GPS -GARMIN eterx Vista HCx

 

 ハゲ山のところでちらっと書いたとおり、GPSを買ってしまった。

 実はけっこう前から欲しかったのである。お友達のやましじみさんがGPSに関しては大先輩なのだが、彼のGPSについて書かれたページを読みつつ、「いつかは買うぞ・・・」と思い続けていたわけである。
 ただ、彼は地図も読み込めず、事前に入力したウェイポイントを辿るくらいのことしかできない時代からGPSを使っていたわけだが、それはさすがに私にはあまり魅力的ではなかった。その彼もやがて地図表示ができるetrex Legendを買って大感動していたわけだが、そのあたりから「いいな・・・」と指をくわえて読んでいた次第である。
 ちなみにしじみさんや腹ペコさんと正月に余呉湖で遊んだ時も、彼はGPSを持ってきていて活躍していたのだが、あの時は吹雪の中の雪中行軍と遊ぶのに忙しく、GPS談義をしじみさんとする余裕があまりなかったのだった。

 欲しい欲しいと思いつつ今まで購入に踏み切らなかったのは、やっぱり高いから・・・である。
 今じゃ白黒表示のモデルだったり地図表示ができないものであればかなり安くはなっているのだが、それでも安くはない金を出して買うものなので半端なのは嫌である。英語版だとやはりまた安かったりするのだが、英語は嫌だ。そうでなくてもこのところ、論文を書くために数十本の英語論文と格闘しているというのに、何が哀しくて趣味の時間に英語を読まねばならないのだ。やはり日本語版に限る。地名が英語表記なのもけっこう鬱陶しいし。"Takamagahara"と"高天原"、あるいは"Kurobegoroudake"と"黒部五郎岳"では狭い画面に表示されるスペースが違うし。
 そんなわけでカラーの地図表示ができる日本語版、となるとやはりそう簡単には手が出なかったわけよ。

 折しもカメラとレンズのローンがまだ残っていて、それが終わったらGPSに手を出そうと思っていたわけだが、カミさんはローンが終わったらその分小遣いを引くなどと横暴なことを言うのだ。ひでぇぞ。
 そのローンもいつまでだったかよく覚えていなかったのだが、年末にカメラの方のローンが終わっていたことを2月になって銀行講座の記録を見ていて知ったのだ。

 ・・・・なら、カミさんが気づかないうちに・・・・

 というわけで電光石火でGPSを買ったわけであった。新たなローンを抱えてしまえばカミさんも小遣いを引けまい

 残るはカラー地図表示モデルのうち、GPSMAP60CSxにするかetrex Vista HCxにするか、はたまたetrex Legend HCxのどれにするか、という問題である。MAP60CSxは少し大きく重いしいくらなんでもちょっと高すぎるだろうと除外、残るはVistaにするかLegendにするか、である。この2つのモデルの違いは磁気コンパスと気圧高度計を搭載しているか否かの違いだけのようである。
 GPSを使ったことがないので磁気コンパスと気圧高度計の搭載の有無が使用にどう影響するのかよく判らなかったのだが、地図とコンパスを可能な限り使わずにGPSで済ませるという購入目的を考えたら、やはりここはコンパスはあった方がいいだろうということでVistaを購入したのだった。

(ガーミンの輸入元「いいよねっと」のHP)

 購入にかかった総経費。

項      目

価  格

購入場所

GPS本体 (GARMIN etrex Vista HCx)

\79,800

好日山荘

地図データ (Japan TOPO-10M)

\19,500

好日山荘

GPS用ポシェット (イスカ)

\1,500

好日山荘

Micro SDカード 2GB (Transcend)

\1,680

パソコンの館

乾電池 (エネループ単三4本+充電器)

\2,800

パソコンの館

書籍「カシミール3D GPSで山登り」(実業之日本社)

\2,100

書店

日本高密メッシュ標高データ(10mメッシュ)

\1,365

シェアウエア

合  計

\108,745

 

 

 


 

 ・・・我ながら散財したものである。
 ちなみにカシミール3D関係は別に必須というわけではない。どうせGPSを買ったのならと導入したものである。
 カシミール3Dについては別に書くことにする

 なお、いいよねっとのサイトを見れば判るとおり、地図データはこの2.5万地形図の他に市街地図や海外の地図が用意されており、それを購入してインストールすれば海外の山で使えたりカーナビの真似事をさせたりもできるそうである。まあいちいち2万円くらいするので地形図だけにしたのだが。

 ソフトはMapSourceというソフトが付属する。このソフトで地図データを読み込んでウェイポイントやルートの設定、GPSのログの取り込みなど一通りのことができる。
 地図データについては購入パッケージに書かれているロック解除のキーをいいよねっとのサイトで入力することによって得られるロック解除コードをMapSourceで打ち込まないと地図を使えない仕様になっている。それはまあ良いのだが、ちとセコいと思うのは、地図とGPSの対応が完全に1対1なので、仮に2台目のGPSを購入したりGPSを買い換えた際にも、それぞれに地図をまた購入しなければならないということである。高い地図だからなぁ・・・もうちっと何とかしてくれんか。

