2023 年秋 北海道ツーリング

Part U

日付

走行場所

主な走行路

走行距離

9/16

富山〜新潟(フェリー乗船)

E8

239.9km

9/17

小樽〜稚内〜宗谷岬〜稚内(テント)

R231〜R239〜道道106〜R238

434.1km

9/18

稚内市内(ホテル)

稚内市内

  13.5km

9/19

稚内〜網走(テント)

R238〜エサヌカ線〜R239

380.9km

9/20

網走〜川湯〜釧路〜晩成温泉(テント)

R391〜釧路湿原道路〜R38〜道道881

299.5km

9/21

晩成温泉〜襟裳岬〜厚真町(テント)

R38〜R336〜道道34〜R336〜R235

246.2km

9/22

厚真町〜余市〜神威岬〜小樽(ホテル)

R235〜E63〜E5〜E5A〜R229〜R5

255.8km

9/23

小樽市内(フェリー乗船)

R229〜道道913〜R5

    7.0km

9/24

新潟〜富山

R402〜R352〜R8

254.7km

合       計

 

2135.6km

 

 

<9月17日>

 

 朝3時半の船内アナウンスで目が覚めた。

 窓の外を確認すれば、予報どおりの晴天の様子。

 船内放送によれば、今回は乗用車を先に下船させるようだ。3年前はバイクが先だったな。
 着岸少し前に乗用車のドライバーが先に車両甲板に向かい、待機している間に着岸して徒歩の乗客が下船を始めた。
 ほぼ同時に二輪のライダーの下船案内がかかり、荷物を持って車両甲板へ。


 

下船前の車両甲板
下船前の車両甲板


 車両甲板に行ってみれば、ああ確かにこれは車を先に下さないとどうにもならんわ。
 この写真の時点で既に乗用車の下船は始まっているのだが(上写真の一番奥が下船口)、この近辺の車はまだ動けない。

 下船口まで行って車の下船の様子を眺めたりしていたが、車両甲板が空いてきた頃、バイクまで戻って引き出し、係員の案内に従って下船を開始。

 というわけで、下船したのは5時頃だった。


下船したよ 晴れてるよ!
下船したよ〜 晴れてるぞ〜♪


 下船して乗ってきた船を背景に1枚。この船、23日にも再び乗るので、またよろしくね〜と挨拶して走り出す。

 ちなみに。
 下船の時にカッパを着ていなかった、というのは、今回が初めてかも。少なくとも記憶にはない。
 さすが今回は晴れ女のカミさんを連れてきた甲斐があったわ(笑)

 3年前にも走った道だが、何となく要所の記憶はあるものの前回は雨であまり景色も楽しめていないので新鮮♪

 フェリーを降りたバイクの集団は最初のT字路で高速を使う連中(この集団は道東を目指す集団と道北を目指す集団にすぐ分かれる)と下道で道北を目指す集団に分かれるわけだが、下道道北組は何となく抜いたり抜かれたりしながら淡々と距離を稼ぐのだ。
 少し離れてもコンビニで休憩するときにまた一緒になったりもするし。

 そんなグループに、ハーレー5〜6台の集団がいた。
 そのグループのおっちゃんと話していたら、彼らはなんと今日中に宗谷岬を回って浜頓別まで行くと言う。
 毎年来ていれば、途中でいちいち長時間休憩することも必要ないのだろうけど…それにしても浜頓別は遠いな。
 別れるとき、「じゃあ次は宗谷岬で」って言ってたけど、我々が宗谷に着く頃にまだ宗谷にいたら、今日中に浜頓別なんて無理でしょうよ(笑)


留萌の道の駅で寝る
留萌の道の駅で寝る(笑)


 カミさんも淡々と距離を稼ぐような走りにちゃんと着いてこれるようにはなったのだが、やはり途中で睡眠を必要とするのは変わらない(笑)
 てことで、留萌の道の駅でチェアーを出して寝るカミさんであった(笑)

