2021年秋 東北ツーリング

Part U

日付

走行場所

主な走行路

走行距離

9/19

富山〜新潟〜鶴岡(鼠ヶ関)(テント)

R8〜北陸自動車道〜R402〜R7

384.2km

9/20

鶴岡〜秋田〜深浦〜行合崎キャンプ場(テント)

R7〜R101

300.1km

9/21

深浦〜竜飛崎〜高野崎キャンプ場(テント)

R101〜メロンロード〜R339〜R280

187.8km

9/22

高野崎〜青森(三内温泉)〜弘前(ホテル)

R280〜R7

108.3km

9/23

弘前〜玉川温泉〜由利本荘(ホテル)

R7〜R282〜R341〜R105

246.4km

9/24

由利本荘〜庄内夕日の丘キャンプ場(テント)

R7〜鳥海ブルーライン〜R112

152.4km

9/25

庄内夕日の丘キャンプ場〜富山

R7〜R113〜R402〜北陸自動車道

392.9km

合       計

 

1772.1km

 

 

<9月21日>

 

 さて、本日も快晴。

 今日は竜飛崎までは予定に入れているが、その後はノープランなのだ。
 とりあえずできるだけ早立ちしたいということで、夜明け頃からゴソゴソ動き出す。

 

0921_01.jpg

行合崎の夜明け

 

 この上の画像の奥に見える青いテント、お分かりだろうか?
 これ、ブルーシートなのである!
 ブルーシートをこんなに綺麗にピシッと張る人を初めて見た。

 近くでしげしげ見ていたら、テントの主がトイレから戻ってきたので話しかけてみた。まだ若い男の子で、弟と秋田から自転車で来たそうだ。
 このブルーシートの張りっぷりは素晴らしい!と絶賛すると照れていたが、中にはソロテントとコットが置いてあるらしい。弟さんはテントの中で寝て、本人はコットで寝ていたらしい。
 それにしても見事な張りっぷりだなぁ。これだけピシッと張っていると、少々の風や雨には余裕で耐えそう。

 

0921_02.jpg

海辺で焚火する兄弟

 

 その兄弟、寒いので海辺で焚火をしていたらしい。
 なんか良い光景だ。

 ともあれ、早々に出発。

 千畳敷や風合瀬の道の駅などに寄り道し、ついこの前まで深浦町唯一のコンビニだったファミマで朝食を摂り、順調に北を目指す。
 つがる市に入ってから津軽半島を北に延びる農道、通称「メロンロード」に突入。

 お、わりといいやんこの道。
 いかにも農道らしい直線道路なのだけど、風車が林立していて時折羽根の影が進路をよぎる。

 このあたり、海沿いに道がないので海岸の秘境感はさぞ…と期待感が(笑)
 適当な道を拾って海に出てみた。
 出来島海岸なのだが、海に防波堤が突き出ていて釣り人がいた。

 

0921_03.jpg

出来島海岸の防波堤から 遠くに岩木山が見える

 

 や〜、良い感じの海だなぁ。海岸線にほとんど人工物が見えない秘境感。
 遠くに岩木山が見えるので写真を撮っていたら、偶然カモメが写り込んでなかなか良い写真になった♪

 十三湖の駐車場でシジミ汁を売っていたのだが、これ私1人だったら多分食べなかっただろうな。
 カミさんが食べる気満々だったので食べてみたのだが、これがまたバカ美味でした。
 思わず土産のシジミ汁を買って家に発送したのだが、帰ってから食べたら普通のシジミ汁だった(笑)
 味付けが違ったのかなぁ…

 

0921_04.jpg

十三湖のシジミ汁に夢中(笑)

 

 さあ、十三湖を抜けるといよいよ竜泊ラインも佳境に入ってくる。
 海岸線を走っていた道がグイグイと急激に山の方に高度を上げるところなどは昇り竜のようだ。

 

0921_05.jpg

竜泊ラインにて これが津軽半島だー!

 

 ここからの写真、前回2016年に来た時も撮ったな〜。その時は雨に降られていたのでモノクロっぽく画像処理してみたのだけど、今日は好天。
 ワインディング区間に入ると、さすがにカミさんが遅い。時折ほとんど停止寸前まで減速して調整しながら展望台に到着。

 

0921_052.jpg

竜飛崎、北海道が見える〜

 

 展望台、やっぱすごい景色だねぇ。
 ここから見える竜飛崎の最果て感が半端ない。

 ここで景色を楽しんでいると、白バイが2台、連れだって竜飛崎方面からやってきて五所川原方面に走り去っていった。

 …あの白バイ、「パトロール」とか言ってツーリングに来たんじゃあるまいな?(笑)

 そして竜飛崎に到着。

 

0921_06.jpg

竜飛崎の歌碑

 

 5年前、俺をビビらせた津軽海峡冬景色の歌碑である(笑)
 その歌碑のボタンをカミさんは喜んで3回も押した。
 子供か(笑)

 

0921_07.jpg

ボリュームすごすぎの海鮮丼

 

