人は登場人物を素直に幸せにしないのかね?だから倉本ドラマって辛気臭くて好きになれないんだよねぇ。

 

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二色(ウニとイクラ)を食ってみた

 

 このツーリングの間中、高校山岳部の仲間とLINEで連絡を取り合っていたのだが、やつらが海鮮を食え食えと煩いのだ(笑)
 ホタテとかフグ天とか、刺身食ってないのが「なぜ北海道まで行って海鮮を食わない?」と不思議らしい。
 いや富山に住んでる人間によその土地で海鮮を食えって、ケンカ売ってるのか?(笑)
 なんか北海道の海鮮、妙に高いし。

 まあ一度くらいは付き合ってやるかと、ここで二色丼を食った。
 美味かったよ。
 美味かったけど、3,000円だからなぁ。ランチに3,000円出せばそりゃ美味いだろうさ。美味くなかったら怒る値段だよ(笑)

 何より店の中でず〜っとさだまさしの「北の国から」がエンドレスでかかっているのには、最初はともかく3回転目あたりから、ちょっと胸焼けしそうになってくる(笑)

 音楽と言えば、網走あたりからず〜っとヘルメットの中で「知床旅情」独唱しながら走っていたのだ。
 この曲、昭和35年に創られた曲らしいが、歌詞はまるで現代のライダーハウスに集まるライダーたちのようではないか。
 北海道で白夜はないだろう、とかツッコミたくなるところはいくつかあるけれど、良い曲だねぇ。

 歌っているうちに気づいたのだが、この曲、森繁久彌版と加藤登紀子版で少し歌詞が違う。
 2番の♪君を今宵こそ抱きしめんと(森繁版)♪♪今宵こそ君を抱きしめんと(加藤版)♪は分かる。これ、メロディーへの歌詞のハマり具合は圧倒的に加藤版の方が自然だ。これを♪君を今宵こそ♪と歌えるのはブレスも何も関係ない破天荒な歌い方をする森繁久彌だけだ(笑)

 それと3番の最後で森繁は♪わたしを泣かすな、白いカモメを♪と歌っているのに対して、加藤は♪白いカモメよ♪と歌っている。
 ここ、一見するとカモメを、だと意味が通らないんじゃ?と思ったのだが、よくよく考えるとこのカモメって「わたし」に例えているんだよね?
 ♪忘れちゃいやだよ、気まぐれカラスさん♪で、「君」をカラスに例えて、ラストで私をカモメに例えているんだよね。
 だとすれば、ラストはやはり森繁の原詞のとおり、「白いカモメを」が正しいのだ。

 ちょっと分かりにくいのは、この歌、1番と2番は羅臼に旅で来ている男の主観で歌われていて、3番で唐突に羅臼在住の女の主観になっているらしいことか。何の説明もなしにぬるっと女主観に変わっているようだぞ。

 1番の出だしで♪思い出しておくれ、俺たちのことを♪とあるので、羅臼に旅に来てやがて去っていくのは「男」であると分かる。
 2番で♪君を今宵こそ抱きしめんと♪♪ピリカが笑う♪というあたりで、この「俺」が現地在住の女の子と良い仲になりかけている、少なくとも狙っている、ということが分かる。
    * 「ピリカ」とは羅臼ではホッケの幼魚、という意味があるらしいが、少なくとも森繁は「若く綺麗な女性」のつもりだったらしい。
 となれば、3番で出ていく「君」は、1〜2番の「俺」と同一人物であることは確定でしょ。
 つまり3番の「わたし」は、2番の「ピリカ」で決まり、でしょ。

 2番では「俺」の口説きをかわすような素振りも見せていたが、結局落ちたらしい(笑)

 でもなぁ、結局男は忘れるんだよ。旅先の女なんて(笑)

 さて、そんなことをつらつら考えながら標津まで来たら午後1時を回っていた。そうかやっぱり釧路ルートか。
 やはり道東は駆け抜けるのはあまりに惜しい。今度またゆっくりと、道東だけで1週間かけるつもりで来よう。

 さて標津から中標津、別海へと進むと、ここは北海道でも有数の酪農地帯。
町から「観光なんて軟弱さ。俺たちは酪農に生きるんだもんね」というムードが漂っている気がするのは偏見か?