 なお、2.5万地形図は全国が網羅されているのだが、MapSourceでGPSのMicro SDカードに転送する際には、前にあったデータは消去されてしまうのだそうだ。なので今はとりあえず富山周辺の地図だけインストールしておいて、そのうち南アルプスに行く用事ができたら南アルプスの地図を転送する、というようなことをやると、南アルプスから帰ってからまた富山周辺の地図を転送しなければならない。
 それは面倒・・・ということで、日本全国全ての地図を転送しても1.8GBにしかならないので、ごっそり全てインストールしてしまった。

 さて、初期設定は仕方ないにしても、GPSなんて家でどれだけ触ってもあまり面白くない道具である。やはり山に連れて行かねば。
 というわけでさっそくGPSにハゲ山の場所を覚えさせようと連れ出したわけであった。

 

GARMIN etrex Vista HCx

GARMIN etrex Vista HCx

 

 上の写真はハゲ山の山頂のGPS画面である。

 ・・・これ、いいわ。これでもう紙の地図とコンパスは要らないわ

 と書くと誤解を招くんだろうな。もちろんこれを持っていてもこれからも紙の地図とコンパスは必携であることには変わりないし、これからも持っていくことには変わりない。
 でも、今まで紙の地図とコンパスでやっていたほぼ全ての作業は、このGPSでできてしまうな。
 地図表示ができない昔のGPSだと、画面はウェイポイントを事前に入力しておく必要があった。それをやらないと画面は真っ白の白地図なので、緯度経度を読んで地形図で確認しないと現在位置の確認すらできなかったわけだ。
 それが地図表示ができるGPSだと、ポイントの事前登録は特に必要ではなくなる。地図が表示されているので現在位置の確認は容易である。地図に登山道は表示されていないが、それこそ地形図なり登山地図と照合すれば良いだけだし、その照合も容易である。

 上の写真では、画面中の青いフラッグは行動中に登録したポイントである。登山道の分岐点や山頂などで登録しておけば良い。その登録も操作性が良いので簡単である。日本語が入力できるのも良いぞ。

 一度にたくさんは面倒だが、山座同定も直感的にできる。
 GPSを水平に持って調べたい山に真っ直ぐ向け、画面に表示される矢印から真っ直ぐに画面をスクロールさせれば良いわけである。ハゲ山で実際にいくつかの山を調べてみたが、画面をスクロールさせるのであまり遠い山は面倒なのだが、非常に簡単に山座同定ができた。これはコンパス内蔵の機種ならではだな。コンパスが内蔵されていないと、位置は判っても向いている方角までは判らないから。

 ほぼ地図要らずとは書いたものの、地形図や登山地図はやはり必携なことには変わりない。
 まあ、谷間で衛星をロスとした時とかバッテリー切れの時は、まったく役立たずになるわけだから、その時はもちろん地図とコンパスを使えないと話にならないわけだが、それ以外にもいくつか理由はある。

 1つは、このGPS内蔵の機種は登山道が記載されていないということである。一般の道路などはけっこう詳しく入っているのだが、それでもカーナビほどではないし、登山道はまったく入っていない。
 なのでGPSと地形図or登山地図を見比べて「登山道上での現在位置の把握」はする必要がある場合が多々あると思う。山小屋なんかも当然記載されていないし。

 もう1つの理由は、このGPSの地図は拡大縮小が自由自在なのだが、却ってそのおかげで現在位置は判っても距離感がもうひとつ判らないのである。2.5万図の距離感に頭が馴れきっているせいもあるのだろうけど。
 2.5万図と同縮尺で表示してしまうと、この狭いGPSの画面では現在位置が直感的に判るような絵にはならない(自分の周囲しか画面に入らない)ので、もう少し周囲の地形が入るような縮尺で表示しておくのだが、そうすると距離感がよく判らなくなる。馴れればある程度は改善されそうな気もするが、GPSの画面表示に使う縮尺も一定ではないので、やはり紙の地図上で現在位置を把握する必要もあるだろう。

 でも、もはや地図とコンパスがメインでGPSは補助、ではなく、GPSがメインで地図とコンパスを補助的に使う、ということになりそうである。

 ちなみに電池は単三乾電池を使うのだが、アルカリ乾電池で公称25時間保つということである。ニッケル水素電池にも対応しているので、さっそくエネループを買ってきたというわけである。1日の大半を電源入れて放置しておくというような使い方で丸3日は保ったので、2泊3日くらいの山行なら2セット持っていけばなんとかなりそうである。

 で、帰ってきてから奇跡ログをMapSourceを使ってPCに取り込んで表示させて、というような使い方だと、買ってきたGPS本体と地図データだけで用が足りるのであるが、どうせならもっと遊んでみようとカシミール3Dを入れてみた。
 このことは別のページに書くことにする。

 

 

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