2017年秋 東北(青森)ツーリング

Part III

日付

走行場所

主な走行路

走行距離

高速

高速距離

9/14

富山〜新潟(フェリー)

R8〜R402

293.9km

 

 

9/15

秋田〜入道崎〜深浦(テント)

R101〜県道59〜R101

221.0km

 

 

9/16

深浦〜夏泊〜海峡ライン〜大間崎(テント)

R101〜R4〜R338

357.6km

浪岡〜青森東

25.4km

9/17

大間崎〜尻屋崎〜新郷村〜三沢(ライハ)

R279〜R338〜R454

307.6km

 

 

9/18

三沢〜酸ヶ湯〜八戸(ビジホ)

R102〜R103〜県道40

163.4km

 

 

9/19

八戸〜八甲田山〜黒石〜金木〜深浦(テント)

R102〜県道40〜R394〜R101

289.5km

黒石〜浪岡

14.0km

9/20

深浦町内(ライハ)

R101

110.4km

 

 

9/21

深浦〜新潟〜富山

R101〜R7〜R345〜R113

643.9km

新潟西〜滑川

218.3km

合       計

 

2387.3km

 

257.7km

 

 <9月17日>

 5時に起床。
 太平洋から昇る(はず)の朝日を見に行くが、やはり雲の中。
 まあ雰囲気はなかなかだけど。

 

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太平洋から昇る朝日…見えないけど(笑)

 

 予報では今日の夕方あたりから台風の影響が出てくるはず。
 とりあえず尻屋崎で寒立馬と会えれば、台風を出し抜いて前半の目的は達成、なんである。
 6時過ぎに尻屋崎を目指して出発。雨が降る気配はあるが、カッパはまだ着なくても良さそう。

 最初は普通の海岸沿いの道なのだが、尻屋崎に近づくに従って森の中の一直線の道に。北海道みたいな雰囲気。
 その一直線の道から分岐して海に降りる道があったりして、これは何だと入ってみると、家がほとんどないのに漁港だけあったりする謎の場所があったりした。後で地図で確認したら、数軒はあるらしい。でもこんなところに住むのはさすがに寂しそう…

 

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尻屋崎へのゲート

 

 強くなってきた風の中、尻屋崎へのゲートに到着。これ、ほぼ説明がないので普通にここに来ると、ここは立ち入り禁止と勘違いしてスルーしてしまいそうなのだが?まあ積極的に客を呼ぶつもりもないのだろうけど。

 ちなみにバイクで行っても普通に感知してゲートは開いた。
 さあ、寒立馬に会いに行くぞ!

 

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寒立馬

 

 放牧地といっても、あまりに広大である。こんなの道から遠いところにいたら、馬になんて会えないのでは?と心配しながら奥に進むと(聞いた話では、現に馬に会えずに帰る人もいるらしい)、灯台手前の駐車場付近に馬発見!

 

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寒立馬 足が太いな

 

 この水を飲んでいる栗毛の馬が人馴れしているというか人懐こいというか、サービス精神旺盛だった。
 水を飲んだり草を食みながら、時間をかけてゆっくりとこちら側に移動してくる。

 

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時々、こんな風にポーズをとってくれる(笑)

 

 で、時々上の写真のように、立ち止まってポーズをとってくれるのだ(笑)

 

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黒毛の馬も撮影会に参加(笑)

 

 結局駐車場の横まで出てきて、観光客のカメラに収まってくれるサービスの良さ。

 ちなみに写真右奥に写っている腕章をしたおっちゃんは、「監視員」という腕章をしていたのだが漁業の監視員で馬の監視員ではないそうだ。
 その割にはこの馬たちに詳しく、こういう天候の時はここらへんにいることが多いとか、冬はもっと狭い放牧場に移動させているのだが屋根はなく、吹き曝しの放牧場に牧草を置くだけで飼っている、とかいろいろ教えてもらった。
 双眼鏡を手渡されて、「あの沖に停泊している船の船名を読んでくれ」とか頼まれもしたが(笑)

 さらに栗毛の馬のサービスはこれで終わらない(笑)

 

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脚を掻いている

 

 しばらく駐車場の電柱に掛けてあるワイヤーで足を掻いていた。ここの馬はよくこれをするのだそうだ。それでワイヤーを頻繁に掛け替える羽目になっているらしい。
 この子、前脚から始まって4本の脚をしばらく時間をかけて掻いていた。

 すると、

 

4-08_kandachime.jpg

ゆっくりとこっちに歩いてくると…

 