 しかしだな。
 下写真のド直線道路。別海町のR243なのだが、ここ、地味に11kmもあるド直線道路なのだ。
 両側はひちすら牧草地。バカ広い牧草地の端に点在する酪農家。放牧されている牛。そしてもしかしてここの公安委員会のオフィシャルなのか?と思うほどしばしば見る「牛横断注意」の標識。
 そして走っている間ずっと漂っているサイレージの酸っぱい匂いと、牛糞の香り

 なかなか良い道じゃん。少なくとも「天に続く道」よりはここの方が良いぞ。

 いっそのこと、この道にも何か名前を付けてみて、ルート上のどこかに道の駅でも作ったら(予算がなければセイコマでも良し)、けっこうライダーが集まって金が落ちるのではないか?

 名前は、そう、パフュームロード、なんてどうだ?(笑)

 

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これがパフュームロードだ!!(笑)

 

 いやほんと。半分冗談だが半分マジである。

 

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パフュームロード横で放牧されている牛

 

 でもこんな放牧風景、酪農関係者には日常風景だが観光的にはけっこうイケるのではないかなぁ。

 

 さて、釧路は意外に遠かったが何とか夕方までには釧路に到着した。
 これでとりあえず今日のミッションは達成したわけだが、さてこれからどうしよう。これ以降のことは考えてなかった(笑)

 釧路から2日で小樽というのは、まあ楽勝だろう。なのでこの辺りならどこに泊まってもok。
 でも、2日連続で350kmを超えて走ってきた身には、なんだかまたテントを建てて翌朝テントを畳んで、という日常が何となくかったるく思えてしまって、釧路でホテルに泊まっちゃおうかな…と一瞬思ってしまった。たった3連泊で音を上げるとは軟弱な(笑)
 連休真っただ中なためか、とんでもなく高いホテルしか空きがなくて、この逃避案は一瞬にして崩壊したが(笑)

 しかしまあとりあえず風呂に入りたいな〜と釧路市内の温泉を調べていたら、ひとつ魅力的な温泉が。
 釧路パコの湯というホテル内に併設されている温泉湯なのだが、なんと午前2時まで営業しているという。
 午前2時まで温泉内に居ることができれば、これはもう泊まったと言っても良いんでないかい?(笑) 2時出発なら超早立ちだが。
 よし、まあ細かいことは風呂に入りながら考えるとして、とりあえず温泉に入ろう、とパコの湯にin

 ここ、12階に温泉の受付があって、11〜12階が男湯、9〜10階が女湯、という構成になっている。
 脱衣場は11階なので、12階の露天風呂に行くにはすっぽんぽんのまま、階段で12階に上がるという面白い構造。
 12階の露天風呂は本当に屋上にあるので開放感抜群。女性の露天風呂は10階なのでこうはいかんだろうけど。
 露天風呂の横に寝湯があったので、そこで横になっていたらガチに寝てしまった(笑)

 風邪ひくぞ(笑)

 腹が減ったので7階の休憩室に降りて飯を食いながら、改めてこれからどうしようかと考えたのだが、風呂に入って少し眠ったことですっかり元気になってしまったのか、設営〜撤収が面倒と感じていたさっきまでの倦怠感はどこへやら、今から張れるところまで走るかという気になってしまっていた。もう10時なのに。

 てわけで、営業終了の午前2時を待たずにホテルを出て走り出す。後にして思えば、釧路の街中で飯を食えばよかったのだが、既にホテルで食ってしまっていたからなぁ。

 目星をつけていたのは他に利用者がいなそうなキャンプ場(笑)
 だって深夜にエンジン音響かせて到着してバタバタ設営するの、迷惑じゃん?
 釧路の西にパシクル湖キャンプ場という、今は既に廃業したようなキャンプ場を見つけ、ここなら利用者はいないだろうとそこを目指したのだが、意外に遠かった。40km近くあったもんね。温泉入る前の倦怠感に溢れていた自分ならノータイムでパスしてる(笑)