 竜飛から少し陸奥湾沿いに走ったところに「ささ木」という食堂があって、海鮮丼や時期によってはウニ丼が美味い、という噂だったので寄ってみた。
 美味い。美味いがなんだこのボリュームは(笑)

 実は竜飛崎でイカ焼きも食ってきたので、マジに苦しくなるほど腹がいっぱいになってしまった。
 あー、バイクの前傾姿勢が辛い(笑)

 これはどこかで昼寝しなければ、と思いながら走っていると、高野崎キャンプ場に到着。
 あーここが良い。ここでしばらく昼寝しよう。

 ところがだ。
 チェアを出してしばらくぐったりしていたら、もはや走りなおす気が失せてしまったのだった(笑)
 カミさんがどこで寝てるか分からなかったので、電話で呼び出して「もうここで張らね?」と(笑)

 

0921_08.jpg

高野崎キャンプ場 午後早々沈没

 

 さて。ここで沈没は良いのだが、明日からのことも考えておかねば。
 明日の午後から天候が悪くなる予報なのだ。青森まで出るのは良いとして、そこからどうするかなぁ。

 …まあ、明日のことは明日考えるか(笑)

 テントを設営してしばらく昼寝して、そろそろ風呂と買い出しに行くか。
 ところがここは津軽半島の先っぽ。日本有数の田舎である。
 調べたら、風呂は外ヶ浜の元祖不老不死温泉か湯の沢温泉に行くとして、買い出しは風呂とは逆方向の今別の街にコンビニがあるきり。
 距離は風呂まで13km、コンビニまで8km。風呂とコンビニに行けば42kmも走らねばならん(笑)

 ちなみにこの日の走行距離187.8kmは、この40kmあまりを入れての話である(笑)
 今朝のチャリの兄弟に追いつかれそうだ(笑)

 

0921_09.jpg

スーパームーン

 

 この日はFacebook友達の夏目さんが八戸に来ていて、私たちが高野崎にいると言うと、「じゃあこれから行こうかな」と。
 ええっ?八戸からここに?
 と驚いたのだけど、来ましたよ夏目さん。
 というわけでこの夜も友達と楽しく話しながら夜は更けていったのだった。

 

<9月22日>

 

 朝。快晴。
 ほんとに午後から崩れるの?信じがたいがそういう予報なのだ。

 この日の目的は、青森市内で味噌カレー牛乳ラーメンを食べることと三内温泉に入ること。その後はノープラン(笑)
 という予定なので、あまり早く出ても仕方ないのだ。昼頃に青森市内に着けばちょうどいい感じ。
 そんなわけでダラダラと撤収(笑)

 

0922_01.jpg

早朝の高野崎キャンプ場 手前は夏目さんのテント

 

 ちなみに夏目さんは竜飛崎から深浦に出て、そのまま日本海を南下するらしい。
 どこかでの再会を誓ってお別れ。

 さて、青森市内を目指してゴー♪

 ありゃ、空が黒くなってきたよ。
 あ、降ってきた。
 さすが最近の予報は正確だなぁ、と言う間もなくけっこうな降りに。
 今回のツーリングでは初カッパ。

 

0922_02.jpg

味噌カレー牛乳ラーメンバター入りだ!!

 

 さあ、これが噂の味噌カレー牛乳ラーメンバター入りだ!!

 …普通に美味かった。もっと奇天烈な味を想像していたのだけど。

 後で弟の嫁に聞いたら(彼女は青森市内の出身)、彼女の高校時代からあったらしい。
 わりと最近、全国区で有名になったのだけどね。これのカップラーメン、出してくれないかな。

 

0922_03.jpg

そして噂の三内温泉だ!

 

 さて青森に来た目的のもうひとつ、三内温泉である。
 ここは4年前に青森に来て八戸の居酒屋で飲んでいた時、たまたま隣の席で飲んでいた母娘連れのお母さんの方(といっても私と同年代くらいか)から強くお薦めされていた温泉なのだ。
 帰ってから調べてみたら、そのあまりの面白さに「これは次は必ず行く!」と心に決めていた。

 駐車場には車がけっこう停まっていて、もしかして混んでる?と思ったのだが、館内に入ると誰もいない。受付におばちゃんが1人いるだけ。
 元は宿泊施設だったらしく、いかにも温泉旅館のフロント、といった部屋はあるし、2階に上がる階段もあるのだが、すべて封鎖されていた。

 受付から大広間を通って風呂に行くのだが、大広間にも人の気配がない。
 昭和から一切改築されていないのでは?と思うほどノスタルジック溢れる内装に人がいないと、なんだが人外魔境に彷徨いこんでしまったような不気味さが(笑)

 

0922_04.jpg

三内温泉の脱衣所

 

 脱衣所にも人がいない。でも2人いたんだよね。入れ違いに出ていったけど。
 人の姿を見るとホッとする(笑)

 脱衣所は…腐食が著しい(笑)

