平成23年9月23〜24日 薬師沢小屋

9/23 (金)    7:35 折立 出発
     8:25 アラレちゃん 通過
     9:00 三角点 通過
   10:25 五光岩ベンチ 通過
   11:10-11:50 太郎平小屋
 12:35-13:30 第一徒渉点
   14:40 薬師沢小屋 着
     
9/24 (土)  11:20 薬師沢小屋 出発
   12:35 第一徒渉点
   13:30-14:30 太郎平小屋
   16:00-16:15 三角点
   17:10 折立 着

 

 今年の家族山行は、そもそもできるとは思ってなかったのだが、うまく息子2人の都合が空いたのでやるか、という話になった。
 でももうテント泊で立山は準備も面倒だし、そもそももうこの4人で4人用テントは狭っ苦しくて却下である。
 であれば、薬師沢に行ってみるか?という話になったのだった。
 大は7年前に一度薬師沢に連れて行っている。え?もう7年も経ったの???うそぉ・・・7年前はこんなに可愛かったのに・・・
 カミさんは・・・8年前か。もう8年も経ったのか。
 ちなみに生はまだ薬師沢に連れて行ったことはないし、家族揃って行ったこともないのだ。まあ良い機会か。

 カミさんがすっかり体力に自信をなくしているのだが、それは最近一緒に歩いたのがH家だったからであって、あの穂高だって別に普通のペースでは歩けているんだから。新穂高〜槍ヶ岳日帰りをやる親子と歩けば、俺だって自信をなくすぞ。

 

折立

折立にて

 

 シルバーウイークとあって折立はそれなりに車が多かった。とはいえ、駐車場に停めることができたので、あのトンネルの手前までびっしり車が停まっていた2年前のシルバーウイークと比べるとたいしたことはない。まあ混んでるといっても知れているな。

 

あられちゃん あられちゃんにて
三角点 三角点

 

 とはいっても、アラレちゃんも三角点も人で一杯である。ん〜。
 三角点まで1時間半。別に悪くはないペースである。まあカミさんはほとんど空身だけど。
 今回は歩荷力があるので、小屋へのお土産も呉羽梨という、比重の重いモノを気軽に選んでみた。当然息子2人に担がせているのである。
 まだハンデが足りない。水も持たせるか。

 

 ちょうどたまたま、高岡の川端さんと岡田さんが女性2人を連れて登っていた。
 川端さんは薬師沢でバイトしていた時代にあれだけ一緒に飲んで潰されたのに、前に会ったときすっかり忘れられていた。岡田さんは何故か最近も頻繁に山で会うし、きっちり覚えていてくれているのに。
 この日の朝も、折立で会ったときも岡田さんはすぐ声をかけてくれたのに、川端さんは「誰じゃ、こいつは?」的な目で私を見ていた。

 その川端さんパーティーは太郎への急坂の手前で休んでいるときに我々を抜いていった。

 五光岩ベンチも過ぎて太郎まで僅かになったあたりで、大と生を解放した。好きなペースで飛ばしたまえ、と。やつらはあっという間に見えなくなった・・・
 太郎小屋の手前で、川端さんパーティーを凄い勢いでぶち抜いていったらしい。

 

 太郎小屋はガスっていた。そして寒い!!
 台風が過ぎた後の放射冷却で冷えているのか、とにかく寒い。
 その寒い中、生ビールを飲んでしまった私は、フラフラになりながら薬師沢への道を降り始めたのだった。

 

第一徒渉点にて 第一徒渉点にて

第一徒渉点にて

 

 昼食は第一徒渉点で、というのは当初からの予定の行動なのだが、私は寒い中生ビールを飲んで歩いた影響で潰れてしまっていた。
 なので昼食の準備やコーヒーを沸かすなんてことは息子たちがしていたのであった。
 昼寝したら目が覚めて、後はさくさくと薬師沢に歩いていった次第である。

 

薬師沢小屋から黒部川

釣りのまねごとをしている大と生

 