 目的地到着は午後11時を回っていた。

 

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パシクル湖畔キャンプ場

 

 真っ暗でよく分からないが、とにかく他の利用者はゼロ。誰もいない。トイレだけが生きている。十分じゃん。

 

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速攻で設営

 

 瞬殺で設営完了。あとはもう寝るだけ。

 明日はどうしよう。でももう眠い。

 明日のことは明日考えよ。

 

<9月22日>

 

 そして朝。
 6時過ぎに目が覚めたら、犬の散歩に来てる人と釣りに来てる人が数人。
 意外に良いところやん。景色も良いし。
 周囲を歩いてみたら、トイレの反対側に廃墟化したドライブインが数軒並んでいた。そりゃあキャンプ場も潰れるよなぁ。
 でも芝生は手入れされていたしトイレも生きてた。最低限、パーキングとしての管理はされているようで、それなら張るのに別に不都合もないわけで。
 まあトイレはさすがに行き届いてないというか、トイレットペーパーがすべて抜かれていたりしたけど、そんなの自分で持ち込めば良いだけだけだし。

 

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朝 意外に良いところやんか

 

 で、撤収しながら改めて今日の行動を考えたら、なんだ襟裳岬に行っても余裕じゃないか。
 こんなことなら根室と納沙布、行けたんじゃ?と一瞬思ったが、まあそれは結果論ということで、過ぎたことをグダグダ考えても仕方ない、気持ちも新たに襟裳岬を目指そう。

 R38を快適に走っていたら、いつの間にか道道1038号線を分けて道は内陸に。
 ここ、事前に知っていたら絶対に道道1038号に入っていたと思うのだが、見落としてしまった。

 が、それが結果的に大正解となろうとは。

 

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浦幌神社

 

 それは浦幌神社である。なんてことない神社に見えるでしょ。
 ところが神社の前には「おっぱいの神様」という巨大な看板が。

 な、なんじゃそりゃ?

 と、慌ててUターンしてその神社を覗いてみたのだった。

 

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乳神神社 おっぱい神様

 

 すると浦幌神社の境内に乳神神社が。またストレートなネーミングだな。

 大賞の中頃におっぱいに似たコブを持つナラの大木をお祀りしたのが始まりらしい。
 その後、倒れたそのナラの木からコブをこの神社に移して祀っているそうだ。
 当初は母乳授けや病気平癒の願が懸けられていたそうだが、現在では子宝、安産、縁結びをご利益としているということらしい。

 まあエロ野菜なんて珍しくもないし、植物って時々何か願を懸けたくなる形になることがあるよなぁ(笑)

 

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おっぱい守 買いたかった…(笑)

 

 で、やっぱりこういうモノもあるわけだよ。
 これ欲しい、と脊髄反射的に思ってしまったけど、さて買って帰っても誰に何と言って渡せばいいのか分からん(笑)

 これ、絶対に由来とかご利益とかを誤解して、いやすべて分かっててもわざと曲解して違う願を懸ける人や、彼女や嫁にこのおっぱい守を買って帰るやつ、いるよな?むしろそっちの方が多くても不思議じゃないよな?