 そのうち、何を思ったかゆっくりとこちらに歩いてくる。
 写真を撮りながらふと顔を上げると、

 

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顔が痒いのかい?(笑)

 

 この位置に立っていた(笑)
 顔を掻いてやると気持ちよさそうな顔をしてじっと立ち止まっている。

 そのうち他の観光客が集まりだしてこの子を触りだした。
 顔を掻かれようが腹をさすられようが鼻先を撫でられようが、じっと動かずに立っている。

 

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栗毛の子と記念写真

 

 他のお客さんにいじり倒されないうちに、記念写真(笑)

 しかし俺と一緒に写ると馬面がより強調されるというか何というか(笑)

 

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尻屋崎の太平洋側 東風がまともに吹きつける

 

 台風も近づいているので、心残りだが(ここで1日中、馬と戯れていても良いぞ)進むことに。
 台風の影響で東風が強いので、岬の東側に回ると突然風が強くなる。台風はまだ滋賀県のあたりにいるはずなんだが。

 まだまだ時間はあるので、ちょっと寄りたかった場所に寄り道。

 

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東通村役場と村民コミュニティセンター

 

 それは東通村役場(笑)

 国道を走っている限り、ほとんど人の気配なんてしない東通村だが、人口は約7,000人いる。面積は広いので人口密度は低そうだけど。
 珍しいことに、つい最近まで村役場が村内になく、隣町に置いていた村なんである。基本的に原野の中に小さな集落が点在しているだけなので、中心を決めることすらできなかったらしい。
 それが最近、村制100周年記念に、村役場を新築したという「100年も村内に役場がなかったのか!」という村。

 で、その新築した村役場がこれ。なんて分不相応に立派な…

 

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小学校

 

 そして役場のすぐ近くに小学校。人口7,000人の村とは思えない超立派な。
 この近辺は役場新築の折に開拓したような土地で、診療所や住宅団地まで真新しいのがあった。まだ空き地が多かったが。

 つまりこれが原発マネー、というわけね。

 私自身は原発はなければその方が良い、とは思うけど、ヒステリックに今すぐ全廃すべき、と言うつもりもない。
 何よりこの現実を見れば、原発でも誘致しなければ消滅するしかないような自治体もあるわけで、ここの人たちは当然、最悪の事態になればここには住めなくなることは織り込み済みなのだろう。まあ原発マネーがあっても、開発した住宅地が売れずに財政赤字は抱えているらしいが(そりゃ売れば売れるってものでもなかろうに)、この地理で何もなければ、もはや消滅するのを待つばかり、というのも分かる。
 まあ自分でも原発を誘致しているとなれば反対する側には回ると思うけどね。
 さらに、金が落ちる自治体はまだ覚悟の上、とも言えるけど、その周辺の金が落ちない自治体には迷惑な話なのは当然のことで、建設中の大間原発に函館市が怒っているのも当然でしょ。

 

 まあ、そんなことを深く考えるのが目的の旅でもないのだが。

 

 今夜は台風が接近するのは分かっていたので、テント泊は諦めて三沢のライダーズハウスに宿を取っていた。
 が、三沢に到着したのはまだ午前中。天候ももう少しは持ちそうだし、もう1ヵ所、どうしても行きたかった場所に寄り道することに。

 それは新郷村のキリストの墓(笑)
 三沢を通り過ぎて、さらに八戸も通り過ぎるので、寄り道と言うにはあまりに寄り過ぎているが(笑)

 実はキリストの墓そのものは割とどうでも良いのだ。
 行きたい場所というのは、そのキリストの墓の近くにある、とある売店なのである。

 

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キリストっぷに来たぞーーー!!!(笑)

 

 その名もキリストっぷ(笑)

 もう最初から笑いを取りに行っているとしか思えない脱力しまくりの店名である。好きだ、このセンス(笑)

 

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十字架ら(笑)(笑)(笑)

 

 日曜日しかやっていないので、どうしても今日来たかったのだ。
 しかもこの十字架ら(笑)(笑)
 誰だこれを考えたハイセンスなやつは(笑)

 基本的に怪しげな土産物を売っている店で、中には「キリスト印の線香」という、もう涙目になってしまうほど笑えるものもある。

 おばちゃんが2人、店番をしていて、入るとよう来なすったどこから来た?と質問攻めに遭い、富山からと答えると遠いところからよう来たね、と歓待モードに(笑)
 お茶でも飲め、コーヒーも飲め、これ食えリンゴも食えと歓迎の嵐(笑)
 かなり腹いっぱいになってしまった。
 このもてなし、ここは基本的に飲食店ではないので、すべておばちゃんたちのおやつを放出してくれているのである。
 いろんな話をしていると(会話は何とかほぼ分かるが、おばちゃん同士で話し始めるとさっぱり分からない)、また別の若いライダーが店に入ってきた。彼もあっという間に歓待モードに巻き込まれる(笑)