 壁の注意書きを見ると、貴重品は鍵付きロッカーに入れろ、と書いているのだけど、そんなものは脱衣所にはないのだ(笑)
 どうやら過去にはあったらしいのだが、硫黄ガスによって腐食したらしいのだ(笑)
 なので現状、貴重品は受付に預けるしかない。

 浴槽もたいしたものだった(笑)

 昔の銭湯などでよくあった、大きな広間を天井までは届かない2.5mほどの壁で仕切って男湯と女湯を分ける、という形態で、天井は結露した水蒸気をランダムに落とさないようにカマボコ状に半円になっている。
 その天井、壁、床、すべてが腐食して変色している(笑)
 まだらに土色になっているので、その模様から人の顔くらい見えてきそうだ(笑)

 そして洗い場や浴槽内のタイルが部分的に腐食してギザギザになっているので、不用意にそこを歩いたり尻を下ろしたりすると痛い(笑)

 しかしそれほどまでにネタが多い温泉である替わりに、お湯は筆舌に尽くしがたいほど良かった。
 とにかく温泉成分が多いらしく、濃厚な湯なのだ。硫黄の匂いも強烈で温泉好きにはたまらない。

 この後、1週間ほどは服を着替えたりする何気ない瞬間に身体から硫黄の香りが立ち昇り、何とも幸せな気分になったのだった。
 そしてタオルを1本、お湯に浸して持って帰ったのだが、そのタオルは今でも硫黄臭くて幸せなのだ(笑)

 さて、入浴後、誰もいない大広間でカミさんと今後の検討に入る。

 実は明日まで雨がちだし、今夜はホテル泊まり案が有力なのだ。ホテル泊まりとすればどこに?
 青森市内はあまりにもサボりすぎだろ(笑)
 昨日の実質140kmに続いて今日も青森市内に泊まったら100kmも走ってないことに(笑)

 で、どこに泊まるかについては、明日以降どこを目指すか?という問題とも密接に絡んでくるのだ。
 青森市内に泊まれば翌日からは八甲田から八戸方面、深浦方面、山間部を秋田に抜けて八幡平方面、まあどこにでも行ける。
 青森市内ではなく、もう少し進めるとなると、そのいずれかに方向性がある程度決まってしまう。

 ただ、明日も天候が良くないのは分かっていたので、八甲田方面はパスしたいところだし八幡平も行ってもつまらなそう。
 ただ深浦方面に抜けてしまうと、遥々青森を往復するような行程になってしまうので、それもちょっと…

 実は八幡平は天候的に無理としても、そっち方面にもう1ヵ所、行きたいところがあったのだ。
 なので私は弘前泊まりを提案してカミさんも反対しなかったので、大広間から弘前のホテルを予約して、これから弘前まで走ることに。

 

0922_05.jpg

板柳駅 ただ来てみただけ(笑)

 

 このあたりの幹線国道って、ほとんど高速並みの高規格道路だね。その分、豪雪などで詰まった場合は逃げ道がないだけにとんでもないことになりそうだけど。
 というのも、「いとみち」の3巻で、いとの大学受験で板柳から青森に行くのに、父親が国道ではなく県道を選択するシーンがあるのだが、その理由が国道でひとたび渋滞になるとどうにもならないから、というものだった。
 なるほどなぁ〜なんて思いながらR7を南下していた。

 あ、「いとみち」って越谷オサムの小説のことで、今年映画化された。シネコンでかかるような映画ではなく、富山でもほとり座という小規模な映画館でしか上映しなかったのだが、2回観ました(笑)

 という前振りをしたからには、やっぱり来るよね板柳駅(笑)
 ちょっと寄り道するだけだし。
 カミさんはなんでこんなところで曲がるのか分からなかったようだけど、駅前に着いて駅名を見て「あぁ」と納得していた(笑)

 ここは「いとみち」の主人公のいとが住む街なのだけど、駅に映画のポスターがないじゃないか。
 この映画、青森ではけっこう盛り上がっているはずなのに。映画も他の地方では小規模映画館で2週間ほどぬるっとかかるだけなのに、青森ではたくさんの映画館でロングラン上映されているのに。
 それなのになぜ、いとの地元の駅にポスターがないのだ?

 だいたい映画のロケ地になった駅って、その映画が上映されて10年くらいたってもポスターが貼られているものなのに。
 「四日間の奇蹟」の特牛駅、「海街diary」の足尾駅、「ふたりっ子」の鎧駅、「剱岳 点の記」の岩峅寺駅、etc..

 なのに板柳駅はあっさりしてんなぁ。映画、青森ではまだやってるのにねぇ。
 弘前駅とかにはまだポスターが貼られているのだろうか。

 なんだかんだで弘前に到着。
 ホテルの部屋に転がり込んで、コインランドリーで溜まった洗濯モノを片付け、ホテルの向かいが居酒屋だったので晩飯を食べに行ってコンビニに買い出しに行って、ホテルに帰ってきてもまだ8時半(笑)
 ツーリング中は早寝早起きが生活リズムになっているので、もうすっかり眠い。
 ほとんど落ちるように寝てしまったのだった。

 

 

⇒Next

⇐Before

Back to up