 なら最初からご利益に「豊胸」って書いちゃえよ(笑)

 

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こんなのもあった

 

 こんなのもあった。100円奉納して名刺に名前や願を書いて画鋲で貼っておけば、ちゃんとお祓いしてくれるのだそうだ。

 訪れたのが朝早かったので、おっぱい守も買えなかったし(それで良かったのかもしれんが笑)何もできなかったのだが、唯一これだけはできたので、100円納めて名刺を奉納しておいた。

 

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あぁ、これはこの神社の神主さん、ライダーなんだな(笑)

 

 やけに手広い神社だな、と思ったのだが、ああこれは間違いなく神主さんか誰かが乗ってるんだろうな。

 さあ、いつまでもこにいても仕方ないし、先を急ごう。

 相変わらず大津港とか長節湖とか寄り道を繰り返しながら走っていると、「←ホロカヤントー」の標識が。
 ホロカヤントー?なんだそれは?
 と例によって寄り道してみたら、そこにあったのは温泉だった。

 

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晩成温泉

 

 晩成温泉というらしい。調べてみると日本でも髄一と言って良いほどの高濃度でヨードを大量に含有した温泉らしい。
 や、これは入ってみたい。けど午前中から入れるのか?

 

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晩成温泉キャンプ場

 

 そして温泉の隣にはキャンプ場が。
 なんだこの居心地が良さそうなキャンプ場は!

 撤収準備をしているライダーに話を聞いたら(なんせまだ午前9時を回ったばかり)、キャンプ場の使用料は500円で、それで温泉まで入れるのだそうだ。なんだそれ(笑)と思ったのだが温泉のフロントで聞いたらそのとおりだった。
 キャンプ場の使用料は500円/人。温泉の入浴料も500円。
 つまり実質キャンプ場の使用料は無料 、ということに。

 あー、次に来たときは絶対にここに張ろう。

 

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昭和感溢れる晩成温泉の内部

 

 中も昭和感がたっぷりで楽しい。
 これは、このキャンプ場で張るときは午後2時くらいには張り終えて、たっぷりこの温泉を楽しまねば。
 近くに買い物をするところがまったくないので(町まで30km以上ある)連泊するのはなかなか厳しそうだが、数泊してもいいなぁ。

 

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温泉恒例の脚写真(笑)

 

 温泉はほんとにそれっぽい匂いがする。皮膚病とか一発で治りそう。
 露天風呂はないが、バルコニー(というよりベランダ?)に椅子が何脚か置いてあって、オーシャンビューを楽しみながら涼めるようになっている。
 そこで地元のおっちゃんと話し込み、時間が過ぎていくのであった(笑)

 ここに泊まっても明日に小樽は可能なんじゃ?と一瞬思ったが、まあ旅の前半だったらほんとにここに泊まっていたかも。
 次はここに張るぞ、と決意を新たに襟裳岬を目指す。

 あ、ホロカヤントーというのはこの先にある池なんだそうだ。もうそんなことはどうでも良くなっていたが(笑)

 

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襟裳岬

 

 襟裳岬に到着。
 岬付近は強風のためかほとんど手つかずの原野になっていて、かなり豪快な風景。ちょっとイメージしていたのと違う。
 森進一の「襟裳岬」という曲は歌詞もメロディーもほとんど出てこないけど、サビの♪襟裳の春は何もない春です♪というところだけなので、荒涼とした寂しい風景を想像していたのだが、かなりダイナミックでクールな光景である。

 ま、好天だっったから、というのもあるだろうけどね。

 

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襟裳岬 先っぽまで、そりゃ行くよね(笑)

 

 こうしてみると先端まで道が続いてるでしょ。となりゃ先っぽまで、行くよね?(笑)
 でも行ってみたら、さらに先端があるのにそこは私有地で立ち入り禁止なんである。なんだかな。

 襟裳岬周辺はゼニガタアザラシの生息地らしい。運が良ければ肉眼でも見れるらしいが、残念ながらこの日は見えなかった。
 双眼鏡持ってくれば良かったな。

 

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日高は馬ばっかり

 

 襟裳岬で既に昼を回っていたので、そこそこ腹が減っていたのだ。
 でも岬の食堂は満員で密だったのでとりあえず先に進む。

 実は北海道に上陸した日から「ラーメン食いたい」モードなのだ。
 それがなかなかラーメン屋と縁がない。
 初日は雨でカッパを脱ぐ気になかなかなれなくてラーメン屋をいくつかスルーしているし、道北に入ってからはラーメン屋自体をあまり見なくなった。
 宗谷岬にラーメン屋があったが激混みだったし、網走も市街地を走ってないので分からん。
 昨夜の釧路はある意味大チャンスだったのだが、書いた通り温泉の中で飯食ってしまったし。

