パタゴニア
ストレッチ・エレメント・ジャケット
数年間気に入って使っていたジェットストリームジャケットがふとしたことでお亡くなりになってしまい、その替わりにストレッチ・アセント・ジャケットを入手した、という話は前に書いたが、入手してからもずっとあれこれ考えていたわけである。
というのは、ストレッチ・アセントはとても良いウエアなのだが、重量的にダイナアクションパーカとモロに被ってしまうのである。あまり面白くないなぁ・・・と。
軽量ハードシェルは今のところパタゴニアはレインシャドーしかなく、そのレインシャドーも現在の基準ではそれほど軽いとは言えない重量である。ちょっと前まではグレードVIとかスペクターとかスプレイマスターとか面白いモデルをたくさんラインアップしていたのに・・・
超軽量ハードシェルならモンベルの方がよほど充実しているのだが、今さらここでモンベルを買うとハードシェルはモンベルだけになってしまうので、さてどうしたものか、と2ヶ月考えて、結局ストレッチ・アセントは返品することにした。パタゴニアさんごめんなさい。買う時にもう少し考えてりゃ良かったのね。
で、替わりに買ったのがストレッチ・エレメント・ジャケット(M's
83253 , W's
83242)である。重くなってしまったんですけど?
ま、この重量なら夏にレインウエアとして使ってもギリギリ許容範囲かな、と。もちろんこのウエアはバリバリの冬山用アウターなのだが、夏にも使える仕様のモノでないとあまり興味がないので。
届いたのを触ってみてまず驚いたのが、非常に柔らかいのである。
ハードシェル特有のパリパリ感あるいはカサカサ感がほとんどない。まるでソフトシェルのような柔らかさである。こりゃあ、これを着慣れると他のハードシェル、着れなくなるかも・・・
パタゴニア ストレッチ・エレメント・ジャケット |
前立てのジッパー、ピットジップ、ポケットのジッパーは当然のごとく全て止水ジッパーなのだが、前立てジッパーだけリリ社(riri)のジッパーである。他は全て日本が世界に誇るYKKのジッパーなのだが。
このリリの止水ジッパー、他の止水ジッパーに比べるとちょっと軽い。まあ片手のみで開閉できるほど軽々、というわけにはいかないが。
ちなみにこのウエアも、表側の生地は全て溶着で接合している「縫い目がないウエア」である。この溶着、登場当初はCSSなどという名称を付けていたが、そのうちウェルデッド・シームというようになり、今はその呼称すら使わなくなってしまった。単に「縫い目を使用せず」などという表現になってしまっている。モデルももっと全面展開するのかと思っていたら、そうでもなく普通に縫い目を使用しているウエアの方が多い。
パタゴニア ストレッチ・エレメント・ジャケット (開いた状態) |
内ポケットはメッシュのものが2つ付いている。上写真の左右の白く見える生地が内ポケットである。
外側の腰ポケットは内ポケットの中にあるのだが、これもメッシュ地である。冬用アウターとしては換気に重点を置いた仕様である。
胸ポケットの中もメッシュなので、ポケットを全て全開にすればかなり換気効率が良さそうである。さらにピットジップもあるし。
さて、「縫い目ヲタク」であると同時に「フードヲタク」である私が気になるのは、フードの調節機構である。
フード調節の方程式どおり、このウエアも顔周り、頭周囲、頭長の3つの調節ポイントを持っている。
この内、顔周囲は上写真に見えているように、ウエアの内側に出ているドローコードを引いて調節する。ま、パタゴニアでは前からある仕様である。
ちなみにこのドローコードのストッパーはちゃんとプラスチックのパーツがあるのだが、襟部分のマイクロフリーズ地の中に納められている。
凍結防止と顔への当たりを考慮した仕様なんだろうな。
パタゴニア ストレッチ・エレメント・ジャケット フードの調節コード |
他の2つの調節ポイントだが、これを2つ同時に後頭部のドローコードで調節するようになっている。ストレッチ・アセントでは顔周囲と頭周囲を後頭部のドローコードで調節するようになっていたが。ちなみにモンベルのワンハンド・トライアクスルフードも同じである。
最も頻繁に調節する顔周囲の操作性がいまいちなのは別として(ウエア内側のコードは引きにくいぞ)、頭長と頭周囲を1本のコードで調節するというのは理に適っているかも。実際、ここを上手く調節できれば顔周囲はあまりマメに調節しなくてもフィッティングは良いもの。
にしても、このジャケット、良いです。値段も値段だから当然といえばそれまでだけど。
重量も550gほどなので、超軽量レインパンツと組み合わせれば、夏のレインウエアとしても何とか許容範囲内の重量に収まるし。
使い倒せそうなウエアである。(この値段のモノを使い倒す度胸が自分にあるか、という問題はあるが)