 これがあるから、チェアーとテーブルは素早く出し入れできるよう、R25のサイドバッグに入れているのだ。


天塩の道の駅にて
天塩道の駅で昼飯 ヒラメの昆布〆定食


 苫前の道の駅で職場への土産を買って発送手続きをし、羽幌でR25に給油して(YBRは航続距離がバカ長いのでここでは不要)、淡々と順調に距離を稼ぐ。

 ちなみに留萌を過ぎたあたりから小平の鰊番屋あたりまでの海岸線の景色が抜群なのだ。天候も良かったし、ここで車載動画を撮っておけば良かった…というのは後の祭り。

 で目論見どおり天塩の道の駅で昼食。
 ここでヒラメの昆布〆定食というメニューを見つけて思わず注文した。
 確かにこのあたり、昆布の収穫量は多いのだろうけど、昆布〆という食べ方は富山オリジナル、と思ってたので、ここで昆布〆を出していたのが意外だったので。
 でもここの昆布〆は昆布は出さないのな。富山じゃ昆布に〆たままで出すのが定番だけどね。昆布も美味いので、昆布もあった方が好みではあるけど、美味かった。

 さて、天塩道の駅からいよいよ国道を離れて道道106、オロロンラインのクライマックスに入る。


サロベツ原野パーキングにて
サロベツ原野パーキングにて 利尻が見える


 ところが。
 天候が少しずつ崩れてきている。予報じゃ終日晴れマークだったのにぃ。


サロベツ原野パーキングにて
サロベツ原野パーキングにて


 サロベツ原野パーキングのあたりではまだ僅かに青空も見えていたのだが、進むにつれて完全に曇天となってしまった。


Youtube Link
画像をクリックすると別ウィンドウで動画が再生されます(Youtube)


 完全に曇天下のオロロンラインである。

 むー、降りはしないだろうけど、この先の道は晴れてこそ、なんだけどなぁ…
 そしてそれこそ、宗谷の白い道は晴れていないと真価を発揮しないのだけど…
 明日以降はしばらく天気がもっと悪くなるわけで、やっぱ今日中に行くしかないのか…
 と能天気にはしゃぐカミさんの声をインカムで聞きながら思案にふけるのであった(笑)

 でもまあ、カミさんは「すごい〜、楽しい〜、気持ちいい〜」とインカム越しに連呼しているので、まあ良いのか(笑)


稚内森林公園キャンプ場
稚内森林公園キャンプ場 ここをキャンプ地とする!


 淡々と走ってきた甲斐あって、午後2時には稚内森林公園キャンプ場に到着。
 よし、さっさと設営して宗谷岬に行くぞ、2時半出発だ、と急いで設営し、荷物をサブ行動用に作り直して出発することにする。


稚内森林公園キャンプ場
稚内森林公園キャンプ場 こんなところです


 稚内森林公園キャンプ場はこんなところ。
 かなり広大な面積がある。上の写真の左手に見えている建物はトイレで、奥の三角屋根の建物は管理棟なのだ。
 その奥の林の中にもサイトが広がっている。
 管理人がいてゴミも分別して捨てることができ、これで無料って稚内市、太っ腹〜♪

 ちなみにこの手前に写っているテントだが、翌朝になって分かったのだが、既にここに3ヵ月ほど居ついているおっちゃんの「焚き火用テント」なのである。トイレの右手に写っているテントがこのおっちゃんの「就寝用テント」なんだとか(笑)
 さらに写真には写っていないが、もう1張り、「薪置き場用テント」が設営されていた(笑)

 ともあれ、今日は宗谷まで見ておかないと、ということで午後2時半に改めて出発。


宗谷岬
宗谷岬 シカがいる…


 宗谷岬に到着。

 岬のモニュメントで写真でも、と思ったのだけど、上写真のとおり順番待ち状態だったので諦めた。

 それにしても…
 なにこのシカの多さは。

 稚内市内からやたらとシカを見るのだ。普通の子供を遊ばせる公園でシカが草を食んでいる。まるで奈良公園状態である。

 3年前に来たときはシカなんて1頭も見なかったのに、いつの間にこんなに増えたんだ?

 それにしても不思議なのは、稚内市民がこのシカどもを気にする様子がまったくないことだ。
 基本的に大人しい動物とはいえ、この大きさだぞ。車で轢いたらシカじゃなく車の方が致命傷を受ける大きさなんだけど。
 事実、キャンプ場には「シカはヤバい!」という内容の貼り紙が稚内警察署の名前で貼られていたが、そんなの見れば分かるだろう(笑)


シカはヤバい!
鹿はヤバい!