 薬師沢もやっぱり寒かった。10月半ばのような寒さである。
 でも、沢は台風の増水で水垢が綺麗に洗われたのか、異様に綺麗だ。まるで7月初旬のようなブルーである。綺麗だ〜。

 その中を大は退屈だからと山ちゃん(ちょうど山ちゃんも来ているのだ)にテンカラ竿を借りて釣りを始めた。
 山ちゃんには針をばらしても何しても良いから、と言われて竿を借りたらしい。でも何も教えてもらってないので、吊り橋の上から何人かで「ありゃ〜150%釣れないね〜」なんて笑いながら見ていたのだった。
 そのうちに針どころかラインごとばらしてしまって、山ちゃんに再セットしてもらっていた。

 

薬師沢小屋の帳場で

帳場で小屋番のまねごとをする俺様
後ろは本物の小屋番

 

 実はこのあたりから記憶がバラバラなのである。
 何故かというと、自炊室で川端さんパーティーが宴会を始めていて、それに参加したからなのだが・・・

 

小屋の手伝い

洗い物を手伝う大と生

 

 記憶自体はしっかりあるのだが、記憶の前後関係がバラバラである。

 なんせ720mlの日本酒の紙パックを、この短い時間で5本も空けるのである。5本も持ってきているというところにまず驚くべきか?
 どうも川端さん達と飲んで、自分のペースを保てたことがない。川端さん達のペースがあまりに早すぎるから・・・
 というわけで、ベロベロに泥酔してしまった。まだ客食すら始まってない時間帯なのに。

 川端さんに、「俺のこと、すっかり忘れてるでしょ」と言ったら(いや、そもそも川端さんがシラフの時に会ったことがなかったのかもしれないが)、今度は絶対覚えている、と仰る。
 なんでも太郎小屋の手前で川端パーティーを抜いていった大と生の印象が強烈だったらしい。ん?でもそれと俺を忘れないことがちゃんと繋がるのか?

 岡田さんがまず潰れてパーティーの女性に介護されて2階に上がっていった。川端さんもフラフラになっていた。
 実はこの2人が潰れるところ、初めて見た
 で、私も安心して潰れた。
 2階に上がっていって(自分1人で上がれたよ)、カミさんと息子達に、「俺はもうダメだから、5時15分になったら厨房に降りていって山ちゃんと景子ちゃんの指示に従って洗い物を手伝え」と指示して、自分は人事不省に陥ってしまったのだった。
 でも、恐ろしいことに、川端さん達はあれからまだ飲んでいたらしい。

 

夕食

内輪の宴会

 

 客食も終わって内輪の食事が始まるときに起こされた。
 で、食べ始めてはみたのだが・・・あかん。座っているのが辛い。こんなにダメな俺って久しぶり。

 この写真を撮るのが精一杯だったのだった・・・

 夜中の3時くらいに一度目が覚めてトイレに行った。
 ついでにちょっと外に出てみたら、それはそれは凄い星空だった。ちょうど雲の平にオリオン座がかかっていた。
 後で大にその話をしたら、「あれだけ星が多くて、よくオリオン座が判ったな」と言われた。それくらい星が多かったのだ。

 

黒部川本流

赤木沢に出発する山ちゃん

 

 翌朝もがっつり寒かった。空き缶に貯まった水が、薄い氷が張るなんて生やさしいものではなく、全てガッチリ凍っているのである。
 起きたとき、既に川端さんパーティーは赤木沢に出発してしまっていた。
 山ちゃんも朝食が終わると赤木沢に出発である。

 このクソ寒い日に沢登りをするやつの気がしれん・・・とは言ってはみたものの、水垢が洗われて水量も多いから、太陽さえ当たれば今日の赤木沢はとてつもなく綺麗だろうな。
 でも当面、寒いぞ。水際の岩なんてみんな凍ってるぞ。
 山ちゃんがテラスの上で「やっぱり氷の上はファイブテンのソールも効かないですね〜」なんてやっていたが、氷の上で効くのはアイゼンだけぢゃ。

 でも後で聞いたら、山ちゃんはウマ沢の大滝の手前まで寄り道したらしい。パワフルだなぁ。

 

