patagonia Fall Alpinism 2008
やはり山ウエアは秋冬物が面白い。夏なんてTシャツ1枚あれば用は足りるわけで、ベースレイヤーはどれにしようとかアウターはハードシェルにするかソフトシェルにするか、なんてあれこれ考えるのは秋から冬〜春にかけてだものな。パタゴニアのカタログも秋から冬に一度アルパインウエアのカタログが出るので、毎年けっこう楽しみである。買えるかどうかは別として。
今シーズンはソフトシェルのラインアップがけっこう変わった。
面白そう、と思うのはアセンジョニスト・ジャケット( M's : 83130 , W's : 83140
)である。
ちょっと前まであったレディミクス・ジャケットと同系統のモデルのようである。レディミクスより少し厚みがある生地を使った一枚地のソフトシェル、という感じである。
モデル名 |
Style No.(M's) |
生地 |
裏地 |
重量 |
アセンジョニスト・ジャケット |
83130 |
5.3オンス・ポリエステル |
なし |
539g |
レディミクス・ジャケット |
84920 |
3.5オンス・ポリエステル |
なし |
425g |
ディメンション・ジャケット |
83683 |
6.5オンス・ポリエステル |
ポリエステルニット |
709g |
私はディメンション・ジャケットは持っているが、非常にしっかりした造りでハードに使えるウエアである。レディミクス・ジャケットは持っていないが何度か実物を手に取ってみた限りでは、非常に薄手の生地に見え、軽快だけどハードに使うにはちょっと頼りないかも・・・と思うような造りだった。
してみると、今度のアセンジョニストはその中間くらいの性格なのだろうか。
そもそも「ハードな使用」ってなにさ?って考えると、少なくとも日本では厳冬期の北ア北部のような"ハードな"山ではハードシェルを選択するだろうし、アイスクライミングなどの動きが激しい場面では、レディミクスのような軽快なジャケットの方が絶対動きやすいはずだ。
とすれば、このアセンジョニストはソフトシェルとしてはかなりハードな使用を想定したウエアなのではなかろうか。
なお、このモデルも昔はCSSといったりウェルデッド・シームといったり、ほとんど毎シーズン呼称が変わっている趣がある、糸を使わず溶着で生地を接合する製法で作られている。もう「なんとかシステム」とすら言わなくなってしまった。
どちらにしろ、冬に町内の山をうろつくような用途では、こういう軽快な一枚地のソフトシェルがベストなので、実はこれ、欲しかったりする。
でも、カタログ落ちしたレディミクスがアウトレットで安くなっているだろうから・・・そちらも魅力的。
2008 Late Summerでも触れたガイド・ジャケット( M's : 83150 , W's : 83160 )はかなり欲しい。ほとんど同じようなモデル(スーパーガイドジャケット)を持っているので買わないだろうけど、やはりソフトシェルにナイロン生地はどうしてもあまり好みではないなぁ。誰か買ったら使い心地を教えて下さい。
M's アセンジョニスト・ジャケット | W's アセンジョニスト・ジャケット | M's ガイド・ジャケット | W's ガイド・ジャケット |
ハードシェルの方もいくつか新しいモデルが出ている。
昔からパタゴニアのハードシェルの定番モデルであるストーム・ジャケット( M's : 84997 , W's : 85505
)が新しくなっている。今となってはもはや懐かしくすら思える、フロントにフラップが付けられた(つまり止水ジッパーを使っていない)クラシカルなスタイルである。ハードシェルにしては珍しく、ナイロンではなくポリエステルの生地を使っている。ポリエステルを使うのはリサイクルを考えてのことなのだろうが、ナイロンを使っているシェルター・ストーン・ジャケット( M's 85075 , W's : 85085
)もリサイクル可能である。リサイクル可能なナイロンは業界初なんだそうな。
どちらのモデルもパタゴニアにしては垢抜けないというか、モンベルのロゴを付けても違和感がなさそうなデザインなのだが、まあハードシェルってこんな感じだよな。
ちなみにシェルター・ストーン・ジャケットの方は70デニールナイロンという厚手の生地を使っている。それこそハードに使い倒せそうである。
M's ストーム・ジャケット | M's ストーム・パンツ | W's ストーム・ジャケット | W's ストーム・パンツ | M's シェルター・ストーン・ジャケット | W's シェルター・ストーン・ジャケット |
街着なんだけど、気に入ったのが1つ。
ベター・セーター・ジャケット( M's : 25525 , W's : 25540
)というモデルなのだが、ちょっと好みだ。欲しいな。
でもこれ、メンズとウィメンズではかなりデザインが違う。構成からして異なっているので、同じモデル名にしなくても・・・という気がする。ウィメンズの方が格好いいんだが。
M's ベター・セーター・ジャケット | M's ベター・セーター・1/4ジップ | W's ベター・セーター・ジャケット | W's ベター・セーター・1/4ジップ | W's ベター・セーター・フルジップ・フーディー | M's ラインド・キャンバス・フーディー |
もうひとつ、思わずツッコミを入れずにいられないのだが、メンズ・ラインド・キャンバス・フーディー(27160)というモデルが掲載されている。
その紹介文は、「たとえ現場監督に昇格してもこのフーディーがあればプレッシャーに負けることはありません」である。
いやぁ、こんな高いウエア着て現場に出たら、「汚しちゃいけないっ!」というプレッシャーに負けるぞ、きっと。
と書いてしばし考察するわけだが、よく考えりゃいわゆる「現場監督ジャケット」、すなわち表地が紺色のナイロン地で裏がパイル地のあれであるが、あれだって定価じゃけっこうするんである。あの手のウエアは会社が買うので自腹を切ることはまずないわけだから(個人経営者だって経費で買うだろうし)、値段はそれほど気にしないのだが、よくよく作業着カタログを見ると「許せない」と切実に思う。
私も現場の仕事は多いので特に冬は防寒着を使うのだが、「作業着メーカー」のものは大半がタコである。ごわごわして嵩張って動きにくい割にはちっとも暖かくないのである。そのウエアをカタログで見ると、いくら自腹を切ってないとはいえ、こんなものにこんな金を出すのは許せない・・・と思うことがしばしば。ま、定価で納入されることはまずなくて2割3割は引いているのだが・・・それにしても、である。
そこにいくと、アウトドアメーカーのウエアって軽くてコンパクトで動きやすい割に暖かいよな。
パタゴニアはさすがに高いけど、せめてモンベルのカタログから仕事着を選ばせてくれないものか?と切実に思うわけである。結局、本当に作業中に着るウエア以外は自腹切って買った自分のウエアを着ているわけで。
・・・「本当に作業中」というのは、私は現場の仕事、とはいっても、作業着が埃や泥で汚れるのではなく、ウンコや小便や血や胃の内容物で汚れる仕事なので・・・さすがに自腹切ったウエアはちょっと。