 この貼り紙は「観光客のみなさん」に当てた貼り紙だったけど、いやいやそれ以前に稚内市民を気にしてあげなよ(笑)
 仕事柄、この手の動物に慣れている私でも対峙すると若干緊迫する大きさで、シカって大人しいけど臆病な動物で、パニックになると見境なく暴れまわるんだけど、この上の写真に写っている(これはオスジカ)大きさのシカが暴れ出したら、ケガ人の1人や2人では済まんぞ…
 例の貼り紙にも「最悪、死にます」って書かれてるけど、稚内市民は死なないってわけでもなかろうよ。

 それより不思議なのは、「神様の使い」である奈良公園のシカは別枠として、全国津々浦々、どこに行ってもシカは害獣の極みとして目の敵にされているってのに、どうして稚内市民はこんなにシカに寛容なの?

 しばらく考えて腑に落ちた。
 シカが憎まれるのは農業被害と林業被害が酷いからなのだが、ここ稚内にはそもそもどちらもないわ(笑)
 原野と海しか見てないもん。稚内市に入る前に「稲作北限の地」の看板を見てるし、こんな真夏でも30℃まで気温が上がらないような寒冷地でまともにペイできる農作物なんてそうそうないだろ。
 なので「産業的被害がない」のでシカを憎む心が芽生えないんだここ稚内では。

 あーでも、宗谷丘陵では肉用牛をたくさん飼ってるよな。広大な草地もあるよな…
 まあ広大過ぎて多少シカが入り込んで草を食ったくらいでは問題にはならないのか?
 …というか、宗谷丘陵でたらふく草を食ってこんなに増えたんじゃ…?

 というようなことをつらつら考えながら白い道に突入。


Youtube Link
画像をクリックすると別ウィンドウで動画が再生されます(Youtube)


 あー、やっぱここは快晴の日限定だわ。
 カミさんも「ふーん」って程度の反応だ。くっそう…
 ここは太陽に照らされて白い道の「白」がより映えるのだ。そしてその白と海や空の青が強烈なコントラストを生むのだ。
 こんな曇天ではやはりここの真価は分からないのだ。

 いつか快晴の白い道にカミさんを連れてきて平伏させてやる(笑)

 ま、今回は多分これ以上は望めないので、内心リベンジを誓いながら稚内市内まで戻ってきた。
 さて風呂と晩飯を。

 日本最北端の温泉はノシャップ半島の西側にある童夢という温泉なのだが、稚内港の横にあるヤムワッカナイ温泉港の湯というところが楽しそうなのでさちらに行った。


ヤムワッカナイ温泉 港の湯にて
ヤムワッカナイ温泉 港の湯 館内


 ここ、上のカミさんの写真が下手でブレブレなのがアレだけど、なかなか雰囲気が良い建物である。
 いかにも昭和の路地といった雰囲気のエリアを作っていたり、館内に昔の稚内の町や港の写真が飾られていたり、もっとじっくり時間をかけて館内を見たい、と思った。

 そして、風呂が良い!!

 や、この日は朝5時から430km走っているわけで、疲れていたってこともあるのかもしれない。
 それにしても良い湯だった。ややぬるっとした感触の湯で、温まるったらない。
 風呂のロケーションも抜群だった。露天風呂から港がすぐそこに見えて、時折出港する船が鳴らす汽笛が聞こえる。
 個人的には生涯ベスト3に入れても良い、と思った温泉だった。
 …生涯ベスト3ってどことどこ?って聞かれたら10カ所くらい挙げそうな気はするが(笑)


チャーメン
これがチャーメンなのだ


 晩飯も温泉内で済ませた。
 これはチャーメンというメニューがあったので頼んでみたのだが、まあ要するに「餡かけ焼きそば」なんだなこれ。
 でもこれ、中華料理のはずなんだけど、どうして稚内の名物B級グルメみたいな位置づけになったんだろう?


 さあて、温まって腹も膨れたところでテントに戻ろうか。
 セイコマに寄って酒も買っていこう。

 で、テントに潜り込んでシュラフの中で缶チューハイをグビグビやればそこはもう極楽(笑)
 明日は雨予報だがどうぞどれだけでも降ってください、って気分なのだ。
 明日はホテルを予約しているので雨中走行はほぼしなくて済むしね。


 

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