釣り その1

景子ちゃんの釣り指導が始まった

 

 昨日、酔いつぶれてロクに仕事もしていない償いに、部屋掃除を手伝って(家族もフル動員したが)お茶も飲んで、10時くらいには出発しなきゃ、と言っているのに、景子ちゃんが大に釣りの稽古を付けてくれると言う。5分だけ、とか言ってたけど5分で済むかよ。
 結局1時間は釣りをしていた。

 最初は吊り橋下でやっていたのだが、そのうちに順子岩の方に移動して・・・

 

釣り その2

順子岩に場所を変えて釣り続行

 

 それが、釣ってしまったのだ。
 景子ちゃんに、そこにイワナがいるからと教えられて3回毛針を流したけど合わせられず、毛針を替えてさらに3回目に釣ったらしい。
 こんな小屋近くのイワナなんて釣り客にさんざ遊ばれてスレているはずなんだが・・・

 

13_fishing_3.jpg

釣っちまった・・・

 

 こんなド素人に釣られるなんて、どんな間抜けなイワナだ??

 

 


 

 

釣り その4

私がド素人に釣られた間抜けなイワナです

 

 釣ったイワナを見ながらみんなで「なんて間抜けなんだ」と罵倒していたせいか、リリースしてからもすぐ近くの岩の下に頭を隠してひたすら恥じ入っていた。でも尻は隠せてないけど。

 

釣り その5

ド素人に釣られて恥じ入るイワナ(頭隠して尻隠さず)

 

 というわけで薬師沢小屋を出発したのは実に11時半であった。ちゃんと歩かないと夕方までに帰れないぞ。
 とカミさんを脅して歩かせた成果が実り、太郎小屋まで2時間ほどで着いた。まあまあのペースである。
 ちなみに大と生は第一徒渉点で解放した。
 第一徒渉点から30分で太郎まで登れれば、小屋で1人1杯ずつラーメンを食べて良い、と。30分以上なら2人で1杯である。
 きっちり30分で登ったらしい。この2人なら20分で行けると思ったが・・・前半飛ばしすぎて少しバテたらしい。

 川端さん達、山ちゃんの赤木沢隊もそろそろ太郎に戻ってくる頃だが・・・
 と思っていたら、2時半ちょっと前に揃って戻ってきた。やっぱり凄く綺麗だったって。

 でも、川端さんが私を見て一瞬、「誰だこいつ?」的な目をしたのを私は見逃してないよ。

 

太郎からの下り

太郎からの下り
雲海が綺麗

 

 太郎からの下りは寒いのだけど日が当たっているので昨日よりはずいぶん暖かかった。
 雲海を見ながら気分良く下る。

 適当に大と生を解放したら、五光岩でもやつらは待ってない。どこまで先行しているんじゃ、とイラついた頃、三角点でヒマそうに待っていた。

 三角点でさらに大と生を解放して、「折立に着いたら俺たちのためにコーヒーを沸かしておけ」と命じた。
 そういえば、通りすがりのパーティーが我々を見て、「やっぱり若い人は強いですね〜。お父さんとお母さんが難儀しているのに・・」と言っていたが、難儀してるのはカミさんだけだぞ。

 

折立にて

無事に下山してきました

 

 折立に着いたら言いつけ通りコーヒーを沸かして待っていた。
 が、火器類は大に持たせていたのだが、マグカップを2つとも俺とカミさんが持っていたため、大はせっかく沸かしたコーヒーを飲むこともできずイライラしながら私たちを待っていたらしい。

 

 そういえば登りの時に、地元の粟巣野在住の人から声をかけられた。
 薬師見平に行ったときのテレビ番組を見たそうで、自分もいつか薬師見平に行きたいので詳しく話を聞きたい、って。
 同じ薬師沢に泊まるので、じゃあ夜に小屋でゆっくりと、って言っていたのに、私が酔いつぶれてすっぽかしてしまったのだった。ごめんなさい。
 またいつかの機会に?

 

 

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