 そろそろラーメン食いたいモードに耐えるのが難しくなってきた。
 ラーメン〜ラーメン〜とヘルメットの中で呪文のように唱えながら走っていたら、ついに国道沿いにラーメン屋発見。
 いそいそと入って日高ラーメンを注文。

 う…う…うめぇ〜

 実は今回の北海道ツーリングで一番感激した食べ物が、この普通のラーメン屋の普通のラーメンなのであった(笑)

 

 日高を走っていると、道の横で昆布を干している光景によく出くわした。
 道端にも「日高の昆布をお土産にいかが」と幟が訴えている。
 でもなぁ、富山在住だからなぁ。富山って昆布の消費量が日本一なのだ。江戸時代からの北前船で蝦夷地や青森の昆布が富山に大量に入って、そして富山で昆布を消費していたのだ。

 さて、今夜はどこに泊まろう。
 ラーメン屋でも走りながらのコンビニ休憩でもマップを開いて目ぼしいキャンプ場を探すのだが、なかなかこれといったキャンプ場が見つからない。
 ぶっちゃけ、襟裳岬から西であれば、どこに泊まったって明日の小樽は楽勝なのだ。こういう時に限ってキャンプ場に迷ったりするのだよね。

 最初はそれならいっそ登別あたりまで走って温泉にも入って、とか思っていたのだが、このあたり、けっこう交通量が多くてだるい。車なんてほとんどいない道ばかり走ってきた身には少々辛い道である。
 よし、とばかりに適当に決めたのが厚真町にある大沼キャンプ場。
 や、でもここ、ナビなしではとても来れないぞ、というくらい分かりにくいところだった。町民なら迷わないのか?

 

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厚真町 大沼野営場

 

 雰囲気は悪くない。行けの周囲にだだっ広い敷地があって、どこにどう張っても良いという自由さは良いぞ。車もバイクも特に制限はない。

 

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 今夜の宿 厚真町 大沼野営場

 

 というわけで設営完了。
 これから風呂や買い出しに行くので、帰ってくる頃は夜になってるだろうから、というわけで入り口に比較的近い場所に設営した。

 さて、ここは林の中のキャンプ場なので、枯れ木や枯れ葉がたくさん落ちている。
 つまり、焚火して遊ぶには絶好じゃないか。

 実は今回、ソロ用の焚火台を買って持ってきているのだが、まだ一度も使っていない。今夜がラストチャンスである。
 そもそも焚火台を買おうと思った理由が、キャンプツーリングしているとたま〜に夜ヒマで火遊びでもしたくなる、というものだったので、今回はそのたま〜にがまだないだけなのだが。

 ところが、である。

 まず風呂が遠かった。15kmもあるのだ。
 後でよくよく地図を確認したら、厚真町のこぶしの湯よりむかわ温泉の方が近かったのだが、管理人のおっちゃんにはこぶしの湯の方を勧められたのでそっちに行ったのだ。おっちゃん、さては厚真町の回し者か?(笑)
 …いや、このキャンプ場自体が厚真町営なので、つまり公式の回し者だった(笑)

 で、信じられないことに、風呂に入ってさあコンビニに寄ってテントに帰ろう、と建物を出たら雨が降っていた。しかもかなりの降り。
 雨?まったく想定外でしたわ。半ば呆然としながらもカッパを着込んで帰ってきたら、キャンプ場周辺の路面は乾いたままだった。
 つまり降っていたのは風呂周辺だけだったと。

 これで心が折れて焚火はけっきょくやらずじまい(笑)
 焚火台は新品のまま持って帰ることになったわけだ(笑)

 

 

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