 するとその若者、おばちゃんに真顔で、「イエス・キリストって、本当にここまで来たんですか?」と聞くのである。

 いかん、いかんよ若者よ
 そんなことを真顔で聞くのは、漫才師に「今の、何が面白いんですか?」と聞くのと同じだぞ

 おばちゃんたちはへへっと困ったように笑って、「まあそんなことを言ってはいるけどね〜」と返すのみだった。そりゃそれ以外に言いようがあるか。

 

4-16_christop.jpg

ナニャドヤラ 東北ずん子バージョン

 

 この地方にナニャドヤラという民謡が伝わっていて、その意味は土地の人にもよく分からないのだが、実はヘブライ語に訳すと云々、というのがキリストの墓伝説の根拠の1つになっていたりするわけだが、それはともかくそのナニャドヤラのCDが売られていたので、東北ずん子バージョンを買ってきた。他にもいろいろ散財してしまったが(笑)

 それを帰ってきて開封してみたら、CD−Rに焼いただけのモノだ。これだけのパッケージをプリントできたんだから、CDの盤面にもプリントしてくれよ(笑)
 それはともかく、東北ずん子というのをよく分からずに買ったのだが、宿泊先のライダーズハウスで同宿のライダーから聞いた話だと、要するにボーカロイドらしい。なるほどなるほど。

 歌詞はひたすら「♪ナニャドヤラ〜ナニャドナサレノ〜ナニャドヤラ〜♪」が繰り返されるだけである。メロディもシンプルなので、一度聴いたら耳にこびりつくこと請け合い。
 裏面の歌詞カードには、一番から二番三番、大サビ、そして四番とあるのだが、そんなの関係なく歌詞はひたすらナニャドヤラ〜ナニャドナサレノ〜ナニャドヤラ〜の繰り返しである。歌詞カードを見ているだけでどこかの世界に誘われる
 そして聴いたらもう完全にこの怪しい世界の虜。メロディも同じなので、もうトリップすること請け合い(笑)
 でも、このトラック3の「キヨとずん子のナニャドヤラ」のキヨって誰だーーー!!(笑)
 確かにずん子ではない肉声らしき声とデュエットになっているのだが、このキヨさん、新郷村の人なのか?会いたいぞ!(笑)

 バックは打ち込みなのだろうけど、妙にしっかりしていてクオリティは高い。間奏のピアノソロとかギターソロなんて、おおっと思うほどちゃんと音楽している。そして耳にこびりつく単調なメロディと歌詞。
 これ、何かアブないメッセージとかがサブリミナルで埋め込まれたりしてないだろうな(笑)

 実はこのCD、他にテクノバージョンとボサノババージョンがあったのだ。
 ややや、他のも聴きたいぞ。

 しまった〜、全部買ってくればよかった〜

 いやマジで。

 こんな曲、全バージョンが1枚のCDに入るだろ、と思うでしょ。確かにそうだよね。
 でもな、このCDのトラック4は「東北ずん子のナニャドヤラ独唱60分」なのである。ずん子がアカペラで、ひたすら60分、あの歌詞を繰り返すのだ。これは完全にトリップするぞ。
 …つまり無理やりCDを埋めたな?
 日曜限定の店とか、やる気があるのかないのか分からない顔をして、しれっと商魂逞しいな(笑)

 また次に行ったときはすべて買う(宣言)
 あのおばちゃんたちにもまた会いたいし(笑)

 というわけで、名残惜しみながらも新郷村を後にして、また八戸まで戻り、おばちゃんに教えてもらった銭湯に入ってから三沢に戻ったのであった。

 

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ライダースハウス338

 

 ライハに着くと、主はまだ仕事中で(近くのガソリンスタンドをやっているらしい)、先客が1人いた。
 日本一周中のGSR750ライダーで、中の案内は彼にしてもらった。
 そうこうしているうちに連泊中のライダーともう1人が入ってきて今夜の同宿ライダーは私を入れて4人に。
 最寄りのコンビニが3km離れている場所で、しかも台風接近中で強風が吹き荒れる中、風呂に行ったり買い出しをしたりしているうちに主も戻ってきてしこたま宴会が始まったのだった。
 外は台風で騒がしいが、それ以上に室内が騒がしい三沢の夜は更けていく…

 

 

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